#45 目病諸候 その7 目風涙出候

こんにちは、鍼灸師の速水です

午前中は、鍼灸師の先生達と古典の読書会をしてまして、(私はスカイプでの参加ですが)いろいろ意見交換もでき、刺激のある時間でしたヽ(´ー`)ノ

さて、今日は『目風涙出候』です

目が風により涙がでるとは?です(´゚∀゚`)

 

<原文>

目爲肝之外候、若被風邪傷肝、肝氣不足、故令目涙出、其湯熨鍼石、別有正方、補養宣導、今附于後、

養生方導引法云、踞伸右脚、兩手抱左膝頭、生腰、以鼻内氣、自極七息、除難屈伸拜起、去脛中痛痺、風目耳聾、

又云、踞、伸左脚、兩手抱右膝、生腰、以鼻内氣、自極七息、展左足著外、除難屈伸拜起、去脛中疼、一本云、除風目暗、耳聾、

又云、以鼻内氣、左手持鼻、除目暗泣出、鼻内氣、口閉、自極七息、除兩脇下積血氣、

又云、端坐、生腰、徐以鼻内氣、以右手持鼻、除目暗涙若出、閉目、吐氣、鼻中息肉、耳聾、亦然、除傷寒頭痛洗洗、皆當以汗出爲度

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目肝の外候の為、もし風邪被れば肝やぶる、肝気不足し、故に目涙出る、その湯熨鍼石、別正方有り、補養宣導し、今後に付す

養生方導引法云う、踞して右脚伸ばし、両手左膝頭を抱え、腰をたて、鼻より気をあつめ、自ら極め七息、屈伸がたき拜起を除く、脛中痛痺去る、風目耳聾

又云う、踞して左脚伸ばし、両手右膝を抱え、腰をたて、鼻より気をあつめ、自ら極め七息、左に足著しく外にひろげ、屈伸がたき拜起を除く、脛中疼を去る。一本云う、風目暗、耳聾を除く

又云う、鼻より気をあつめ、鼻を左手で持ち、目暗く泣き出ずるを除く、鼻より気をあつめ、口を閉ざして、自ら極め七息、両脇下の積血気を除く

又云う、端坐(たんざ、姿勢を正しく座る)し、腰をたて、鼻より気をあつめ、右手で鼻を持ち、目暗く泣き出ずるを除く、目を閉じ、気を吐く、鼻中息肉、耳聾、また、傷寒しかるに頭痛洗洗と除く、皆汗出ずる度にもってす

 

 

<通訳>

目は肝の外候である。もし風邪で肝を傷されると肝気が不足するようになり、そのために目から涙がでやすくなる。漢方、あん摩、鍼の別に養生方を別にのせる

養生方導引法云う、踞座(きょざ、あぐら)して右脚を伸ばし、両手で左の膝頭を抱きかかえ、腰は伸ばして、鼻から息を精一杯吸うこと七回くり返す。この方法によって下肢の屈伸ができにくいもの、足がつまづきやすいもの、足が痛くてしびれるものが治る。風目(なみだ目)、耳聾(じろう、みみがきこえない)も治す。

又云う、踞座(きょざ、あぐら)して左脚を伸ばし、両手で右の膝頭を抱き、腰を伸ばし、鼻から精一杯に息を吸い、これを七回吸ってから左足を伸ばして外へ開く。この方法でもって下肢の屈伸や足がつまづきやすいもの、起立ができず、下腿部がしびれて痛むものを治すことができる。一本云う、目のかすみ、耳聾も治す。

又云う、左手で鼻をつまみながら鼻から息を吸う。この方法によって目がかすんで物が見えにくく、涙が出やすいものを治すことができる。鼻から息を吸い、口を閉じて息をできるだけ止める。これを七回くり返す。この方法によって両側の脇下の積気積血を治すことができる。

又云う、正座して腰を伸ばし、ゆっくりと鼻から息を吸い、右手で鼻をつまみ、目を閉じて息を吐く。この方法によって目がかすんで見えにくく、いつも涙が出やすいものを治すことが出来る。鼻中の息肉や耳聾も治し、また傷寒病で頭痛がしてぞくぞくと悪寒している者も治すことができる。これらは全て導引によって汗が少し出る程度にすればよい。

 

 

<考察>

目風 = なみだ目 みたいですね

涙は悲しい時や目にゴミが入った時にだけ出てくるわけではなく、普段気付かないうちにも分泌されています。涙は上まぶたの外側にある涙腺という所で作られ、目頭の上下にある小さな点(涙点)から細い管(涙小管)を通って涙嚢という袋にたまり、さらに鼻涙管と呼ばれる管を通って鼻の奥に抜けていきます。

涙の通り道が細くなったり詰まってしまったりすると、涙は悲しくなくても作られる為、目からあふれてしまう事になります。逆に、何らかの刺激で涙が過剰に作られても、同じ症状がおこります。これを一般的には「涙目」、医学的には「流涙症」と言っております

養生方も記載されていますし、そんなに難しくないので、やってみてもいいかもしれませんね(σ´∀`)σ

わたしはかすみ目が多いので、鼻つまんでの呼吸法をやってみます!!

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です