#83 目病諸候 その30 目眇候

こんばんは、はりきゅう速水です。いまのところ継続してブログ更新してます(笑)

さて、今回は「目眇候」です。読めないです(笑)

<原文>

目者、府藏之精華、宗脈之所聚、肝之外候也、風邪停飲在於藏府、侵於肝氣、上衝於眼、則生鄣翳、珠管、息肉、其經絡有偏虚者、翳鄣則偏覆一瞳子、故偏不見物、謂之眇目

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目は、腑臓 の精華、宗脈の集まる所、肝の外候なり、風邪停飲の臓腑にありて、肝気を侵され、上(かみ)眼に衝くときは、すなわち 鄣翳(翳鄣 えいしょう) 珠管(じゅかん)息肉(そくにく)を生ず、その経絡偏虚ある者は、 翳鄣すなわち偏に一の瞳子を覆う、故に偏物を見えず、これを「眇目(しゃもく)」という

<通訳>

目は臓腑の精華であり、諸脈の集まるところであり、また肝の外候である。風邪停飲が臓腑にあって肝気が犯されて眼に上衝すると 翳鄣(えいしょう)や珠管(じゅかん)、息肉(そくにく)などが出現する。もしその経絡の一側が虚弱であると 翳鄣 が一側の瞳孔を覆うようになって、そのために一側の盲目が起こる。このような証候を 眇目(しゃもく、すが目)と称する。

<考察>

翳鄣(えいしょう)  …  翳(えい、まくがかかったうような感じ) 鄣 (しょう、さえぎる)

珠管(じゅかん)   …  くびかざりのような感じものが見える

息肉(そくにく)  …  息肉(そくにく、ポリープ状のはれもの)

眇目(しゃもく、すが目)  … 片目や斜視などの目

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#82 目病諸候 その29 睢目候

こんにちは、はりきゅう速水です。

しばらくブログ更新してなかったので隙間でかいてみようと思います。(いつまで続くはなんともいえませんが(笑))

今回は目病諸候の続き、 『睢目候(きもくのこう)』です。

<原文>

目是府藏血氣之精華、肝之外候、然則五藏六府之血氣、皆上榮目也、若血氣虚、則膚腠開而受風、風客於瞼膚之間、所以其皮緩縱、垂覆於目、則不能開、世呼爲睢目、亦名侵風、

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目はこれ腑臓血気の精華、肝の外候なり、然るときはすなわち五臓六腑の血気、皆上に目を栄すなり、もし血気虚するときは、すなわち膚腠開けて風を受く、風瞼膚の間に客する、所以(ゆえん)にその皮緩縦(ぶらぶら)し、垂れて目に覆うときは、すなわち開けることあたわず、世呼びて 「睢目 (きもく)」と為し、また「侵風」となづく

<通訳>

目は臓腑の気血の精華であり、肝の外候であり、五臓六腑の血気はすべて上行して目を栄養する。もし、その血気が虚すれば膚腠は開いて風邪を受けやすくなり、風邪が眼瞼の皮膚の間に逗留すれば、眼瞼の皮膚は弛緩して下垂して目を覆うようになり、眼を開けることができなくなる。これを世間では「睢目 (きもく)」と称し、「侵風」とも呼んでいる。

<考察>

睢目 (きもく)というのは、眼瞼下垂でして、 「睢」とは仰視するさま。

この病気には、先天性と後天性のがありまして、

先天性のものは上眼瞼を引き上げる筋肉の発育不全によるものが多く、両眼に発生する。

後天性のものは多くは脾気が虚弱で血脈の不和(末梢循環不全)があり、或いは風邪が眼瞼に客って筋肉が弛緩するもので、単側に起こることが多い。

「重症筋無力症」に伴う眼瞼下垂はしばしばみられるものであるとこの本には記載されております。



「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳



#81 7月になりましたね。これからの養生はこちら

鍼灸師の速水です。

最近、仕事が終わってからのお家ルーティンができまして、筋トレ→ヨガ→はりきゅう。緊張と緩和、そして、はりきゅうでリラックス。客観的にみると贅沢ですね(笑)ヨガのポーズがなにかと経絡体操に似ているので親近感が湧きます( ノ゚∀゚)ノ

