#71 第10回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です。

今日は日中、北海道マラソンがありましたね((*゚∀゚))v。交通規制があるのは知ってて少し迂回して患者さんの家に行こうとしてましたが、読み間違えて見事に規制中の道路にはまって患者さんに迷惑をかけてしまいました(・´Д`・)゚。

さて、昨日行ったお灸教室。ついに10回目( ノ゚∀゚)ノ。気がつけばあっという間に回を重ねていました。

今回は、『アンチエイジング』

今までのお灸教室で毎回テーマのアンケートをとっていまして、一番やってほしいテーマだったので、今回も気合いれて解説させていただきました(´゚∀゚`)

  • アンチエイジングについて(アンチエイジング≠若返り)
  • エイジングについて(西洋医学でみる老化、東洋医学でみる老化)
  • アンチエイジングに関するつぼ(補腎、脾胃改善、瘀血改善)
  • お灸実践
  • コラム(アンチエイジングと仙道)

アンチエイジングと若返りって同じ意味と勘違いしてました( ゚д゚ ;)簡単に説明するとアンチエイジングはあらかじめ予防、若返りはなってしまってから若々しさを取り戻すという違いになります。

エイジング(老化)は、西洋医学としてどうして起こるのかというと。① 活性酸素などの細胞障害により機能低下 ② DNAの遺伝子による細胞分裂回数の制限 ③ 細胞の遺伝子が障害を受けると、修復機能が低下 ④ 老廃物の蓄積による細胞や機能の低下 ⑤ ホルモン産生低下による身体の各臓器の機能低下 。となります。東洋医学では年の変化とどのように変化するかが素問(上古天真論)、霊枢(天年篇)に記載されています。女性は7の倍数、男性は8の倍数です。

つぼのアプローチとしては、腎(生命エネルギー)を補うこと、後天の精を作り出す脾胃を強化し、瘀血の改善の3つなので、それに関連するつぼを紹介させていただきました(*゚ー゚)

お灸をしつつ、コラムとしてアンチエイジングと仙道の話をさせていただきました(´ェ`)

仙道と言えば、バスケではなく(笑)←このネタを知っている方はスラム○ンク好きですね

仙道の行き着く先は「不老不死」これの本来の意味を知ると欲深くならないと思いました(・∀・`*)

では、実施風景です

開始前
参加者さんに、どれくらい腎が虚しているかチェック
黒板にびっしり
取穴(築賓穴)
腎兪穴の指圧法
お灸風景
コラムで仙道の話しつつ、行の一つ導引で眼の運動の仕方をレクチャー

 

今回も参加してくれたみなさまありがとうございました。

次回は10月の第4土曜日、10/26 13:30~14:45です。テーマはアンケート結果を集計してから決めます~

9月は、地元の神社祭で神楽を舞うのでお休みします

#67 目病諸候 その24 目飛血候


おはようございます。鍼灸師の速水です。

今日の北海道の気温は予想最高22℃、予想最低気温12℃、現在は15℃とやっと快適な気温に落ち着いたと思います。

さて、今日は『目飛血候』です

飛血 とは?です。飛血だけで検索しても目に関する情報はでてこないですね。



<原文>

目肝之外候也、肝藏血、足厥陰也、其脈起足大指之叢毛、入連於目系、其經脈之血氣虚、而爲風熱所乘、故血脈生於白睛之上、謂之飛血

 

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目、肝の外候(がいこう)なり、肝は血を藏(やど)し、足厥陰(あしのけついん)なり、その脈足の大指の叢毛から起こり、入りて目系に連なる、その經脈の血氣虚し、風熱が乗ずる所なれば、ゆえに血脈白睛(白目)の上に生じる、これを飛血という

 

 

<通訳>

目は肝の外候である。肝は血を蔵し、足厥陰経に属し、その脈は足の大指(親指)の背部の毛の生えているところから起こり上行して目系に連なる。

その経脈の血気が虚弱となり、風熱が乗ずるところとなると、熱が迫って血があふれるようになり、白睛(白目)の上に血脈を生じて発赤充血するものを目飛血と称する。

 

