#59 目病諸候 その20 目渋候

こんにちは、鍼灸師の速水です

おそくなりましたが、あけましておめでとうございます。今年も1年いろいろチャレンジしつつ楽しく鍼灸に向き合って頑張りたいと思います

さて、今日は『目渋候』です

目が渋くなるとは?です

 

 

<原文>

目肝之外候也、府藏之精華、宗脈之所聚、上液之道、若悲哀内動府藏、則液道開而泣下、其液竭者、則目澀、又風邪内乘其府藏、外傳於液道、亦令泣下而數欠、泣竭則目澀、若府藏勞熱、熱氣乘於肝、而衝發於目、則目熱而澀也、甚則赤痛

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目は肝の外候なり、府藏の精華、宗脈の聚まるところ、上液の道、もし悲哀が内の府藏が動けば、すなわち液道開いて泣いて下る、其の液竭する者であれば、すなわち目渋くなる、また風邪が内の其の府藏に乗じれば、外の液道を伝い、泣いて下せばしばしば欠する、泣くこと竭けばすなわち目渋り、もし府藏勞熱し、熱氣肝に乘じ、而衝目に衝いて発すれば、すなわち目熱すること渋なり、甚だしければすなわち赤く痛む

 

<通訳>

目は肝の外候であり、五臓六腑の精華と諸経脈の集まるところであり、また涙液の道路でもある。もしも悲哀すること甚だしくて臓腑に影響すれば涙液の道は開いて涙が流れるようになる。もしその涙液が枯渇すれば目は乾渋する。もしも風邪が臓腑に乗じて、それが外に伝わって涙道に及べば涙が流れてしばしば欠伸をするようになるが、涙液が枯渇すると目が乾渋する。もしも臓腑に労熱があり、その熱気が肝を傷して目に上衝すれば目に熱があるようになって乾渋するようになり、甚だしいものは発赤して疼痛する

 

<考察>

目の渋とは涙に関連する話みたいですね。涙が枯渇(こかつ、乾く)になれば「渋

」となる。それば風邪になるか、労熱によって症状がまた変わってきます。

よくなみだ目になるおばあちゃんの患者さんがいらっしゃいますが、肝の脈が弱く筋肉の拘縮がかなり強いんで目にも影響されていると思われます(肝は筋を司る)

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

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