話は変わりますが、北海道の新型コロナの患者さんの数(感染者とは意味が違います)は、6/30時点で103人です。陰性の人が日に日に増えてよかったです。

北海道道庁HP(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/jsk/opendata/covid19.htm

さて、あっという間に7月になり、これから暑くなりますね。これから気を付けてほしいことを記載しておきます。

・からだがだるい

・疲れがとれない

・浮腫

まず、よく症状ででやすいのが上記のものです。これは湿度が高くなることにより、体内の湿も高まり、消化する力が低下して十分なエネルギーが補給されず上記の症状がおこりやすくなります。その予防としては、「おなかをあっためる」、「豊隆(ほうりゅう)などのつぼを刺激する」です。

・夏風邪(エントロウィルス(喉)、アデノウィルス(腸))

上記のウィルスは高温、多湿でよく増殖します。よく夏風邪といと発熱、下痢、腹痛、のどのいたみが多いのは上記のウィルスの特徴です。

そして、エントロ、アデノウィルスで代表的なのはこちら

① 手足口病

② プール熱(咽頭結膜熱)

③ ヘルパンギーナ

詳細は参考のURLを貼ります。このウィルスで感染経路はおもに「経口感染」です。

ウィルスの種類によって、もちろん、感染経路に違いがありますが、最近、新型コロナが流行してことにより、間違った知識が伝搬してしまったのが残念です。

コロナ → 接触感染が主

インフル → 飛沫感染が主

エントロ → 経口感染が主

アデノ  → 経口感染が主

脱線しましたが、夏風邪の予防は「手洗いの徹底」、「タオルの使いまわしをしない」「おなかをあっためる」「とてもつめたいものをあまりとらない」、「疲れたら休息」、「良い睡眠の確保」

参考資料

#80 はりきゅう速水の新型コロナ対策と疫癘病諸候の整理

鍼灸師の速水です。

新型コロナにより、全世界が停滞してしまいましたね。 新型コロナにより亡くなられた方と周辺の方々、今まさに闘病中の方には、心よりお見舞い申し上げます。

そして、感染された方などに対する不当な扱いや嫌がらせ、差別、偏見につながることがないよう皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

報道の自由があるにせよ、不安をあおるようなことはしてほしくないですし、過度な心配をしているとほかの病気にかかることもありますので、『心身』をいかにフラットにできるかが大事なことです。そうだけでなく身体もです!!

いくら北海道で非常事態宣言が発令され自宅にいて、運動不足やテレビやゲームのし過ぎで寝不足だと身体も不調になります(・ω・`)

もちろん、それは私も気をつけないといけません。施術をお休みなる方もいる一方、自宅にいることで体の不調で問い合わせは増えております。そして、「感染対策はどういう風に対応してるの?」とも聞かれますのでこちらでも記載します。(いつも実施していることですが、念入りに行ってます)

① 毎日検温  (体温は37.5以上あるかどうか)

② マスク着用

③ 患者さんの体調(風邪症状があるか?、体温が37.5以上か?)を聞きます

④ 患者さん宅に到着後、③で施術可能であれば手洗い、うがい、手指消毒を行います

⑤ 施術後も手洗い

これからも状況にあわせて臨機応変にしていきますので、よろしくお願いいたします

さて、 伝染性・流行性を持つ外邪 のことを『疫癘(えきれい)』と言いまして、新型コロナも該当するかはまだわかりませんが、今まで有志の際に『疫癘』がいろいろな医学書に記載されてきました。今回は諸病源候論に記載されている疫癘について整理します。