 

<考察>

目飛血というのが上の<通訳>でみると、充血に関する話でしたね。

充血とは、目の炎症や疲れなどが原因で、目の血管が膨らんだ状態のことです。目の血管は普段は細いため、外からは目立って見えないのですが、血管が膨らむと目立つようになり、目の表面が赤く見えます。

今回の目飛血では、目の炎症によるものだと考察されます。

例えば、目にゴミが入る、あるいは、アレルギー物質や細菌から刺激を受けると、結膜が異物を排除しようと炎症反応が起きます。その炎症反応の1つとして、目の血管が膨らみ赤くなる。

 

北海道だと、つい先々週ぐらいまで白樺の花粉がまっていて、ちょいちょい目が痒いって方がいたかもしれません。今週は落ち着いていますが、目のかきすぎも炎症を起こすので気をつけましょう

 


「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/sapporo/sapporo.htm



#66 第7回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です。

今日はセルフお灸の会の日でした(σ゚∀゚)σ

北海道も暑かったですが、来ていただきありがとうございました(σ゚∀゚)σ

今回は「眼精疲労」

統計だと8割は眼精疲労になっているそうです((( ゚д゚ ;)))

流れは

  • 眼精疲労を西洋医学でみたら(セルフチェックつき)
  • 眼精疲労を東洋医学でみたら
  • つぼの紹介
  • お灸のやり方(お灸が出来ないところは指圧の方法)
  • お役立ち情報(眼のトレーニング方法)


参加者は黄色信号3人と赤色信号が2人でした(((;゚д゚;)))う~ん、眼の使いすぎですね(笑)

東洋医学で、目は五臓で言うと、「肝」と関連しており、視ることをながくし続ける(久視)と「心」が疲れてくるという話をさせていただきました。五行論と五臓の関係を説明すると時間が毎回足りない(笑)

では、実施風景はこちらです


今回は「眼精疲労」

座学風景
取穴風景(精眼穴)
後頭部の取穴風景その1
後頭部の取穴風景その2(風池穴)
皆さんもご一緒に
台座灸やってみた
透熱灸体験…み、みえない(笑)

今回は、写真もりだくさん( ノ゚∀゚)ノ

スマホ、パソコンが普及しているため、どうしても眼精疲労になりやすいですがケアすることでイライラや肩こりなどの不定愁訴の予防になりますので、是非、ケアしていただきたいなと思います(´゚∀゚`)

20/20/20というキーワード

20min見ていたら20ft(20フィート→6メートル)離れたものを20secみる

こういうのも大事ですd(゚ε゚*)

次回は、「便秘・下痢」の予定です。6/22(土)13:30~14:45です。

また、近いうちにお知らせします

#65 目病諸候 その23 目偏視候

こんにちは。鍼灸師の速水です。

GW終わりましたね。皆さまはゆったりできましたか?

さて、今日は『目偏視候』です

偏視とは?です。偏視は現代の医学用語でもでてくるのでなんとなくわかると思います

<原文>

目是五藏六府之精華、人府藏虚、而風邪入於目、而瞳子被風所射、睛不正則偏視、此患亦有從小而得之者、亦有長大方病之者、皆由目之精氣虚、而受風邪所射故也

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目、これ五藏六府の精華、人府藏が虚し、風邪目に入ると、瞳子(どうし)被風(ひふ)射る所、睛(ひとみ)不正となり偏視となる、この患いは從小(じゅうしょ、幼少期)得る者あり、また長大(ちょうだい、大人)の方、病の者あり、皆ゆえに目の精氣虚し、風邪を受け射る所ゆえなり

<通訳>

五臓六腑の精華は目に注ぐが、その人の臓腑が虚して風邪が目に入ると眼晴が不正となって偏視を生じる。このような眼疾は小児期から起こるものがいるし、また成年後に起こる者がいるが、これはいずれも眼の精気が虚し、風邪が外襲することによって眼晴がひきつれて起こるものである。

