ブログ

#51 目病諸候 その12 目暗不明候

こんにちは、鍼灸師の速水です

最近、風邪が流行しはじめたので皆さま気をつけてくださいませ( ´д`ll)

さて、今日は『目暗不明候』です

目が暗く明るくならずとは?です。今回は養生方も記載されていますヽ(´∀`)ノ

 

 

<原文>

夫目者、五藏六府陰陽精氣、皆上注於目、若爲血氣充實、則視瞻分明、血氣虚竭、則風邪所侵、令目暗不明、

1養生方云、恣樂傷魂魄、通於目、損于肝、則目暗、其湯熨鍼石、別有正方、補養宣導、今附于後、

2養生方導引法云、蹲踞、以兩手舉足五指頭自極、則五藏氣遍、主治耳不聞人語聲、目不明、久爲之、則令髮白復黑、

3又云、(仰?)兩足指、五息止、引腰背痺、偏枯、令人耳聞聲、久行、眼耳諸根、無有罣礙、

4又云、伸左脛、屈右膝内壓之、五息止、引肺、去風虚、令人目明、依經爲之、引肺中氣、去風虚病、令人目明、夜中見色、與晝無異、

5又云、雞鳴以兩手相摩熱、以熨目、三行、以指抑目、左右有神光、令目明、不病痛、

6又云、東向坐、不息再通、以兩手中指口唾之二七、相摩拭目、令人目明、以甘泉漱之、洗目、去其翳垢、令目清明、上以内氣洗身中、令内睛潔、此以外洗、去其塵鄣、

7又云、臥、引爲三、以手爪項邊脈五通、令人目明、臥正偃、頭下、却亢引三通、以兩手指爪項邊大脈爲五通、除目暗患、久行、令人眼夜能見色、爲久不已、通見十方、無有劑限

 

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

それ目の者、五臓六腑陰陽の精気みな目に注ぐ、もし血気充実であれば、すなわち視瞻(しせん、みること)分明(ぶんめい、はっきり見極めがつくさま)す、血気虚竭(きょけつ)すれば、すなわち風邪所を侵し(おかし)、目暗く明らかにならず

1養生法に云う、楽恣(ほしいまま)すれば魂魄傷つく、目を通じ、肝を損なえば、すなわち目暗くなる、その湯熨鍼石、べつに正方あり、養宣導を補う、今後につける

2養生方導引法に云う、蹲踞(そんきょ)し、両手でもって足の五指頭を自ら極めんと挙げる、すなわち五臓気が遍す(へんす、くまなくいきわたる)、主に耳人語聞こえずや聾、目明らかならずが治す、ひさしくこれをすれば、すわわち髪の白、黒に復す

3又云う、両足の指反らして、五つ(回)息止め、導引すれば背の痺れ、偏枯(へんこ、片麻痺)(もよくなり)、人耳聞こえる。久しく行えば、目耳諸根、罣礙(けいげ、引っかかること)なし

4又云う、左脚伸ばし、右膝を屈しこれを壓え(おさえ)、五つ(回)息止め、導引すれば肺、風虚去る、人目明らかとなり、経によってこれをなす、肺の中の気を引き、風虚病を去る、人目明らかとなり、夜中色見れる、そして昼異なる無し

5又云う、雞鳴きて、両手で持って相摩り熱くし、もって目を熨える(おさえる)、三度行い、指で以て目を抑え、左右の神光有れば、目明らかとなり、病痛まず

6又云う、東向きて坐り、再び息通ぜず、両手の中指に口つけ唾を14回、相擦り目を拭う、目明らかになり、甘泉これをすすぎ、目を洗い、その翳垢(えいく)をさる、目清く明らかになり、上をもって内気にて身中洗い、内睛潔よくす、これを以て外を洗い、その塵を鄣ぎ(ふさぎ)去る

7又云う、臥(が)して、引くこと三、手の爪でもって項部脈五度もてば、目明らかとなり、臥(が)してまさに偃(ふ)す、頭下げ、却(かえ)って亢げて引くこと三度、両手の爪でもって項部脈五度もてば、目暗く患いを除く、久しく行えば、目夜色見ること能える、更に久しく行えば、十方見ること通じ、劑限なくあり

 

 

<通訳>

五臓六腑の陰陽の精気は皆目に注がれている。もし血気が充実していれば視力も明瞭であるが、血気が虚弱であると風邪に侵されやすくなり、視力は弱ってはっきりとものを視ることができなくなる

