#52 目病諸候 その13 目青盲候

こんばんは、鍼灸師の速水です

私は体を動かすことが多いですが、運動するとやっぱり血の巡りもよくなりますし、気力も湧いてくる感じがするので適度な運動はおすすめです

さて、今日は『目青盲候』です

目の青盲とは?です。青盲???何でしょうね???

 

<原文>

青盲者、謂眼本無異、瞳子黑白分明、直不見物耳、但五藏六府之精氣、皆上注於目、若藏虚有風邪痰飲乘之、有熱則赤痛、無熱但内生鄣、是府藏血氣不榮於睛、故外状不異、只不見物而已、是謂之青盲、

養生方云、勿塞故井及水瀆、令人耳聾目盲、

又云、正月八日、沐浴、除目盲

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

青盲の者、眼の本は異なることなし、瞳子、黒白分明(ぶんめい、はっきりとしている)し、なお物をみれず、五臓六腑の精気、皆目に上注する。もし臓虚し、風邪あり痰飲これに乗じ、熱有ればすなわち赤く痛む、熱なければ内に鄣(さえぎり)を生む、これ臓腑の血気、睛をさかえぜれば、ゆえにが異常ことならなずとも、見物することできず、これを青盲という

養生方に云う、故(ふるい)井塞ぐ及び水瀆(けが)すことなかれ、人耳聾(じろう)し、目盲(めしう)ふ

又云う、正月八日、沐浴し、目盲(めしう)ふこと除する

 

<通訳>

青盲の患者は外観的には目に何の異常もなく瞳子の黒白ははっきりしているのに視力を失って物をみることができない。五臓六腑の精気は皆目に上注しているが、もし臓気が虚弱となり、風邪や痰飲がこれに乗じて、もし熱があるようになれば目は発赤して疼痛するが、もし熱がなければ単に目の中に内障(ないしょう、内部の障害)を生じるだけなので外見上の変化は現れない。このように臓腑の血気が目を栄養することが出来るなくなると外見上に異常がなくてただ視力だけが喪失するようになる。これを青盲という。

養生方に云う、古井戸を埋め塞いだり、水を瀆(けが)したりしてはならない。もしそうすればその家人に耳聾目盲の患がでるであろう。

又云う、正月八日に沐浴すれば目盲を除くことができる

 

<考察>

青盲・・・視神経萎縮など目の外観は異常ないのに見えないもの。視野経萎縮は視神系が障害された結果、視神経線維が萎縮して機能しなくなった状態です。萎縮の程度に応じて視力、視野が障害され、もとにもどりません。原因としては、視神経の病気の末期や栄養障害、薬物中毒、緑内障(りょくないしょう)、外傷などがあります。遺伝による先天性のものもあります

違う諸病源候論では、『目青盲候』ではなく、『目清盲候』となっていました。意味合いは一緒だと思います

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

 

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