<考察>

「偏視」とは、 左右の眼球が一方向を向いたままの状態。
水平方向のものと垂直方向のものとがある。左右の方向への眼球運動(水平共同視)は,大脳皮質から橋(きよう)への神経回路と,橋にある水平共同視中枢によって営まれているが,これらの経路のどこかに病変が生ずると,一定方向への水平共同視ができなくなり,眼球はそれと反対側にひかれた状態のままとなってしまう。このような状態が麻痺性の共同偏視である。脳卒中などのように大脳半球内の病変では,このような麻痺性共同偏視を生じ,眼球は病変のある側をにらむような位置をとることが多い。

東洋医学では、目偏視は幼児では脾気の虚弱で眼筋の収縮が不正となることや、或いは不良な習慣によって起こることが多い。成人においては偏視あるいは両眼の眼球が突然に偏斜するものは風熱、風痰などによって起こるものであり、複視を伴うことが多い。

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_w-vision.jsp
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/3347

#64 第6回セルフお灸の会 実施しました

おはようございます、鍼灸師の速水です

平成最後のセルフお灸の会を4/27に実施しました( ノ゚∀゚)ノ

今回は『浮腫(むくみ)』

今回のテーマは「浮腫(むくみ)」

むくみについて解説し、そのむくみの対してのつぼ、そして、お灸を使わなくてもむくみを減らす方法をやってきました( ノ゚∀゚)ノ

流れとしてはこちら

  • むくみについて 西洋医学でみる
  • むくみについて 東洋医学でみる
  • 経穴(つぼ)の紹介
  • セルフお灸 準備
  • セルフお灸 やってみよう

むくみになってもなにもしてないって方が多く、むくみをほっとおくと恐い病気もあるのでそれを今回の会で知ってほしかったので色々伝えました

では、実施風景はこちらです

むくみ説明中
頭の経絡について解説中
竹の輪灸実演 その①
竹の輪灸実演 その②
お灸する前につぼの確認
お灸の代わりに…
呼吸法一例 少陰腎経の体操
セルフお灸の会はじまるよ~を第三者視点でみると(笑)

今回は、雨ザーザーの中、お越しいただきありがとうございましたヽ(´∀`)ノ

次回は『眼精疲労』についてやります。

こういうテーマはやれませんか?とか以前やったテーマをもう一度というのがあれば随時受け付けておりますのでメールやコメントをしてくれると助かります

#63 目病諸候 その22 目視一物為両候

こんにちは。鍼灸師の速水です。

4月になりましたね。諸病源候論の方が手つかずなので再開しま~す

さて、今日は『目視一物為両候』です

目一つの物を視れば両と為すとは?です。これだけだと何のことかよくわからないですね

 

<原文>

目是五藏六府之精華、凡人府藏不足、精虚而邪氣乘之、則精散、故視一物爲兩也

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目はこれ五藏六府の精華、およそ人の府藏不足し、精虚し邪氣これに乘ぜれば、すなわち精散る、故に一つの物を視るに両を為すなり

 

<通訳>

目に五臓六腑の精気が注がれている。およそ人の臓腑が不足し、精気が虚し、邪気がこれに乗ずればさらに精気がさらに消散するようになり、そのために筋脈の協調が失われて眼球は共同して動くことができなくなって一つの物を見ても二つに見えるようになる。

 

 

<考察>

これは、「複視」のことです。肝腎不足や気血両虚でさらに風邪を感受して複視となるものはかなり多いです。さらに、痰、熱、外傷などでも複視になることがあります。

 

複視の種類としては

 ①外斜視(右目の映像は正面より左側にずれ、左目の映像は正面より右側にずれて見えます。右目と左目の映像が交差して複視を自覚)

・動眼神経麻痺

・内側縦束症候群

 

②内斜視(右目の映像は正面より右側にずれ、左目の映像は正面より左側にずれて見えます。右目、左目の映像は、同側にずれる複視を自覚)

・外転神経麻痺

・開散麻痺、開散不全

・輻輳けいれん

 

③上下斜視(上下に眼位がずれ、垂直方向の複視を自覚)

・上斜筋麻痺

・斜偏位

 

