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#8 五行論って何?

こんにちわ、鍼灸師の速水です

今日は晴れてはいるんですが、風が強い北海道です。はやくあったかくなってほしいですね

さて、前回の「#5 陰陽って何?で書いた五行論について書きます

五行は、殷の時代(紀元前1500年)今から3500年前ぐらい(日本だと縄文時代)に甲骨文字が栄えており、そこに四方の風(春、夏、秋、冬)の神の名前が記載されていました。中国の風土には、黄河を中心に、四方の地域に成り立っているため、五つとして考え、五つの地域の土の色や、生産物、気候を整理して代表的物質(木、火、土、金、水)と結びつけて分類したのが起源となります

木、火、土、金、水をベースに体内や体表に分類し医療として発展しました

五行の絵(手書きでスミマセン)
五行の整理 その1
五行の整理 その2

五臓に病があれば、色艶、声、脈に反映し、それを分類した五色、五音、五味、五臭などからどの臓腑に影響が出ているのか判断をしていきます

西洋医学で言っている、肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓の臓器名は、江戸時代後期に西洋医学を翻訳する際に、中国の古医語を使用しているので伝統医学用語と同じではありません。

五行を知ると体内や気持ちがわかってくるので、自分を見つめる一つの考えとして使用できますね

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

[あじあブックス] 針灸の歴史 悠久の東洋医術  著者 小曽戸 洋  天野 陽介

 

#7 八会穴って何?

こんにちわ、鍼灸師の速水です

今日の北海道はあいにくの雨、やや寒いですね。風邪ひかないよう気をつけないといけませんね

さて、前回のブログで記載した八会穴(はちえけつ)を解説します。

八会穴の八は、臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄の8つのことであり、“会はあつまる”という意味があるので、臓腑気血筋脈骨髄という8つと関係をする経穴ということになります。

 

1:臓会 ・・・ 章門(しょうもん)

章は明らかの意味し、脇部の左右に分かれて門のような形をしているため、この名前になりました。第11肋骨前端の下縁にあります

章門の場所

 

2:腑会 ・・・ 中脘(ちゅうかん)

脘は管の意味、胃の内腔を指していて、胃の中間部に位置しているため中脘と名付けられました。場所はへそと胸骨の下の間です

中脘の場所

 

3:気会 ・・・ 膻中(だんちゅう)

膻は心臓の下にある膈膜を指しています。第4肋骨の高さで正中線上に在る経穴です

膻中の場所

 

4:血会 ・・・ 膈兪(かくゆ)

横隔膜に近く、しゃっくり、あくびを治すのでこの名前がつきました。第7胸椎棘突起の横1寸5分(指だいたい2本分)

膈兪の場所

 

5:筋会 ・・・ 陽陵泉(ようりょうせん) ※前回のブログにて掲載済み

 

6:脈会 ・・・ 太淵(たいえん)

太は非常に大きいを指し、淵は深い淵で源泉の意味を指します。手関節前面横紋上で、橈骨動脈拍動部にあります

太淵の場所

 

7:骨会 ・・・ 大杼(だいじょ)

杼は紡織り機のシャトルを指し、椎骨(棘突起)を杼骨といい、その中でいちばん大きい第7頸椎を大杼骨としたと言います。第1胸椎棘突起の横1寸5分(指だいたい2本分)

大杼の場所

 

8:髄会 ・・・ 懸鐘(けんしょう)

懸は吊り下げる、腓骨の先から外くるぶしにつながる姿が鐘の形に似ているため、この名前の経穴となっています。場所は外くるぶしから上に3寸(指4本分)

懸鐘の場所

 

 

『難経』四十五難では、

原文   熱病在内者 取其會之氣穴也

読み下し 熱病が内に在る者は、其の會(会)の気穴を取る也

熱病にかかってしまったときに、治療として八つの気のあつまる穴(つぼ)を用いりましょうと記載されています

 