1養生方に云う、歓楽を放縦にすれば魂魄を傷める。肝は魂をやどしていて目に竅を通じているので、損傷が肝に及べば目がかすんで見えにくくなる。

2養生方導引法に云う、蹲踞(そんきょ、膝を曲げて座り)、両手で両足の指を握って引っ張り上げるようにし、頭をできるだけ低く下げるようにすれば、五臓の気はよく頭に達するようになる。したがって耳がよく聞こえ、目がよく見えるようになる。これを日常に行えば白髪も黒くなっていく

3又云う、両側の足指を反らして五回息を止めて導引すれば、腰背の痺症や半身不随がよくなり、さらに耳の聴力がよくなる。これを日ごろに行えば目や耳の感覚器が外部からの影響で損傷されるのを防ぐことができる

4訳なし(又云う、左脚を伸ばし、右膝を曲げておさえ、五回息を止め、導引すれば肺の風虚が治る、目が鮮明となり、肺の気を導引すること風虚病を治す、目が鮮明となり、夜中でも昼と変わりなくみれる)

5又云う、早朝、鶏鳴時に起き、両手掌をこすり合わせてあつくし、その熱くした掌で三回目をあたためる。その後で指で目を抑える。もし、両目に神光が感じられたら、目は良く見えるようになり、目の疼痛も起こらなくなる

6又云う、東を向いて坐り、二度息を止め、両手の中指に14回唾をつけ、その両手の中指をこすり合わせ、その中指で目を拭く、この方法によって目がよく見えるようになる。唾液でもって口を漱ぎ、目を洗って目の脂垢を取り除けば目は清明になる。上半身へ気を導引して気でもって身を洗い、気を目の中へ導引して眼睛を清潔にし、さらに唾液でもって外から目を洗ってその塵(ちり)を去るようにするとよい

7又云う、仰臥して三度、気を導引し、頸項部の筋脈を五回、手でつまむ。これによって目がよくみえるようになる。仰臥して体をまっすぐ伸ばしたまま、頭を下げたりあげたりを力を入れて三回行い、頸部の大きな筋脈を手で五回つまむ。これによって目がかすんでよく見えない病を除くことができる。日常これを続ければ夜もものの形や色がよく見えるようになる。さらにいつまでも続けるならば、ずっと遠くまで見え、視力に極限がないようになる。

 

 

<考察>

最近、かすみ目が多いので、導引法やってみようかな(´Д`ι)。導引法の中にはちょっとやるのにかなり抵抗のある内容(唾で目を洗う)があるので出来そうなことをやってみようと思います

養生方に関しては数が多いので、漢文の前に数字をふりました。そして、4番目の養生方は訳が記載されていなかったのでニュアンスを書いてみました

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#50 第3回セルフお灸の会 実施しました〜

こんばんは、鍼灸師の速水です

午後から第3回セルフお灸の会を実施してきました(p゚∀゚q)

路面がかなり凍って会館に行きづらいのと、連休の間だったのをすっかり忘れていて(笑)たぶん、だれも来ないなぁと思ってましたがそれなりに来てくれたことにとても感謝しておりますヽ(´∀`)ノ

今回は『腰痛』がテーマだったので、参加者さん全員男性でした。さすが腰痛は男性の方が多い疾患なので納得です

 

流れとしてはこちら

・西洋医学から腰痛をみた場合

・東洋医学から腰痛をみた場合

・お灸の準備

・お灸のやり方

・つぼの紹介

・指圧のしかた、お灸体験、お役立ち情報(座り方、立ち方)

 

今回は腰にお灸の代わりに指圧の仕方を取り入れ、手足では腰痛に効果あるつぼを紹介して皆さんとお灸体験をしました(o’∀’人)

北海道もまあまあ寒いのでお灸はやっぱり温まりますね(笑)

 

では、実施風景はこちらです(事前に参加者には許可得ております)

座学風景

委中指圧風景←委中穴の指圧風景

座り方のポイント説明 キーワード「重心」
立ち方のポイント説明 キーワード「仙骨」

 

お灸しているところは撮り忘れました(笑)

質問コーナーでは、沢山の質問してくれました(´▽`ノ)ノ、腰痛もちの参加者さんだらけなので、自分の腰痛についてやそもそも腰痛は治るのか?(痛みの緩和だけでないのか?)や腰だけ治療すればいいのでは?などなど濃い質問してくれましたので、こちらも返答しがいがあってテンションがあがってました(∩´∀`)∩

参加者さんも納得したり、そうだったのかぁ~とおっしゃってましたのでこういう場を設けて良かったなと思います

 

さて、次回のセルフお灸の会ですが、12月、1月と私用で忙しくなるので、大変申し訳ないのですが来年の2月から再開予定です(メールで全てのテーマを受けたいと依頼してくれた参加者さん、本当にすみません!!)