④その他

・甲状腺眼症

・眼筋型重症筋無力症

 

複視のまず原因を調べたうえで、西洋医学とあわせて鍼灸などの東洋医学もしていくのも複視改善にむけていいかもしれません

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_w-vision.jsp

#62 第5回セルフお灸の会 実施しました

こんにちは、鍼灸師の速水です

久し振りの投稿です。投稿が遅くなってすみません(ノ∀;`)

3/23にセルフお灸の会を実施しました( ノ゚∀゚)ノ

今回は『冷え症』

 

北海道はまだ寒いので、冷え症はなにかと多いんですよね~

 

 

流れとしてはこちら

・冷え症について

・冷え症の種類

・お灸の準備

・お灸のやり方

・経絡とつぼの紹介

 

今回は、冷え症の対処法として運動法の他に、食事について説明させていただきました

「五味」と「五性」ですね

 

五味とは

酸味…肝の働きを促進。消化を助ける。血液の貯蔵庫。

下痢や汗、咳を止める。精神の緊張を和らげる。

食べ過ぎると、食欲が落ちる。体が硬くなる。

 

苦味…心の働きを促進。血液を全身に送り出す。

解熱作用。湿を除く。

食べ過ぎると、肌が乾燥する。冷えやすくなる。

 

甘味…脾の働きを促進。消化吸収、不要物の排出。津液(水分)を作り出す

食欲増進、痙攣の改善。解毒作用

食べ過ぎると、骨が弱くなる。抜け毛が多くなる。

 

辛味…肺の働きを促進。呼吸、全身の水分調節。

気のめぐりを活発にし、機能を促進、発汗作用

食べ過ぎると、興奮する。冷えやすくなる。

 

鹹味…腎の働きを促進。水分の代謝と貯蔵。

塊を軟らかくする。便秘や腫物を改善。

食べ過ぎると、血がドロドロになり、血圧が上がる。

 

五性とは、『温、微温、平、微寒、寒』

 

 

この組み合わせが大事になります

 

では、実施風景はこちらです(今回は少ないです。お灸風景撮るの忘れてました(笑))

開始前、熱心に早めにこられる方もいます

冷え症の説明

 

 

次回は、『むくみ』について解説していきます

#61 第4回セルフお灸の会 実施しました〜

こんばんは、鍼灸師の速水です

今日は今年一発目のセルフお灸の会を実施しました( ノ゚∀゚)ノ

今回は『膝痛』

 

 

流れとしてはこちら

・膝痛について 主な種類

・膝痛について 診断

・お灸の準備

・お灸のやり方

・経絡とつぼの紹介

・10円、1円を使った膝の痛み緩和方法(奇経治療)

 

経絡の話では、膝では色々な経絡が走行している話や関連する症状も説明し、奇経絡治療法では、異種金属(今回は10円の銅と1円のアルミ)を使用してイオン差を用いて、体の滞りを緩和する話をさせていただきました(´ー`)

 

では、実施風景はこちらです(事前に参加者には許可得ております)

 

座学風景その1

座学風景その2

黒板にびっしり(汗)

目次

奇経治療(異種金属治療法)

 

奇経治療を受けたことのある方も今回セルフお灸の会に参加してくださったので、その実体験も皆さんに伝えていただけたのでとても感謝してますヽ(´∀`)ノ

 

質問コーナーも、膝の質問からはじまり、他の症状について多岐にわたり質問していただきました。それだけ、体について関心があることに嬉しいです

 

次回は、3/23(土) 13:30~14:45 西の里会館 2F

テーマは『冷え症』です

#60 目病諸候 その21 目眩候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

すっかり2月になっちゃいましたね。そして、今日は相当さむいですね(汗)

最高気温 -11°   最低気温 -12°

気温差はないですが、寒さが常にいる感じです

 

さて、今日は『目眩候』です

目眩とは?です

 