諸病源候論 の巻10-疫癘病候

疫癘病候(抜粋)

<原文>

其病與時氣、温熱等病相類、皆由一歳之内、節氣不和、寒暑乖候、或有暴風疾雨、霧露不散、則民多疾疫、病無長少、率皆相似、如有鬼厲之氣、故云疫癘病

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

その病、時氣、温熱等の病と相類す、皆一歳の内、節氣和せず、寒暑候に乖(そむ)くにいいて、あるいは暴風疾雨、霧露ありて散ずるは、すなわち民に疾疫病多く、長少して無く、率いて皆相似、鬼厲(きれい、原因不明の悪しき鬼による疫病)の氣あるかごとし、ゆえに疫癘(えきれい)病という

<通訳>

疫癘病は時気、温病、熱病などと類似していて、すべて一年の内で季節の気候が異常となり、寒熱がその季節に反し、あるいは暴風疾雨が起こり、あるいは霧露が多くて曇天が去らないで、そのようなことから人々の間に疫癘が流行するようになる。疫癘は老人・小児を問わずに感染して発病し、その病状はほとんど皆同様であり、あたかも 鬼厲(きれい、原因不明の悪しき鬼による疫病)の 気のごときものであるので疫癘病と称する

<補足>

疫癘を分解して調べてみました

疫 … 急性伝染性疾患の総称

癘 … 病邪が強烈で病勢がきびしいもの、たとえば温病のようなもの

ちなみに、諸病源候論では、疫癘は狭義の解説は上記の通りですが、疫癘と一口いっても広義の疫癘もあります。

広義の疫癘 = 瘴気(山あいの湿熱がこもっていて、かもし出す一種の疫癘の気で、人がこれを感受すると病を発する。) or 疫癘疱瘡候(疫癘による天然痘みたいなもの)

新型コロナが上記の<通訳>かどうかは定かではありませんが、東洋医学ではどの病でも自分の「免疫力」を高めて治癒できるかです

鍼灸も免疫力をあげるひとつの手段、そして、普段の生活でももちろんあげることはできます。 適切な飲食、十分な睡眠、精神的ストレスを遠ざけること、適度な運動

・適切な飲食

・ 睡眠(長時間寝ても寝足りないと感じるのはいい睡眠とはいえません)

・ 精神的ストレスを発散や深く考えない練習

・ 情報に振り回されず冷静に

・ 適度な運動 (おすすめはプランク)

これは養生法です。普段の生活でできることなんですが意外と雑に扱われていることが多いんです(- _ – ;)こういう状況だからこそ、基礎の見直し、自分の体調って?とか考える、知るのもいいと思います




#79 目病諸候 その28 目眵䁾候

こんにちは、そして、お久しぶりです。鍼灸師の速水です。

新型コロナの影響でなかなか大変ですね(;゚д゚) しかし、めげても仕方ないし、体調について自分と向き合う機会と思って過ごしてみてはいかがでしょうか

さて、久しぶりに以前の続きで諸病源候論の目について勉強してみようと思います。そして、別のブログで新型コロナについて諸病源候論で整理できないか試みてみます

まずは、『目眵䁾候(め、しべつのこう)』です。 眵䁾 (しべつ)これだけだと何のことやら(苦笑)

<原文>

目是藏府之精華肝之外候、夫目上液之道、府藏有熱、氣熏於肝、衝發於目眥瞼、使液道熱澀、滯結成眵䁾也

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目は是れ藏府の精華肝の外候なり、それ目は上液の道、府藏に熱あれば、氣肝に熏し(いぶし)、發して目眥瞼に衝く、液道を熱して澀せし、滯して眵䁾(いじゅう)と結成するなり

<通訳>

五臓六腑の精華は皆目に注ぎ、目は肝の外候である。目は涙液の通路であり、臓腑に熱があると熱気が肝気を燻し、その熱気が目に上衝し、目の涙道が熱によって乾渋し、眼瞼の部に結滞して 眵䁾(いじゅう) を形成する