熱病とは、現代の用語の意味では高熱が出ることを特徴の一つとする病気を指しています。東洋医学では、熱病を熱邪とも言い、外淫による風熱、暑熱、湿熱などがあります。また、火は、内側から生じたものが多く、これには心火、肝火、胆火などがあります。内外の違いとしては、外感は、温熱邪気を感受して侵襲されたものであり、内生は、臓腑の陰陽気血が失調したために陽気が盛んになり過ぎて発生したものです。風、寒、湿、燥などの外邪が長期にわたって体内に鬱積していると、変化して火となることもある。この火を「五気化火」と言います。また、喜、怒、思、悲、恐などの五志過極な精神的刺激により火が生じることを「五志化火」と言います。

 

「参考文献」

図説 『難経』 易経と難経  内原拓宗 編 西岡由記 著

鍼灸学校の三年の時から学んだ学問で、難経を分かり易く解説してくれている本です。易経(えききょう、うらない)とのつながりもしっかりと解説されています。

図説 『難経』 易経と難経
西岡先生のサイン

一陰一陽之謂道

あるいは陰 あるいは陽 これを道と謂(い)う

易経の言葉ですね。陰陽論の土台となる言葉になっています。

#6 筋肉痛には (陽陵泉)

こんばんわ、鍼灸師の速水です

昨夜、久しぶりにバスケをやって走りに走ってハッスルしてきました(    > Д  < ) / 汗かくことっていいですね。もっと走れる体力をつけないと反省しつつ、いまは筋肉痛と格闘中です(笑)

さて、今日の題目は筋肉痛になった時の経穴(つぼ)を紹介します

「陽陵泉(ようりょうせん)」 陽は外側面、陵は突起を意味し、泉は腓骨頭の前下にある小さい窪みをさし、陽陵泉と名づけられた経穴

陽陵泉の場所は、踝の外側から膝横に向かって指でなぞっていくと、腓骨頭という出っぱった骨があるので、そこからやや前下にあるくぼみ

陽陵泉の場所

陽陵泉という経穴は、八会穴の筋会として使われる経穴でして、「難経 四五難」に八会穴(はちえけつ )と言う各組織の気血の集まるところで八つに分かれている経穴があり、その中に筋会(きんえ)は筋の病に使用する経穴として記載されています。

他の八会穴の紹介は後日紹介します(’ Ο  ‘ ) v

よし、筋肉痛を治してまた動くぞー

#5 陰陽って何?

おはようございます。鍼灸師の速水です。

北海道は恵みの大地ですね。食べ物がおいしい!先日、ジンギスカンやアスパラのホイル焼きを頂いて元気補充してました( ‘ ε ‘ )/

さて、本日の題目ですが、たまに「陰陽(いんよう)」って聞いたことはないですかね?「陰陽師(おんみょうじ)」で陰陽って言葉が使用されていますね。これは中国の易学(占いの学問)という、宇宙の万物が形をとって現れる状態を作り、支配する二つの相反する性質を持つ気を指します。積極的なものを陽、消極的なものを陰とする考えです。自然界のすべての現象を解釈するうえで基本的な観点となっています。

前回のブログで紹介した「黄帝内経 素問」の陰陽応象大論篇では、「天地は万物の上下なり、陰陽は万物の能始なり」とあります。日・男・奇数などは陽、月・女・偶数などは陰としています。陰陽論を医学的に応用し、人体の臓腑を陰陽に分け、臓を陰、腑を陽と考えました

臓  肝、心、脾、肺、腎

腑  胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦

これがよく聞く五臓六腑です

診断と治療としても陰陽論を使用しています。疾病の発生は陰陽の失調からとしているので治療方針も陰陽を調整する(不足していれば補足し、余っていれば瀉す)ことで陰陽の平衡を回復させることが原則になってきます。

この考えを2300年前からあったというのが凄いとしか言えないですね

陰陽論の他にも、五行論など東洋医学の考え方がありますので後日紹介したいと思います

 

