#176 「北海道を歩こう」に参加してきました

こんばんは、はりきゅう速水です。

昨日、「北海道を歩こう」というイベントに参加してきました。参加人数は約1000人。最年少は小学4年生、最高齢は94歳とのことで、幅広い年代の方が参加されていました。

●コースは3種類

今回のコースは、

 ・6キロ(札幌芸術の森)

 ・10キロ(真駒内カントリークラブ)

 ・33キロ(支笏湖ポロピナイ)

の3種類。私は去年、まず6キロコースに参加してみて、「これならいけるかもしれない」と思い、今年は33キロに挑戦しました。

●33キロは、想像以上

結果としては、完走できました!

 ・タイム:7時間47分04秒(休憩含む)

 ・歩数 :約51437歩

ただ思っていた以上に大変でして。まずは雨。14時過ぎにはかなり強めの雨。ちょうどその頃のコースは下り坂が続いており、ふくらはぎへの負担も強く、かなり足にきました。歩いているので汗はかくものの、雨で体が冷え、後半は足がつりそうになる場面もありました。途中で芍薬甘草湯を飲みながら、なんとか最後まで歩き切ることができて、本当にほっとしております。

●支えられて歩けたようなもの

今回、スタート前は「本当にゴールできるだろうか」という不安もありました。そんな中、奥さんから「無理してゴールしなくてもいいんだよ」と言ってもらえたことで、逆に気持ちが楽になり、変に力まず参加することができました。

また、運営スタッフの皆さんの何気ない声かけにも本当に勇気をもらいました。何度も車で往復しながら見回っているスタッフさん。ゴール後、シャトルバスで送迎してくださるスタッフさん。多くの方に支えられて、このイベントが成り立っているのだと感じました。

●実際に歩いてみて感じたこと

33キロ歩いてみると、体の使い方や疲れ方、冷えによる影響など、普段施術でお話していることを自分自身の体で実感する場面がたくさんありました。

特に後半は、

 ・冷え

 ・筋肉疲労

 ・水分バランス

 ・体の使い方

など、東洋医学的にも興味深い変化を感じることができました。「体は正直だな」と改めて感じる1日でもありました。大変ではありましたが、無事に完歩でき、とても学びの多いイベントでした。

年齢に関係なく、それぞれのペースで挑戦している参加者の姿にもたくさん刺激をもらいました。また来年どうするかは…少し足と相談しながら考えたいと思います。

#174 訪問鍼灸について、よくお話しすること

こんにちは、はりきゅう速水です。

ありがたいことに、訪問鍼灸では患者さんやご家族からのご紹介をいただくことが多くあります。その中で、初めて鍼灸を受けられる方や、ご相談いただく方から、よく聞かれることがあります。今日は、訪問鍼灸について普段よくお話ししていることを書いてみようと思います。

●どんな症状でも相談していいんですか?

まず最初に多いのが、このご質問です。

「これって鍼灸でみてもらえるの?」
「病院に行くほどではないけど…」
「なんとなく不調なんだけど相談していいの?」

こういったお話をいただくことがあります。

実際には、体の悩みははっきり症状として出る前に、
「なんとなくつらい」
という形で現れることも少なくありません。

そのため、どんな症状でも、まずはお話を聞かせていただければと思っています。

●体力や状態に合わせて施術を変えています

鍼灸というと、
「たくさん鍼を刺す」
というイメージを持たれる方もいます。

ですが実際には、その方の体調や体力に合わせて、施術の方法は変わります。

 ・鍼の本数を少なく or 多くする

 ・施術時間を短くする or 長くじっくり施術する

など、状態をみながら調整しています。

特に訪問鍼灸では、ご高齢の方や体力が落ちている方も多いため、無理のない施術を大切にしています。

●鍼やお灸が怖い場合は?

