#58 目病諸候 その19 目不能遠視候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

今日は大みそかですね。今年から独立して大変なこともありましたが、患者さんやまわりの方々のご助力のおかげでなんとかなりました。誠にありがとうございます。来年もよろしくお願いします。

 

さて、今日は『目不能遠視候』です

遠くを視ること能わずとは?です。

 

<原文>

夫目不能遠視者、由目爲肝之外候、府藏之精華、若勞傷府藏、肝氣不足、兼受風邪、使精華之氣衰弱、故不能遠視

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

夫れ、目の遠くを視ることが能わずの者、目は肝の外候ためゆえ、臓腑の精華、若し臓腑を勞傷すれば、肝氣不足し、兼ねて風邪をうけ、精華の氣は衰弱せしめ、故に遠くを視ること能わず

 

<通訳>

目が遠くを視ることができないのは、目は肝の外候であり、臓腑の精華であり、もし臓腑を労傷すれば肝気が不足し、さらに風邪の侵襲を受けると精華の気は衰弱してしまうので遠くを視ることができなくなるものである。

 

<考察>

肝は目に関わるので、いろんな目の病気が発生しますが、肝だけでなく実は心も影響がでます。それは五労(ごろう)という東洋医学の本『黄帝内経』の中の「素問 宣明五気篇」にでてきます。その中で「久視」=「目を使いすぎて血を傷めること」。血=心(五主)となります

 

 

使いすぎは、五臓のどこかをかならず消費して、病がでやすくなります。でも、どこが?とかどうなる?とすこしわかっていると対処もしやすいのでこういう勉強は大事になります

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

 

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