<考察>

<通訳>から 眵䁾(いじゅう) を考えると、 眵䁾(いじゅう) = ”目ヤニ”になります。 「眵」は目から分泌される黄色の粘液、 「䁾」は眼脂がたまって固まったものを指します。

目やにというのは、目の表面に病原菌や異物が付着すると、それらを排除しようとする免疫機能の働きによって、涙や目やにの量が増えることがあります。 目やにが出る病気としては、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎などあります 。

細菌による感染が原因の場合・・・・・・・黄緑色でドロっとした膿状の目やにが出ます

花粉症などのアレルギーが原因の場合・・・涙のようにサラサラした水状の目やにが出ます

ウイルスによる感染が原因の場合・・・・・白くネバネバと糸を引いたような目やにが出ます


「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/selfcheck/eye_mucus/

#78 北海道の緊急事態宣言により、本日と明日はお休みします

おはようございます。鍼灸師の速水です。

いまや、全国区で大変になってきましたね∑(゚д゚;)

新型コロナウィルス(COVID-19)により、北海道は緊急事態宣言により外出を控えるようにとなったため、本日と明日はお休みします。

新型コロナウィルス(COVID-19)

潜伏期間は1~14日で平均5.8日。発症早期は発熱・鼻汁・咽頭痛・咳嗽といった非特異的な上気道炎の症状のため診断が難しいそうです。発症早期から、または上気道炎症状に続いて肺炎を合併することがある。肺炎を合併する事例では、両側性の胸膜下の浸潤影・すりガラス影が特徴的(https://www.kansensho.or.jp/ref/d77.html より COVID-19は両方の肺炎になるって(なりやすいのか?)ところがいつもの肺炎と違うところです

外出は控えて健康維持のためにお灸はいかがでしょうか?マスクは売り切れてますが、ドラッグストアにはお灸はまだ売ってます∑d(゚∀゚d)

お灸のすごいところは、COVID-19が蔓延する前から世界に注目されておりまして、それがアフリカです。アフリカでは結核がいまだに蔓延しておりまして、2008年にチャリティ団体がモクサアフリカを発足し、「結核治療におけるお灸の有効性」を軸に活動しています。(https://www.moxafrica-japan.com/about より)

かつて有効な薬もなかった日本(1900年代)で、結核治療としてのお灸が数多の日本人の命を救ったこともあります(その時、お灸を広めた先生が原志免太郎先生です)

結核とCOVID-19って違うじゃん(細菌とウィルス)って思いますが、東洋医学では、証としてはさほど変わらないのでお灸でも効果があると思います。

お灸により免疫機能、代謝機能などを高め、病気になりにくい身体を作ることが知られています。(なぜ、そうなるのかは立証されていませんが、2000年ほどの歴史がありますからエビデンスはないけど実証はされています)

私は自宅で、透熱灸(とうねつきゅう)

透熱灸セット
足三里
奥さんの足三里にもぐさをおき、火のつけ方と緩和法を教えて実施

気を病むと、体にも影響が出ますので、焦らず自分の体に向き合って休日を過ごしてみてはいかがでしょうか?

#76 第12回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です

今年最後のお灸教室が昨日終わりました( ´艸`)

テーマは「総集編」

総集編のはじまりで~す

今までのテーマについて、気を付けるポイントや関連するつぼの紹介。ボリュームハンパないですよ(笑)

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 膝痛
  • 冷え症
  • むくみ
  • 眼精疲労
  • 便秘・下痢
  • アンチエイジング
  • ストレス
  • 食欲不振
  • おまけ(食養生、日本人にあった食事とは?)