地元の権現舞で忙しくなると思います。

お灸教室の再開めどがつきましたら、またチラシでお知らせします(´∀`)

#49 目病諸候 その11 目息肉淫膚候

こんにちは、鍼灸師の速水です

ついに雪が降り、路面がつるつるです(ll゚Д゚ノ)ノ

さて、今日は『目息肉淫膚候』です

息肉(そくにく)が淫した膚とは?です

 

 

<原文>

息肉淫膚者、此由邪熱在藏、氣衝於目、熱氣切於血脈、蘊積不散、結而生息肉、在於白睛膚瞼之間、即謂之息肉淫膚也

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

息肉淫膚なる者、この由(来)は邪熱臓にあり、(邪)気目を衝く、熱気血脈を切して、蘊積(うんせき、たくわえて)散らずと、息肉(そくにく、ポリープ状のはれもの)を生む、白睛(はくせい、眼球結膜)と瞼(まぶた)の間、すなわち息肉淫膚という

 

<通訳>

目の息肉淫膚(そくにくいんぷ)の病候は邪熱が内臓にあって、邪気が目に上衝し、熱気が血脈に流中して、蘊結(うんけつ、つもってとけない)して消散せず、そのために白睛(はくせい、眼球結膜)と眼瞼結膜の間に息肉(そくにく)を生じるもので、これを息肉淫膚(そくにくいんぷ)という

 

<考察>

息肉を調べるとポリープでした

この本の注解には、「息肉」は心肺二経絡(心経と肺経の2つの経絡)の風熱に脾胃の積熱が加わって上に壅滞(ようたい、ふさがり滞る)し、そのため気血が瘀滞(おたい)して起こったものである。また陰虚火旺(いんきょかおう、生活の不摂生や過労で五臓の腎の陰液が消耗し、そのために熱を抑えきれず心火が生じている体質)によって起こることがある。

白睛(はくせい、眼球結膜)と眼瞼結膜の間に息肉(そくにく)と考えたら………結膜炎のもっと悪性な腫物ってことでしょうかね?

むむむ(;゚∀゚)、よくわからない(笑)

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#48 目病諸候 その10 目膚翳覆瞳子候

こんにちは、鍼灸師の速水です

札幌もちらほら雪降ったみたいですが、このへんは雪がまだですね

さて、今日は『目膚翳覆瞳子候』です

膚翳(ふえい)が瞳子(どうし、ひとみ)に覆いかぶさるとは?です

 

<原文>

此言肝藏不足、爲風熱之氣干之、故於目睛上生翳、翳久不散、漸漸長侵覆瞳子

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

この事、肝臓不足、風熱の気におけるため、目睛上に翳を生み、翳久しければ散らず、漸漸(ぜんぜん、徐々に)と長く侵すと瞳子(どうし、ひとみ)を覆う

 

<通訳>

目の膚翳(ふえい、目に薄い模様の翳(えい、かげ、さえぎり隠れること)があること)が瞳子覆う病候は肝気が虚弱であるところに風熱の邪気が乗じて目に上衝し、そのために目睛上に翳(えい)を生じ、翳がいつまでも消散せずに次第に生長して拡がり遂に瞳孔を覆うようになったものである。

 

<考察>

「#47 目病諸候 その9 目膚翳候」で記載しましたが、膚翳(ふえい)=目に薄い模様の翳(えい、かげ、さえぎり隠れること)があること。その翳が薄くて皮膚のようであるところから膚翳(ふえい)という。蠅の翅(はね)のごとしと形容しているのも同じ意味だそうです。

それがさらに久しく(ながく)、翳が続いていると拡がり瞳孔を覆うようになります

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#47 目病諸候 その9 目膚翳候

こんにちは、鍼灸師の速水です

まだ、このへんは雪が降らないですね

さて、今日は『目膚翳候』です

膚翳(ふえい)、これが今回のキーワードになりますね

 

<原文>

陰陽之氣、皆上注於目、若風邪痰氣乘於府藏府、藏之氣、虚實不調、故氣衝於目、久不散、變生膚翳、膚翳者、明眼睛上有物如蠅翅者即是

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

陰陽の気、皆目の上に注ぐ、もし風邪、痰氣臓腑に乗ずれば、臓の気、虚実不調、故に気目を衝き、久しく散らざれば、膚翳の者、眼睛の上、蠅の翅(はね)のごとく物がある

 