「鍼が怖い」
「お灸は熱そう」

という不安を持たれる方も少なくありません。

その場合は、刺さない鍼(てい鍼)を使ったり、熱すぎないやさしいお灸を使うこともあります。

実際には
「思っていたより怖くなかった」
と言われることも多いです。

●施術を受けなくても大丈夫です

また、鍼灸施術を受けるかどうかに関係なく、

 ・ツボについて

 ・養生について

 ・普段の体の整え方

などのご質問をいただくこともあります。

「こういう時はどうしたらいい?」
といったご相談だけでも大丈夫ですので、気になることがあればお気軽にお話しください。

●まとめ

訪問鍼灸というと、まだ少しハードルが高く感じる方もいるかもしれません。ですが実際には、その方の状態に合わせながら、無理のない形で行っています。

まずは「相談してみる」というところからでも大丈夫です。これからも、一人ひとりのお話を聞きながら、丁寧に向き合っていきたいと思います。

#173 結婚20年、あらためて思うこと

こんにちは、はりきゅう速水です。

5月13日で、結婚して20年になりました。

あっという間だったような気もしますし、振り返ると本当にいろいろなことがあった20年だったなと感じています。

●SE時代から鍼灸の道へ

結婚当初は、システムエンジニアとして仕事をしていました。毎日パソコンに向かいながら忙しく働いていましたが、30代に入る頃から「このままでいいのだろうか」と考えることも増えていきました。そこから鍼灸の勉強を始めることになり、生活も大きく変わっていきました。

仕事をしながらの勉強、学校生活、資格取得。
今思えば、奥さんにはかなり迷惑や負担をかけていたと思います。

それでも支えてもらいながら、3年後に鍼灸師となり、その後北海道へ戻って、現在の訪問鍼灸の仕事につながっています。

●20年経って思うこと

若い頃は、自分のことで精一杯だった気がします。

ですが20年経った今は、「一人では今の仕事はできていなかった」と感じることが増えました。鍼灸師になるという大きな方向転換も、簡単なことではありませんでした。収入や生活の変化、不安もたくさんあったと思います。それでも、なんとか今まで続けてこられたのは、奥さんの支えがあったからだと感じています。

20年という時間の中で、少しずつですが、「自分一人で生きているわけではない」ということを実感するようになりました。

●訪問の仕事の中で感じること

訪問鍼灸では、長年連れ添っているご夫婦のお宅へ伺うことも多くあります。施術をしていると、何気ない会話の中に、そのご夫婦が積み重ねてきた時間を感じることがあります。

「最近ちょっと食欲が落ちてきてね」
「今日は調子良さそうだね」
そんな一言一言の中にも、日々お互いを気にかけながら生活している様子が見えてきます。

介護が必要な状況になっても、自然に支え合っている姿を見ると、“一緒に歳を重ねる”というのは簡単なことではないのだろうなと感じます。もちろん大変なことも多いと思います。それでも、長年一緒に過ごしてきたからこその空気感や安心感のようなものを感じる場面が、訪問の仕事の中にはたくさんあります。

訪問鍼灸は、体だけを見る仕事ではなく、その方の生活やご家族との関係性にも触れる仕事なのだと、日々感じています。

●まとめ

20年という時間の中で、仕事も生活も大きく変わりました。それでも、今こうして北海道で訪問鍼灸を続けられていることをありがたく感じています。

これからも、目の前の方に丁寧に向き合いながら、一歩ずつ続けていければと思います。

#169 自分に合う鍼灸を探すということ

こんばんは、はりきゅう速水です。

帰りが雨になり、ぐっと冷えてきましたね。
暖かかった日との気温差で、体も少しびっくりしているかもしれません。

寒さを感じると筋肉がこわばりやすくなるので、温めたり、軽くほぐしたりしてあげるのがおすすめです。

先日、患者さんとの会話の中で、うれしいお話を伺いました。

以前、その方のご家族が北海道に来られた際に、鍼灸施術を受けていただく機会がありました。その後、九州に戻られてからも体調がよく、鍼灸を続けたいということで、通えるところを探されていたそうです。

