こんにちは、はりきゅう速水です。
9月に入り、北海道も少しずつ秋の気配を感じるようになってきました。日中はまだ暑さが残る日もありますが、朝晩は涼しくなり、季節が夏から秋へと変わってきているのを感じます。そんな今の時期、七十二候では「禾乃登(こくものすなわちみのる)」。
稲などの穀物が実り、収穫を迎える頃を表しています。自然界では、夏に育ったものが実を結ぶ時期。私たちの体も、夏の過ごし方から少しずつ秋の過ごし方へ切り替えていく時期です。
●食欲の秋だからこそ、胃腸をいたわる
「食欲の秋」という言葉があるように、暑さが落ち着いてくると、少しずつ食欲が戻ってくる方も多いのではないでしょうか。
一方で、夏の間に冷たい飲み物や食べ物をとる機会が増えたり、暑さで食欲が落ちたりして、胃腸が疲れていることもあります。そこへ、涼しくなったからといって急に食事量が増えると、
・胃がもたれる
・お腹が張る
・食後に眠くなる
・便通が乱れる
など、胃腸の不調につながることもあります。東洋医学では、飲食物から体に必要なものをつくり、全身へ運ぶ働きを「脾胃」が担うと考えます。夏の暑さで疲れた胃腸を少し休ませながら、これからの秋を迎えていきたいところです。
●秋に向けてできる養生
まず意識したいのは、「食欲が戻ったからといって、急に食べすぎないこと」。おいしいものが増える季節ですが、最初は腹八分目くらいを意識してみましょう。
また、夏の間に冷たいものを多くとっていた方は、少しずつ温かい食事へ戻していくのもおすすめです。特別なことをする必要はありません。
・よく噛んで食べる
・食事の時間をなるべく乱さない
・冷たいものをとりすぎない
・お腹いっぱいになるまで食べない
こうした小さなことでも、胃腸をいたわることにつながります。そして、朝晩が涼しくなってきたら、服装にも少し注意してみてください。夏と同じような薄着のままで過ごしていると、思った以上に体が冷えていることがあります。特にお腹や足元は冷やしすぎないようにして、秋の気候に合わせて少しずつ調整していきましょう。
●胃腸をいたわるツボ
今回は、食欲の秋に向けて「中脘」と「足三里」を紹介します。
【中脘(ちゅうかん)】 おへそとみぞおちの中間あたりにあるツボです。
胃の調子を整えるツボとして、鍼灸ではよく使われます。食べすぎたときや、胃が重いと感じるときなどに、やさしく温めたり、軽く触れてみるのもよいでしょう。
【足三里(あしさんり)】 膝のお皿の下から指4本分ほど下、すねの外側にあるツボです。
胃腸の調子を整えるほか、疲れがあるときにもよく使われる代表的なツボです。強く押す必要はありません。「痛気持ちいい」程度を目安に、ゆっくり刺激してみてください。
●まとめ
自然界では、夏に育ったものが実りを迎えています。私たちの体も、夏の暑さから少しずつ離れ、秋へと切り替わっていきます。
これからは、おいしいものが増えてくる季節。だからこそ、食べることを我慢するのではなく、まずは胃腸を整えて、秋の味覚を楽しめる体をつくっていきたいですね。
季節の変化を感じながら、無理なく少しずつ。これも秋の養生のひとつです。
「参考文献」
東洋医学概論 教科書執筆小委員会 著 医道の日本社