<通訳>

五臓六腑の陰陽の気は皆目に上注する。もし風邪や痰気が臓腑に乗ずれば臓腑の気は虚実不調となり、邪気が目に上衝して、長く散らないと膚翳(ふえい)を変生するようになる。膚翳(ふえい)とは目の結膜上にまるで蠅の翅(はね)のような薄い膜が覆うものである

 

<考察>

膚翳(ふえい)=目に薄い模様の翳(えい、かげ、さえぎり隠れること)があること。その翳が薄くて皮膚のようであるところから膚翳(ふえい)という。蠅の翅(はね)のごとしと形容しているのも同じ意味だそうです。

西洋の目の病気に例えたら何になるんでしょうね?むむむ((( ゚д゚ ;)))

分かる方お待ちしております

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#46 目病諸候 その8 目涙出不止候

こんにちは、鍼灸師の速水です

今朝の札幌は4°、さむいですね。雪降ってくれた方がなぜか寒く感じないのってありますねヽ(´ー`)ノ

さて、今日は『目涙出不止候』です

涙がでて止まらないとは?です(´゚∀゚`)

 

<原文>

夫五藏六府皆有津液、通於目者、爲涙、若藏氣不足、則不能收制其液、故目自然涙出、亦不因風而出不止、本無赤痛

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

それ、五臓六腑みな津液あり、目を通ずるものは涙、もし蔵気不足すれば、すなわちその液(涙)収ることあたわず、故に目より自然に涙が出て、風(邪)によらず止めることあたわず、目は赤く痛く無し

 

<通訳>

五臓六腑にはすべての津液(すいぶん)がある。肝は目に通じていて、その津液は涙である。もしも臓気が虚弱で肝がその津液を制約することができなくなれば目から自然に涙が流れ出るようになる。これは風邪によるものではなく、その人が虚弱であるために涙が流れ出るものであるので、目は発赤疼痛が起こらない

 

 

<考察>

「#45 目病諸候 その7 目風涙出候」では、風邪で肝をきずつけると涙がでるとなっていますが、

ここでは、臓気不足していると涙が自然とながれ、止まらないとなります。ここでの涙がでる原因は肝腎両虚となっているので、区別がべつになると思います

 

整理すると

臓気 : 元気  風邪 : あり   目 : 不明  痛み : 不明 ⇒ 目風涙出候

 

臓気 : 弱い  風邪 : なし   目 : 普通  痛み : なし ⇒ 目涙出不止候

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#45 目病諸候 その7 目風涙出候

こんにちは、鍼灸師の速水です

午前中は、鍼灸師の先生達と古典の読書会をしてまして、(私はスカイプでの参加ですが)いろいろ意見交換もでき、刺激のある時間でしたヽ(´ー`)ノ

さて、今日は『目風涙出候』です

目が風により涙がでるとは?です(´゚∀゚`)

 

<原文>

目爲肝之外候、若被風邪傷肝、肝氣不足、故令目涙出、其湯熨鍼石、別有正方、補養宣導、今附于後、

養生方導引法云、踞伸右脚、兩手抱左膝頭、生腰、以鼻内氣、自極七息、除難屈伸拜起、去脛中痛痺、風目耳聾、

又云、踞、伸左脚、兩手抱右膝、生腰、以鼻内氣、自極七息、展左足著外、除難屈伸拜起、去脛中疼、一本云、除風目暗、耳聾、

又云、以鼻内氣、左手持鼻、除目暗泣出、鼻内氣、口閉、自極七息、除兩脇下積血氣、

又云、端坐、生腰、徐以鼻内氣、以右手持鼻、除目暗涙若出、閉目、吐氣、鼻中息肉、耳聾、亦然、除傷寒頭痛洗洗、皆當以汗出爲度

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目肝の外候の為、もし風邪被れば肝やぶる、肝気不足し、故に目涙出る、その湯熨鍼石、別正方有り、補養宣導し、今後に付す

養生方導引法云う、踞して右脚伸ばし、両手左膝頭を抱え、腰をたて、鼻より気をあつめ、自ら極め七息、屈伸がたき拜起を除く、脛中痛痺去る、風目耳聾

又云う、踞して左脚伸ばし、両手右膝を抱え、腰をたて、鼻より気をあつめ、自ら極め七息、左に足著しく外にひろげ、屈伸がたき拜起を除く、脛中疼を去る。一本云う、風目暗、耳聾を除く