そして今回、久しぶりに北海道に来られた際に、鍼灸の話になったとのこと。

いろいろと探してみたものの、
「なかなか自分に合う施術が見つからない」
というお話をされていたそうです。

その中で、
「速水さんの施術が、自分には合っていた」
と感じていただけていたことを聞き、とてもうれしく思いました。

●合う・合わないがあるのが鍼灸

鍼灸は同じように見えても

 ・考え方(アプローチ方法、施術の組み立て方、局所か全身なのか等)

 ・施術の方法(例:鍼の太さ、刺す本数、刺激の強さ等)

などが施術者によって大きく異なります

また、患者さんの状態や体力もそれぞれ異なります。そのため、

 →しっかり刺激を入れた方が合う方

 →やさしい刺激の方が合う方

といった違いが出てきます。こうした施術の違いが「合う・合わない」と感じる一因になることもあります。

●一方で

「続けたいのに、合うところが見つからない」

という声を聞くと、少し考えさせられるところでもあります。

体に合う施術に出会えるかどうかで、
その後の体調や生活の質も変わってくることがあるからです。

●いつかは

今回のお話の中で、
「もし機会があれば、九州でも施術を受けたいですね」
というようなお声もいただきました。

すぐに実現できるものではありませんが、
いつかそういった形で、遠方の方にも関われる機会があればいいなと感じています。

●まとめ

今回のお話を通して、鍼灸は「どこで受けるか」だけでなく、
「誰から受けるか」も大切な要素のひとつだと、改めて感じました。

体の状態や体力は人それぞれ異なるため、
ご自身に合った施術を見つけることが、体調を整えるうえでも大切なポイントになります。

もし、今のケアにしっくりきていない方や、
「もう少し自分に合う方法があるのでは」と感じている方は、
一度ご相談いただくのもひとつの方法です。

ご相談だけでも大丈夫ですので、気になることがあればお気軽にお声かけください。
これからも一人ひとりの状態に合わせた施術を大切にしながら、丁寧に向き合っていきたいと思います。

#163 気分の落ち込みと体の状態に向き合った訪問鍼灸の一例

こんばんは、はりきゅう速水です。

暖かい日が増えてきましたが、季節の変わり目は体調だけでなく、気分の面でも変化が出やすい時期です。

今回は、気分の落ち込みが強く、外出が難しかった方への訪問鍼灸の一例をご紹介します。

●相談内容

ご本人は、気分の落ち込みや不安感が続き、家の外に出ることが難しい状態が続いていました。体のだるさや冷えも強く、日常生活の中での活動量も減っている様子でした。

●東洋医学的な見方

東洋医学では、このような状態を「体のエネルギーの低下」や「バランスの乱れ」として捉えることがあります。今回のケースでは、特に「腎」の働きが弱っている状態(腎虚)の傾向が見られました。腎虚になると不安感や気力の低下といった状態につながると考えられています。

●施術方針とセルフケア

今回のケースでは、足の冷えや下腹部に力が入りにくい状態が見られたため、体を内側から温めることを意識し、お灸を中心に施術を行いました。

また、うつ伏せでの施術時には、背中のこりに対して鍼を行い、あわせて仙骨まわりにもお灸を取り入れています。

仙骨周囲はリラックスに関わる反応が出やすい部位でもあるため、無理のない範囲で心身ともにゆるみやすい状態を目指して施術を行いました。

ご本人やご家族でも取り組みえる簡単なセルフケアとしては

 ・足の裏を温める

 ・仙骨まわりを温める

 ・朝起きた際に耳をやさしく揉む

東洋医学では、耳は「腎」と関係が深いと考えられており、やさしく刺激することで体のバランスを整えるとされています。

●変化としては

無理のない範囲で施術を続けていく中で、

 ・少しずつ表情がやわらいできた

 ・会話の量が増えてきた

 ・家の中での動きが少しずつ増えてきた

その後、外にでることができる場面も見られるようになりました。

●まとめ

気分の落ち込みや不安感は、心の問題だけでなく、体の状態とも深く関係している場合があります。

はりきゅう速水では、その方のペースを大切にしながら、体の面からもサポートできるよう心がけています。

「外に出るのがつらい」
「元気が出にくい」

そういったお悩みがある場合の一つの選択肢として、訪問鍼灸も考えていただければと思います。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