本日の散歩 (天と地、その間に人がいる、これを天地人三才思想といいます)

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

鍼灸学校の一年の時から学んだ学問で、この学問をきっかけに鍼灸って深いんだなぁって体感したのを覚えてます

東洋医学概論

#4 暑くなってきましたね、湿気に負けない!(陰陵泉)

こんばんわ、鍼灸師の速水です

北海道も暑くなってきましたね~( –  - ;)

北海道で30℃超える場所がなんと7箇所(ほぼ網走・北見・紋別地方)。札幌は道内33位の28.7℃、平年より8.5℃も高いので熱中症に気をつけないといけませんね。

あとは湿度も上がり、体の不調が増えてますね。本来なら7月ぐらいからなんでしょうが、梅雨から夏にかけて増える湿気の邪気は「湿邪(しつじゃ)」と呼んでいます。湿邪は主に胃腸に悪影響を及ぼし、食欲の低下や軟便、下痢などを引き起こし、気力低下や浮腫(むくみ)、関節の痛みなどがでてきます。自分の舌を見て表面にびっしりと白い苔がついていたり、黄色く粘つくような状態になっているような方は湿が体に溜まっている証です。

さて、そんな時に役にたつ経穴(つぼ)を紹介します

「陰陵泉(いんりょうせん)」 陰は陰陽の陰を指し、陵は突起を意味し、膝下の内側の陥没を水の出る泉に例えて陰陵泉と名付けられた経穴

陰陵泉の場所は、踝の内側から脛の骨を膝に向かって指でなぞっていくと、指がとまるところ

陰陵泉の場所

私は鍼で刺したり、お灸をしますが、爪楊枝の持つところや指で軽く刺激してもいいと思います。

あとは、お腹を冷やさないようにしてください。冷たいものはとにかく摂りすぎ注意です。特に外が暑くなってくると冷たいものを欲してしまいますが、冷たいものや過剰な水分は胃腸機能を低下させてしまいます。

 

参考に

<札幌管区気象台 北海道の最高気温順(本日版)>

http://www.jma-net.go.jp/sapporo/tenki/kansoku/amedasrank/indexmxdesc.html

 

<札幌管区気象台 北海道の最高気温順(6/5 アーカイブ版)> ※見れない時は上のリンク先をご覧ください

http://www.jma-net.go.jp/sapporo/tenki/kansoku/amedasrank/archives/index20180605mxdesc.html

 

<暑いけど夕方になるとすこし涼しい>

本日の夕陽 帰りに撮影

#3 鍼灸の適応症について

おはようございます、鍼灸師の速水です

もう6月になっちゃいますね。早いですねぇ。だんだんと湿度も上がってくるので夏バテに気をつけてくださいね。

さて、今回は鍼灸の適応症について書きます。

1979年 WHO(世界保健機関)は鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表しました。1996年に6疾患を加えた改訂版を公表し、現在では49疾患が鍼灸の適応疾患となっております。これは臨床経験にもとづくものであり、必ずしも研究上の裏付けを伴うものではありませんが、鍼灸治療の幅広さが理解される資料となっております。

 

WHOの見解 1979年 43疾患

●上気道疾患(急性副鼻腔炎、急性鼻炎、感冒、急性扁桃炎)

●呼吸器疾患(急性気管支炎、気管支喘息)

●眼疾患(急性結膜炎、中心性網膜炎、近視(小児)、白内障(合併症のないもの))

●口腔疾患(歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、急性・慢性咽頭炎)

●胃腸疾患(食道・噴門痙攣、しゃっくり、胃下垂、急性・慢性胃炎、胃酸過多症、慢性十二指腸潰瘍(除痛)、急性十二指腸潰瘍(合併症のないもの)、急性・慢性腸炎、急性細菌性赤痢、便秘、下痢、麻痺性イレウス)