又云う、鼻より気をあつめ、鼻を左手で持ち、目暗く泣き出ずるを除く、鼻より気をあつめ、口を閉ざして、自ら極め七息、両脇下の積血気を除く

又云う、端坐(たんざ、姿勢を正しく座る)し、腰をたて、鼻より気をあつめ、右手で鼻を持ち、目暗く泣き出ずるを除く、目を閉じ、気を吐く、鼻中息肉、耳聾、また、傷寒しかるに頭痛洗洗と除く、皆汗出ずる度にもってす

 

 

<通訳>

目は肝の外候である。もし風邪で肝を傷されると肝気が不足するようになり、そのために目から涙がでやすくなる。漢方、あん摩、鍼の別に養生方を別にのせる

養生方導引法云う、踞座(きょざ、あぐら)して右脚を伸ばし、両手で左の膝頭を抱きかかえ、腰は伸ばして、鼻から息を精一杯吸うこと七回くり返す。この方法によって下肢の屈伸ができにくいもの、足がつまづきやすいもの、足が痛くてしびれるものが治る。風目(なみだ目)、耳聾(じろう、みみがきこえない)も治す。

又云う、踞座(きょざ、あぐら)して左脚を伸ばし、両手で右の膝頭を抱き、腰を伸ばし、鼻から精一杯に息を吸い、これを七回吸ってから左足を伸ばして外へ開く。この方法でもって下肢の屈伸や足がつまづきやすいもの、起立ができず、下腿部がしびれて痛むものを治すことができる。一本云う、目のかすみ、耳聾も治す。

又云う、左手で鼻をつまみながら鼻から息を吸う。この方法によって目がかすんで物が見えにくく、涙が出やすいものを治すことができる。鼻から息を吸い、口を閉じて息をできるだけ止める。これを七回くり返す。この方法によって両側の脇下の積気積血を治すことができる。

又云う、正座して腰を伸ばし、ゆっくりと鼻から息を吸い、右手で鼻をつまみ、目を閉じて息を吐く。この方法によって目がかすんで見えにくく、いつも涙が出やすいものを治すことが出来る。鼻中の息肉や耳聾も治し、また傷寒病で頭痛がしてぞくぞくと悪寒している者も治すことができる。これらは全て導引によって汗が少し出る程度にすればよい。

 

 

<考察>

目風 = なみだ目 みたいですね

涙は悲しい時や目にゴミが入った時にだけ出てくるわけではなく、普段気付かないうちにも分泌されています。涙は上まぶたの外側にある涙腺という所で作られ、目頭の上下にある小さな点(涙点)から細い管(涙小管)を通って涙嚢という袋にたまり、さらに鼻涙管と呼ばれる管を通って鼻の奥に抜けていきます。

涙の通り道が細くなったり詰まってしまったりすると、涙は悲しくなくても作られる為、目からあふれてしまう事になります。逆に、何らかの刺激で涙が過剰に作られても、同じ症状がおこります。これを一般的には「涙目」、医学的には「流涙症」と言っております

養生方も記載されていますし、そんなに難しくないので、やってみてもいいかもしれませんね(σ´∀`)σ

わたしはかすみ目が多いので、鼻つまんでの呼吸法をやってみます!!

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#44 目病諸候 その6 目風腫候

おはようございます、鍼灸師の速水です

ぶるっと冷えますね~

さて、今日は『目風腫候』です

目が風により腫れるですかね?現代の病名だと何になるんでしょうね?とりあえず原文読んでみましょう(´゚∀゚`)

 

<原文>

目爲肝之外候、肝虚不足、爲冷熱之氣所干、故氣上衝於目、外復遇風冷所擊、冷熱相搏、而令瞼内結腫、或如杏核大、或如酸棗之状、腫而因風所發、故謂之風腫

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目、肝の外候を為す、肝不足し虚せば、冷熱の気のところから為す、故に気は目の上を衝く、また外の風冷の所遇うと、冷熱さらにうつ、瞼内(けんない)に結腫、或いは杏(あんず)の核の大きさのごとく、或いは酸棗(さんそう、さねぶとなつめ)の状態のごとく、腫は風の所によって発し、ゆえに風腫という

 

<通訳>

目は肝の外候である。肝が虚して肝気が不足していると冷熱の邪気の侵犯を受け易くなり、肝気に熱があるようになると目に上衝する。さらにまた風冷の邪気の侵襲を受けると冷熱が相搏って眼瞼内に腫塊を形成するようになる。その腫塊の大きさはあるいは杏の種の大きさであり、あるいは酸棗(さんそう、さねぶとなつめ)の種の大きさである。このような腫塊は風邪を受けて生じたものであるので風腫と称されている。