#162 虹始見(にじはじめてあらわる) | 春から初夏へ、体が重だるくなる理由

こんばんは、はりきゅう速水です。

七十二候では、いまの時期を
「虹始見(にじはじめてあらわる)」といいます。

雨上がりの空に虹が見え始める頃とされていますが、
私はまだ今年は虹を見れていませんが・・・(;ˊᗜˋ)

ただ、こうした言葉を知ると、ふと空を見上げたくなりますね

季節は春から少しずつ初夏へ。
実はこの時期、「なんとなく体が重い」「だるい」と感じる方が増えてきます。

春から初夏にかけて、体が重だるくなる理由

この時期は、気温の上昇とともに湿気も増えてきます。東洋医学では、この“湿(しつ)”が体に影響すると考えます。湿の影響を受けると

 ・体が重い

 ・むくみやすい

 ・頭がぼーっとする

 ・胃腸の働きが落ちる

といった不調が出やすくなります。特に胃腸(脾)の働きが弱ることで、体の中に余分な水分がたまりやすくなるのが特徴です。

この時期の養生方

① 冷たいものを控える
 冷たい飲み物や食べ物は、胃腸の働きを弱めやすくなります。なるべく常温〜温かいものを意識しましょう。

② 軽く汗をかく
 ウォーキングや軽いストレッチで、体の巡りを良くします。「少し汗ばむくらい」が目安です。

③ 食べすぎない
 消化に負担がかかると、さらに体が重だるくなります。腹八分目を意識すると整いやすくなります。

④ 水分のとり方を見直す
 一度に大量に飲むよりも、こまめに少しずつがポイントです。

自分でできるツボケア

・足三里(あしさんり)
膝のお皿の下、外側にあるツボです。
胃腸の働きを整え、体のだるさや疲れに効果的です。

 → 指でゆっくり5秒ほど押して、ゆるめる
 → これを数回繰り返します
 → お灸で温めるのもおすすめです

・陰陵泉(いんりょうせん)
膝の内側、少しくぼんだところにあります。
体の余分な水分をさばく働きがあります。

 → むくみや重だるさがあるときにおすすめです


まとめ

「虹始見」は、自然が変わる節目の時期です。

そして同じように、体も変化に適応しようとしています。

なんとなく不調を感じたときは、
無理をするよりも、少し整えることを意識してみてください。

訪問鍼灸では、こうした季節の不調にも対応しています。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

心も体もととのう漢方の暮らし365日 川手鮎子著

#161 咬み合わせがしっくりこない方へ|顎のこわばりに対する鍼灸の一例

こんにちは、はりきゅう速水です。

先日、訪問鍼灸で
「なんとなく咬み合わせがしっくりこない」
というご相談をいただきました。

歯そのものというよりも、
顎まわりの違和感や使いづらさが気になるとのことでした。

●状態の見立て

お身体の状態をみていくと

 ・脈診では「肝虚」、脈はやや緊張した状態

 ・問診では、最近やることが多く気忙しい様子

 ・切診では、こめかみ〜顎(特に右側)の筋肉のこわばり

⇒無意識の噛みしめ、ストレスによる筋緊張が関係していると考え施術しました。

●施術内容

全身のバランスを整える鍼(水泉、陰谷など)に加えて

 ・こめかみ

 ・顎まわり(前側、横側、後側)

の硬さが強い部分に、細い鍼でやさしく刺激を行い、その間、棒灸で顔まわりをじんわり温め、筋肉のゆるみを促しました。

●施術後の変化

施術後は、

 ・顎が開きやすくなった

 ・かみ合わせの違和感が軽減した

とのことでした。改善してほっとしております。

●今回のポイント

 ・歯そのものの問題だけではない

 ・筋肉の緊張や日常のストレス

が影響していることがあります。そのため、無意識の噛みしめや気が張っている状態が続くと、顎まわりは硬くなりやすくなります。

「なんとなく気になる」といった段階でも、早めにケアすることで楽になることもあります。

もし同じようなお悩みがある方は、はりきゅう速水までお気軽にご相談ください。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