よく一時間ちょいで終わったなとびっくり。細かいところは以前にやってますし、足りないところは質問してもらったのでばっちり( ノ゚∀゚)ノ

お灸撮ろうとするとぴんぼけ(笑)
これから北海道は冷えますからね、その時は左陽池
食養生のはなし
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits1996/6/10/6_10_37/_pdf

お灸から自分の健康について、考える→知る→行動する こういう輪ができるとおのずと病院いらずになっていくと思います。もちろん、病院が不必要という訳でなく病気になった時には必要になります。ただ、日本は特にですが病院にいく比率がどの国よりも高いです。たしかに病気、けがのスペシャリストですけど、いま、不足しているのも確かです。一人一人、健康(病気と未病)について考えていくとよりよい日々が過ごせますよという事をお灸教室で話せる場があって私は幸せでした(´ー`) 

そして、お灸教室に参加してくれた方々からも学ぶことも沢山あります。この一年、地元でお灸教室が開けたことがとてもありがたいです。協力してくれた皆さま、心からありがとうございます。

北海道はこれから長~い冬になります。さすがに冬季はお灸教室をひらくのは大変なので次回は雪解け(4月頃)にやりたいと思います

それまで、雪かき、訪問鍼灸、そして、勉強 たくさんしてパワーアップします!

#75 第11回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です

つい先ほどお灸教室が終わりましたが、今回は濃厚な1時間でした∑d(゚∀゚d)

しかも、嬉しいような恥ずかしい気もするんですが、今回は私のおふくろまで参加(笑)おふくろは現在歩行器を使用してたんですが、体調が前向きになってきたのと、今回のテーマが気になっていたみたいので招待しましたヽ(´∀`)ノ

今回は、『高血圧、低血圧

  • 血圧って何?
  • 基準値と推移していることについて
  • 高血圧と死亡率の話
  • 降圧剤の話(売上、薬の説明書の限界)
  • つぼの紹介と実践
  • おまけの話(統計した血圧の値、減塩と血圧の正体、NaとK、低血圧の養生)

本日の内容(顔が眠そうなので編集しました)

今回は濃い(笑)きっかけはなぜ基準値が昔に比べて下がっているんだろうなぁって思ったことでした。調べているうちに「え、そうなの?」となったのと、最近患者さんで高血圧症と診断されて降圧剤を処方されてからめまいや吐き気がすることを聞いてから調べるようになりました。

ほんと、社会毒っていうのがあるんでしょうね(;゚∀゚)これは自分もそうでしたけど、ちゃんと自分の事を知っておかないとただお金を浪費するやら余計病気になるんだなぁと思い、今回のお灸教室の場で説明させていただきました。

詳細の内容は、ここでは書きませんので、知りたい方は別途連絡くださいませ

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強いて、ここで書けそうなことは、

「減塩すると血圧が下がる」は全員ではない!  です。

今の世の中は、まるで万人(全員)が減塩しましょうみたいな感じでふれまわってますが、実はそうではないです。実際対象となるのが3割~4割の病気があって高血圧症の方です。残りの6割~7割は減塩しても血圧は下がりにくいんです。これを万人がやってしまうと残りの6割~7割の方は、脱水症状、熱中症、腎臓に影響などが起こりやすくなります

また、「イオン交換膜製塩法」の塩問題 です。

減塩するなら、イオン交換膜製塩法の塩の方が良いと思われます。これは立て釜と呼ばれるイオンを使用して塩というかNaを生成するやり方で低コストで販売されている塩です。このNaはミネラルが摂取できない濃厚な塩でして、加工品などによくつかわれています。塩をとるなら原材料が海水、天日塩、成分表には塩のみ、工程は天日、平釜 がよいです