●神経、筋、骨疾患(頭痛、片頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺(初期、3〜6ヶ月以内のもの)、脳卒中後の不全麻痺、末梢神経障害、急性灰白髄炎の後遺症(初期、6ヶ月以内のもの)、メニエール病、神経因性膀胱、夜尿症、肋間神経痛、頸腕症候群、五十肩、テニス肘、坐骨神経痛、腰痛、変形性関節症)

 

WHO草案 1996年 49疾患

●運動器系疾患(上顆炎(テニス肘)、頸部筋筋膜性、頚椎炎、肩関節周囲炎、慢性関節リウマチ、捻挫と打撲、変形性膝関節炎)

●消化器・呼吸器系疾患(胆石、胆道回虫症、胆道ジスキネジー、下痢・便秘、潰瘍性腸症候群、急性扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、慢性副鼻腔炎、気管支喘息)

●疼痛疾患(頭痛、片頭痛、緊張型頭痛、坐骨神経痛、扁桃腺摘出手術後疼痛、抜歯疼痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腎性疼痛、胆道疝痛)

●循環器系疾患(狭心症を伴う虚血性心疾患、高血圧症、低い血圧症、不整脈、神経循環性無力症)

●泌尿・産婦人科疾患(月経困難症、分娩誘導、月経異常、女性不妊、男性不妊、ED、遺尿症、尿失禁、尿閉)

●その他の疾患(白血球減少症、近視、肥満、メニエール症候群、片麻痺、うつ病、薬物中毒、アルコール中毒)

 

上記の疾患以外でも鍼灸治療が認めれているものも出てきています。疾患名はたくさんありますが東洋医学では疾患に対して治療というよりも、患者さんの不調となっている原因を四診という診断法で、病の根本原因(経絡の乱れ)を探り出し、その原因となる要素(「気」「血」「水」の流れ)にアプローチして病の根本原因を取り除き、本来の元気な状態にすることによって症状の改善を図っています。

 

「参考文献」

はりきゅう理論 公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著書

#2 「古典鍼灸」って何?

こんにちは、鍼灸師の速水です

ホームページにちらっと書いた「古典鍼灸」について説明したいと思います。

紀元前200年頃(前漢時代)から紀元前220年頃(後漢時代)の中国に、お墓から出土した医学書をまとめられ、鍼灸の治療術を記載した「黄帝内経絡(こうていだいけい)」や「難経(なんぎょう)」をもとに診断法、施術方針の施術することです。

各古典によって内容は異なりますが、例えば「黄帝内経」では「素問」、「霊枢」、「太素」、「明堂」の四つの書が伝えられていて、「素問」は生理、衛生、病理、陰陽五行説に則った医学理論の解説されている書であり、「霊枢」は診断、治療法、鍼灸手技などが解説されている書であり、「太素」は「素問」、「霊枢」の文章を類別、再編し、注釈をつけた書であり、「明堂」は経脈、経穴に関するの最古の専門書で、鍼灸各論の基本典籍とされています。「難経」は脈、経絡、臓腑、病理、経穴、刺鍼法など、鍼術の理論と臨床が簡潔に述べられています。

今から2300年も前から鍼灸について解説され、当時から使われていたということはそれだけ有効なものだと思います。古典をこれからも勉強して今後の施術に使えるよう頑張ります!

 

「参考文献」

[あじあブックス] 針灸の歴史 悠久の東洋医術  著者 小曽戸 洋  天野 陽介

という鍼灸についての歴史が分かりやすくまとめていただいている本です。小曽戸先生に以前お会いした時、とても気さくで情熱が高い方でした。

針灸の歴史

#1 祝!HP完成、初ブログ

こんにちは、鍼灸師の速水です

 

ついにホームページ完成しました( ^ o ^ )/

とても質素なものですが、よろしくお願いします

今後はブログを通じて、ホームページでは記載できなかった内容を載せたいと思います。お楽しみに!

初ブログはこんな感じで終わります