#160 車いすの方への訪問鍼灸で大切にしていること

こんにちは、はりきゅう速水です。

風が強い日が続いていますが、少しずつ暖かさも感じられるようになってきました。
季節の変わり目は、体調の変化が出やすい時期でもあります。

さて、今回は、車いすで生活されている方やケアマネジャーの方やご家族から

「最近むくみが強くなってきた」

「動きが少なくなってきた」

「食欲や元気が落ちてきている」

といったご相談をいただくことが多くあります。

こうした“生活の中の変化”に寄り添うことが、訪問鍼灸の役割だと考えています。

症状に応じた東洋医学的なアプローチ

体の状態に合わせて、以下のようなツボを参考に施術を行っています。

 ・足の浮腫(むくみ)        : 豊隆(ほうりゅう)

 ・足のしびれ           : 太衝(たいしょう)

 ・足にに力が入りにくい、食欲低下 : 足三里(あしさんり)

 ・肩こり、首こり         : 合谷(ごうこく)

これらのツボは、施術だけでなく、ご本人やご家族によるセルフケアとしても活用できます。軽く押したり、温めたりするだけでも、体がゆるみやすくなることがあります。

その日の体調や反応を確認しながら、刺激量も含めて無理のない範囲で調整しています。

訪問だからこその配慮

訪問鍼灸は、ご自宅や施設という生活の場で行うため、環境や体勢に制限がある場合もあります。

そのため施術は無理に進めず、衣服や体の状態を確認しながら、できるだけ負担の少ない方法を選んでいます。また、ご本人の安心感を大切にし、声かけや確認を行いながら施術を進めています。

ケアマネジャー・ご家族の方へ

訪問鍼灸は、病気そのものを治すことだけを目的とするのではなく、
日常生活を少しでも過ごしやすくすることを目的としております。

上に書いた症状以外にも

 ・手の震え(振戦)が減った

 ・以前より言葉が話せる

 ・食欲や睡眠のリズムが整いやすくなる

といった、生活の中での小さな変化を目指しております。

●まとめ

訪問鍼灸の良い点として、まず大きいのは「治療院へ連れて行かなくても、ご自宅や施設で施術を受けられる」という点です。

移動の負担が少ないことで、ご本人だけでなく、ご家族や介助される方の負担軽減にもつながります。

また、普段過ごしている環境の中で施術を行うため、生活の様子を踏まえたより実際的なケアができることも訪問鍼灸の特徴です。

当院では、その方の生活背景を大切にしながら、無理なく取り入れられる形で、少しでも日常が過ごしやすくなるような関わりを大切にしています。ケアマネジャーの方やご家族にとっても、「一度相談してみよう」と思っていただける訪問鍼灸であり続けたいと考えています。

#159 寝たきりの方に鍼灸するとどう変わるのか?

こんばんは、はりきゅう速水です。

ご家族の方や介護に関わる方から、
「寝たきりでも鍼灸って意味ありますか?」
と聞かれることがあります。

正直にお伝えすると、
すぐに劇的な変化が出るものではありません。

また、すべての方に効果が出るとも限りません。

ただ、その中でも
生活の質が少し改善するケースがあるのも事実です。

鍼灸で目指していること

寝たきりの方への鍼灸では、「治す」というよりも

 ・体の緊張を緩める

 ・血流を良くする

 ・意識や反応を少し引き上げる

といった、土台の底上げを目的としています。

実際にあった変化例

 ①言葉の聞き取りが改善したケース

  耳や頭に鍼を週一回ペースで半年間行い、それまで反応が薄かった方が、

  ⇒呼びかけに対して反応しやすくなり

  ⇒言葉は少しずつ聞き取れるようになり、

  ご家族とコミュニケーションがとりやすくなりました。

 ②パーキンソン病の方の変化

  パーキンソン病の方で、意識が落ちている状態が続いていた方に施術したところ

  ⇒施術後に少し意識が稀にはっきりし

  ⇒会話ができる時間が増え

  ⇒わずかに歩行も可能になる場面もありました

なぜこういう変化が起きるのか?