では、実施風景です

意味深な数字(笑)
お灸風景その①
お灸風景その② ぴんぼけ(笑)
漢方の紹介もちらほら

今回も参加してくれたみなさま、ありがとうございました。

次回は、11/23(土)13:30~14:45 テーマは『総集編』です

今までの症状や気になる症状に対してのツボや気を付けることをずらーっと記載します。もちろん、あったかいお灸もね

#74 目病諸候 その27 睊目候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

台風の影響で被害にあっている皆さま、心よりお見舞い申し上げます。はやく日常の生活に戻れますよう心より願っております。

私は、岩手の黒森神楽衆から権現舞を教えていただいたので師匠たちの地域がとても心配です。断水や土砂崩れ等があるみたいです(ノω・、)救いだったのが、師匠たちの笑顔で復興に向けて頑張っていた写真を見て、私も笑顔で頑張ろうっと気合いを入れ直します

さて、 今回の諸病源候論はこちら、『睊目候

睊目?、そもそも何て読むんでしょうね?( ゚д゚ )調べると 睊目 (けんもく)と言うそうです。意味はどういうことか読んでみましょう

<原文>

睊目者、是風氣客於瞼眥之間、與血氣津液相搏、使目眥癢而涙出、目眥恒濕、故謂之睊目

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

睊目(けんもく)の者は、これ風氣瞼眥(まなじり)の間に客して、 血氣と津液相搏って、目眥し癢から使して涙出る、目眥恒(つね)に濕(湿)ふ、故にこれを睊目(けんもく)と言う

<通訳>

睊目(けんもく)とは、風邪が瞼眦(まなじり)の間にやどり、血氣と津液が相互に結びつき、目眦部が痒くなって涙が出るようになり、目眦角が常に湿っているものを睊目(けんもく)と称す

<考察>

今回の話では、 睊目(けんもく) とは、眦(まなじり)に風邪(たとえばほこり、ウィルス、細菌)が入り込み痒みが出て涙がでるという

外の世界から目を守っているのは「まぶた」です。まぶたが眼球を覆っていることで、外からの異物や細菌の侵入を防ぐことができます。また好ましくない強い光や映像も、まぶたを閉じることでシャットアウトすることができます。

こういう類の病気としてたとえば

・ アトピー性角結膜炎

・ 春季カタル

・ 巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)

目を守るしくみ

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/46_menokayumi/

#72 目病諸候 その25 目黒候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

北海道も雨が続いております。早く雨やむといいですね。

さて、久し振りに諸病源候論をやります。今日は『目黒候』です。

目黒(めぐろ)という読み方ではなく、目黒(もっこく)と読みます∑(゚Д゚ )。単純に、「眼が黒い」という意味なのかどうか読んでいきましょう

<原文>

目黑者、肝虚故也、目是藏府之精華、肝之外候、而肝藏血、府藏虚損、血氣不足、故肝虚不能榮於目、致精彩不分明、故目黑

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目黑(もっこく)なる者、肝が虚す故なり、目これ藏府の精華、肝の外候、肝は血を蔵す、府藏虚損し、血氣不足すれば、故に肝虚し目栄(養)すること能わず、精彩致ること不分明(ふぶんめい)、故に目黑(もっこく)と称す

<通訳>

視野が暗いものを目黒(もっこく)というが、これは肝の虚によるものである。目は臓腑の精華であり、肝の外候であり、肝は血を藏すものである。もし、臓腑が虚損し、血氣が不足すると、目を栄養することが出来なくなり、目の精彩は濁って物を見ることができなくなる。これを目黑と称する。

<考察>

目黒(もっこく) = 視野が暗いもの となります

この意味でふと思ったのが、現代の西洋医学では「一過性黒内障」ですね。一過性黒内障は、頸(けい)動脈から枝分かれした眼動脈に血栓が詰まることで起こります。眼動脈は左右の目にあるんですが、両方が同時に詰まることはまれで、片方の目にだけ症状が表れやすいです。

血管が詰まる原因は、長年にわたる高血圧や糖尿病、脂質異常症などによる頸動脈の動脈硬化が非常に多いそうです。

東洋医学に戻すと、肝というのは血を蔵すというフレーズがある通り、血管にも関連します。それが虚すとつまることになると、西洋医学と同じなりますね( *´艸`)

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