<原文>

目者五藏六府之精華、宗脈之所聚也、筋骨血氣之精、與脈并爲目系、系上屬於腦、若府藏虚、風邪乘虚隨目系入於腦、則令腦轉而目系、急則目眴而眩也

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目の者、五藏六府の精華、宗脈の聚まる所なり、筋骨血氣の精、脈とあわせて目系をなす、系は上の脳に屬す、若し府藏虚し、風邪虚に乗じ目系に随(したがい)い脳に入れば、すなわち腦転じせしむ、目系急ぎめくばせし、すなわち目眩なり

 

<通訳>

目は五臓六腑の精華であり、宗脈の聚まるところである。筋骨の血気の精気は血脈と合併して目系を形成するが、目系は脳と連絡している。もし臓腑が虚弱であれば風邪が虚に乗じて目系からさらに脳に入るようになり、脳転して目系が緊張し、目がくらんでめまいがするようになる。これを目眩と称する。

 

<考察>

現代の目眩は大きく分けて二つのタイプがあります。

一つは、自分自身がグルグル回っているように感じる「回転性めまい」で、水平方向に回転しているように感じる場合が大半です。エレベーターに乗ったときのように、すーっと下がっていく感じを訴える患者さんもいますが、これは垂直方向への回転性めまいと考えられています。

もう一つは「フラフラする」か「グラグラする」タイプの「非回転性めまい」です。

 

原因としては、

・耳(①突発性難聴やメニエール症候群、②良性発作性頭位性めまい、前庭神経炎など)

・目(左右の視力が大きく異なる場合)

・首(筋緊張の激しい人)

・低血圧

・うつ病(仮面うつ病)

・脳(小脳や脳幹の脳卒中(脳出血か脳梗塞))

 

目眩が頻繁におこるときは上の原因が重複して該当していることがあります。とくに脳にかんする場合は一度は脳卒中の専門医に診てもらった方が安全です。

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph30.html#anchor-1

#59 目病諸候 その20 目渋候

こんにちは、鍼灸師の速水です

おそくなりましたが、あけましておめでとうございます。今年も1年いろいろチャレンジしつつ楽しく鍼灸に向き合って頑張りたいと思います

さて、今日は『目渋候』です

目が渋くなるとは?です

 

 

<原文>

目肝之外候也、府藏之精華、宗脈之所聚、上液之道、若悲哀内動府藏、則液道開而泣下、其液竭者、則目澀、又風邪内乘其府藏、外傳於液道、亦令泣下而數欠、泣竭則目澀、若府藏勞熱、熱氣乘於肝、而衝發於目、則目熱而澀也、甚則赤痛

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目は肝の外候なり、府藏の精華、宗脈の聚まるところ、上液の道、もし悲哀が内の府藏が動けば、すなわち液道開いて泣いて下る、其の液竭する者であれば、すなわち目渋くなる、また風邪が内の其の府藏に乗じれば、外の液道を伝い、泣いて下せばしばしば欠する、泣くこと竭けばすなわち目渋り、もし府藏勞熱し、熱氣肝に乘じ、而衝目に衝いて発すれば、すなわち目熱すること渋なり、甚だしければすなわち赤く痛む

 

<通訳>

目は肝の外候であり、五臓六腑の精華と諸経脈の集まるところであり、また涙液の道路でもある。もしも悲哀すること甚だしくて臓腑に影響すれば涙液の道は開いて涙が流れるようになる。もしその涙液が枯渇すれば目は乾渋する。もしも風邪が臓腑に乗じて、それが外に伝わって涙道に及べば涙が流れてしばしば欠伸をするようになるが、涙液が枯渇すると目が乾渋する。もしも臓腑に労熱があり、その熱気が肝を傷して目に上衝すれば目に熱があるようになって乾渋するようになり、甚だしいものは発赤して疼痛する

 

<考察>

目の渋とは涙に関連する話みたいですね。涙が枯渇(こかつ、乾く)になれば「渋

」となる。それば風邪になるか、労熱によって症状がまた変わってきます。

よくなみだ目になるおばあちゃんの患者さんがいらっしゃいますが、肝の脈が弱く筋肉の拘縮がかなり強いんで目にも影響されていると思われます(肝は筋を司る)

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