東洋医学の考えとしては、鍼灸を行うことで

 ・気血(呼吸と血流)の巡りが改善する

 ・脳や神経への刺激が入る

 ・身体の反応が引き出される(つぼ刺激による反射など)

と考えます。ただし、これらは個人差があるので、誰しもすぐに改善するとは言えません。

私が大切にしていることは

訪問鍼灸では

①無理に変化を求めすぎない

②小さな変化を大切にする

③ご家族と一緒にみていく

ことを大切にしています。ほんの少しでも、表情がやわらぐ会話ができる反応が増えるといった変化が、ご本人やご家族にとって大きな意味をもつことがあります。少しでもそのお手伝いができたらいいなと思っております。

こういったケアにご興味のある方は、当院までお気軽にご相談ください。

#156 介護 × 鍼灸の共存

おはようございます。はりきゅう速水です。

高齢化が進む中で、「介護」は誰にとっても身近なものになってきました。
介護される側のつらさ、そして介護する側の負担。

その両方に対して、実は「訪問鍼灸」はとても相性の良いケアの一つです。

今回は

 ①訪問鍼灸の親和性

 ②認知症予防

 ③介護者の身体ケア

 ④自宅、介護施設でできるつぼ

について、東洋医学の視点でわかりやすく解説します。

訪問鍼灸の親和性

訪問鍼灸は、通院が難しい方のご自宅に伺い施術を行います。

介護の現場ではこんなお悩みが多くあります

 ・腰や膝の慢性的な痛み

 ・むくみや冷え

 ・不眠や不安感

これらは東洋医学でいうと
「気・血・水の乱れ」や「腎の衰え」と関係しています。鍼灸は、痛みを和らげるだけでなく、体のバランスを整えるため、「生活の質(QOL)」を底上げするサポートができます。

認知症予防と東洋医学

東洋医学では、脳の働きは主に「腎」と「心」が関係すると考えます。

 腎:生命力、記憶力の土台

 心:精神、意識、思考

加齢により「腎」が弱ると、物忘れ、意欲低下が起きやすくなります。鍼灸では、頭部の血流改善、自律神経の調整、睡眠の質向上を通して、結果的に認知機能の低下予防につながることが期待されます。

介護する側の体の負担予防

実は見落とされがちですが、一番疲れているのは介護する側です。

よくある不調として、

 ・腰痛

 ・肩こり

 ・手首の痛み

 ・慢性的な疲労感

東洋医学では、「気虚(エネルギー不足)」、「肝の疲れ(ストレス)」の状態になりやすいです。放置すると、イライラ、睡眠不足、体調不良につながり、結果的に介護の質にも影響します。だからこそ、「介護者のケア」はとても重要になります。

すぐできるツボ3選

自宅で簡単にできるツボを3つご紹介します。

 ・足三里(あしさんり) 膝のお皿の下、指4本分下あたり

  効果としては、体力アップ、胃腸の調子を整える、免疫力サポート、まさに万能のツボです。

 ・合谷(ごうこく) 手の親指と人差し指の間

  効果としては、肩こり、ストレス緩和、痛み全般、押しやすく、日常的に使いやすいツボです。

 ・三陰交(さんいんこう) 内くるぶしから指4本分上

  効果としては、冷え、浮腫、自律神経調整、睡眠の質向上、特に高齢者や女性におすすめです。

※冷えている時は温めて、押すときは痛気持ちいいくらいで、ゆっくり呼吸しながら行いましょう。

●まとめ

介護は「支える側」と「支えられる側」、どちらも大切です。訪問鍼灸は、「痛みの軽減」「体調管理」「心の安定」を通して、介護を支える側、支えられる側どちらもサポートできると思います。

 ・通院が難しい方

 ・ご自宅で安心して施術を受けたい方

 ・介護中のご家族のケアも含めて相談したい方

こうした方に向けて、無理のない形でサポートしています。

「まずは話だけ聞いてみたい」というご相談も大丈夫です。「これって鍼灸でできるの?」という段階でも大丈夫です。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社