 

<考察>

まぶたが腫れる病気の代表としては

・ 霰粒腫(さんりゅうしゅ)

まぶたの裏側のマイボーム腺という場所に肉芽腫(にくげしゅ)という塊が発生する病気です。初期症状としてはまぶたにしこりが生じ、しばしば腫れることがあります。炎症が強くなると赤みが生じ、時には皮膚から肉芽腫が出てきたり、まぶたにひきつれが生じることもあります。数週間から数か月で自然に小さくなることもありますが、大きくなってしまった場合にはステロイド注射や手術で摘出などの治療が必要になることもあります

 

・麦粒腫(ばくりゅうしゅ)

一般的に「ものもらい」と呼ばれる病気です。まぶた周辺のまつげの毛根や汗腺や脂腺などに細菌が感染することで発症します。初期症状としてはまぶたの腫れ、赤み、異物感などが多くみられます。なお、まぶたの腫れが引いたときにしこりが残った場合は、霰粒腫が考えられます。

腫塊(しゅかい、腫れものの塊)の大きさが、杏の種や酸棗(さんそう、さねぶとなつめ)の種と記載されているので霰粒腫(さんりゅうしゅ)なのかなぁ( ゚д゚ ;)

 

さすがに写真はまあまあグロいので興味ある方だけ調べてみてください

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#43 目病諸候 その5 目数十年赤候

こんにちは、鍼灸師の速水です

今日の午前中は次回のセルフお灸の会の資料づくりをしてました(σ゚∀゚)σ

 

さて、今日は『目数十年赤候』です

はて、これだけだと、眼が数十年赤くなる?みたいな感じですかね。実際に読んでみましょう

 

<原文>

風熱傷於目眥、則眥赤爛、其風熱不去、故眥常赤爛、積年不差

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

風熱、目眥(もくし、めじり)傷付くと、すなわち眥(まなじり、目じり)赤く爛(ただ)れる、その風熱去らざれば、眥(まなじり)常に赤く爛れ、積年(せきねん、長い年月)差せず

 

<通訳>

風熱が目眦(めじり)を傷すると目眦は発赤して糜爛(びらん、ただれること)する。その風熱の邪気が停留して去らないと目眦はいつも赤く爛れてしまい長年にわたって治らなくなる。

 

<考察>

数十年 = 長年 ということですね。糜爛(びらん)や爛(ただ)れってありますが、具体的に言うと浅い水疱(すいほう)の疱膜が破れて生じたもので、新鮮紅色を呈し、表面は漿液(しょうえき)で潤っていることです

当時(2300年前)からの医療だと、一度爛れた場合、自然治癒か膿がひどいときは切り取るぐらいしかないので長い間爛れてしまうと推測されます(現在みたいに抗生物質などないですからね)

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#42 目病諸候 その4 目赤爛眥候

こんにちは、鍼灸師の速水です

はやめに冬タイヤに交換してきました(σ゚∀゚)σ

 

さて、今日は『目赤爛眥候』です

風眼(膿漏眼の俗称)について説明しているみたいですね。詳しくは考察に記載します

 

<原文>

此由冒觸風日、風熱之氣傷於目、而眥瞼皆赤爛、見風彌甚、世亦云風眼

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

この由、風日冒觸し、風熱の気目を傷つける、眥瞼みな赤く爛れ、風見るといよいよ甚だしくなり、世にまた風眼という

 

<通訳>

目赤爛眥は風と日光を触冒して、風熱の気が目を傷して、眼瞼が発赤して糜爛(びらん、ただれること)するものである。このような症候はしばしば風に遇うと激しくなるものであるところから「風眼」とも称される

 

<考察>

先述しましたが、「風眼」を調べると「膿漏眼」を風眼と呼んでいたそうです。多量の膿性の目やにが出る結膜炎の総称で、淋(りん)菌による結膜炎がその代表的なものである。眼瞼(がんけん)と結膜は赤くはれて、膿(のう)がぬぐったあとからすぐに湧(わ)くように出てくるそうです。

成人だと、淋菌性結膜炎

新生児だと、新生児膿漏眼

風や空気が原因でこの病気が起こるとされたことから,古くからこの名で呼ばれた。現在は淋菌によって起こる結膜炎として整理されています∑(´Д` )

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