こんばんは、はりきゅう速水です。
「今年は○○をやってみよう」
「もっと運動してみよう」
「これを勉強してみよう」
そんなふうに、「やってみたい」と思うことはありませんか?
目標を立てることは、行動のきっかけになります。でも、目標を立てたことで少し満足してしまい、なかなか実行に移せないこともありますよね。
では、
「やろう」と思う気持ちは、どこから生まれるのでしょうか?今回は、東洋医学の「五神(ごしん)」という考え方から、少し考えてみたいと思います。
●「やろう」と思ってから、実際に動くまで
東洋医学では、精神活動を「神・魂・魄・意・志」という五つの働きから捉える考え方があります。
今回はこの五神を、「何かをやってみたい」と思ってから、実際に行動するまでという流れに当てはめて考えてみます。
腎の「志」
「こうなりたい」
「こうしたい」
という思い。これは腎に宿る「志」と関係していると考えられます。
たとえば、
「健康のために運動したい」
「今年は資格の勉強をしてみたい」
「趣味をもう一度始めてみたい」など。
まず「こうしたい」という思いが生まれることが、最初の一歩になります。
肝の「魂」
「こうしたい」と思ったら、次は、
「じゃあ、どうしてみよう?」と考えます。
「毎朝10分歩いてみよう」
「まずは参考書を買ってみよう」
「昔やっていた趣味を、もう一度やってみよう」など、
目標に向かう方向を考えていく。ここには、肝に宿る「魂」の働きを重ねて考えることができます。
心の「神」
方向性が決まったら、
「よし、やってみよう」と気持ちを向ける。
心に宿る「神」は、精神活動を統括するものと考えられています。「やってみよう」と意識を向けることも、行動へ進むための大切な部分なのかもしれません。
脾の「意」
「具体的には、何をすればいいだろう?」と考えます。
「朝起きたら10分歩こう」
「今日は参考書を1ページ読んでみよう」
というように、思い描いていることを具体的な行動へ落とし込んでいく。ここでは、脾に宿る「意」の働きを考えることができます。
肺の「魄」
そして最後は、
実際に身体を動かすこと。
立ち上がって歩く。
机に向かって勉強する。
道具を手に取って、やってみる。
頭の中で考えているだけではなく、実際の身体の動きにつなげていくところには、肺に宿る「魄」の働きも関係していると考えることができます。
●人によって、止まりやすいところが違う
こうして並べてみると、
腎・志
「こうなりたい」「こうしたい」
↓
肝・魂
「じゃあ、こうしてみよう」
↓
心・神
「よし、やってみよう」
↓
脾・意
「具体的には、こうしよう」
↓
肺・魄
「実際に身体を動かす」
という流れになります。
もちろん、人の心や身体が実際にこの順番で動くわけではありません。これは、五神の働きを「行動」というテーマから考えてみるための、一つの見方です。
そして、ここから考えてみると面白いことがあります。人によって、途中でつまずきやすいところが違うのではないでしょうか。
たとえば、
「こうしたいなぁ」と思っているけれど、どうすればいいのか分からない。
そんなときは、志はあるけれど、その先の方向を決めるところで止まっている
と考えてみることができます。
「こうしたい」
↓
「こうしてみよう」
ここまでは決まった。
でも、
「よし、やってみよう!」
となかなか気持ちが向かないこともあります。そんなときは、志から魂へは進んだけれど、その先で立ち止まっているのかもしれません。
また、
「やってみよう」とは思っている。
でも、
「何から始めればいいんだろう?」
「もっと準備してからのほうがいいかな?」
と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうこともあります。これは、具体的な行動に落とし込むところで立ち止まっている、と考えることもできます。
そして、
「何をすればいいかも分かっている」
「やろうという気持ちもある」
それでも、なかなか身体が動かない。
そんなこともあります。このように考えると、
「やる気がある・ない」だけではなく、
「自分はどこで止まりやすいんだろう?」
と、自分自身を少し違った角度から見ることができます。
●大きな目標より、小さな一歩
目標を立てることは、とても大切です。
「こうなりたい」
「こうしてみたい」
という思いがあるからこそ、次の行動につながっていきます。でも、大きな目標を立てたままでは、なかなか動き出せないこともあります。
そんなときは、
「今日できることは何だろう?」
と、少しだけ小さくしてみる。
「毎日運動する」ではなく、「今日は5分だけ歩いてみる」
「資格を取る」ではなく、「今日は参考書を1ページだけ読んでみる」
それくらいでもいいのかもしれません。
「こうなりたい」という思いを、今日できる小さな行動に変えてみる。その積み重ねが、いつか大きな変化につながっていくのではないでしょうか。
●「やってみよう」と思うのは、どんなとき?
今回は、「やろう」と思う気持ち(やる気)を、東洋医学の五神から考えてみました。
志「こうなりたい」
↓
魂「こうしてみよう」
↓
神「よし、やってみよう」
↓
意「具体的には、こうしよう」
↓
魄「実際に身体を動かす」
もちろん、これは五神の働きを分かりやすく考えるための一つの見方です。
でも、もし今、「やってみたいけれど、なかなか始められない」
ということがあるなら、自分はどこで止まりやすいんだろう?
と考えてみるのも面白いかもしれません。
・「こうしたい」という思いがまだ見つからないのか。
・方向性が決まらないのか。
・「よし、やろう」という気持ちになれないのか。
・具体的な方法が分からないのか。
・分かっているけれど身体が動かないのか。
人によって、きっと違います。そして、もし止まっているところが見つかったら、
「そこから一歩進むために、今日できることは何だろう?」と考えてみてはいかがでしょうか?
「参考文献」
東洋医学概論 教科書執筆小委員会 著 医道の日本社