#33 毛髪病諸候 その7 令生眉毛候

おはようございます。鍼灸師速水です。

今日はこちら、『令生眉毛候』です

髪、ひげに次ぐ眉毛が生えるについてです(*^-^*)

 

<原文>

足太陽之經、其脈起於目内眥、上額交巔、血氣盛、則眉美有亳、血少則眉惡、又眉爲風邪所傷、則眉脱、皆是血氣傷損、不能榮養、故須以藥生之

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

足太陽の経、その脈は目の内眦(ないさい、目頭)に起こり、額を上り巔(いただき)に交じる、血気盛んなれば、眉美しく長くて丈夫である、血少なければ眉悪し、また眉風邪により傷つけば、眉脱(毛)する、これはみな血気が損傷し、栄養あたわず、故に薬をもって生じさせる

 

<通訳>

足太陽膀胱の経脈は目の内角に起こり額部に上り頭頂部で督脈と交会する。足太陽経の血気が充盛であれば眉毛は美麗で長くて亳毛が発達しているが、もしも血気が衰少すれば眉毛は醜悪となる。また眉毛が風邪によって傷されて脱落することがあるが、これもその実は風邪が血気を損傷させたために、血気が眉毛を栄養することができなくなって起こったものである。そのような場合は必ず適切な薬物療法をすれば眉毛は生じるようにになる。

 

<考察>

髪が足の少陰腎経、

ひげは足の少陽胆経、

そして、今回、眉は足の太陽膀胱経と関係していますね

亳=この諸病源候論の解釈では、長くて丈夫という意味

風邪がひいたときに眉毛がぬけるかもしれないんですね(汗)なったことがないのでどんなに抜けるんだろう( ゚д゚ ;)

ここでも適切な薬物と書いてますが、詳細は書いてませんね。太陽病(陽の病がはじまる、風邪の引き始め)と仮定したら、汗がでるがでないかによって薬も変わります

汗がでない Lv4 大青竜湯

汗がでない Lv3 麻黄湯

汗がでない Lv2 葛根湯

汗がでない Lv1 越婢湯

中間        桂枝麻黄各半湯

汗がでる Lv1  桂枝二超婢一湯

汗がでる Lv2 小青竜湯

汗がでる Lv3 桂枝湯

汗がでる Lv4 香蘇散

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

JINブックス 絵でみる 和漢診療学 寺澤 捷年 著

#32 毛髪病諸候 その6 髪黄候、鬚黄候

こんばんは、鍼灸師の速水です

さて、本日は二本立て

今日は『髪黄候』、『鬚黄候』です。

髪の毛と鬚(あごひげ)が黄色になることについてです。あまり自然に黄色になるって見たことがないのでどんな感じなのかわかりませんが読んでみましょう

 

<原文>

「髪黄候」

足少陰之經血、外養於髮、血氣盛、髮則潤黑、虚竭者不能榮髮、故令髮變黄

 

「鬚黄候」

足太陽之經血、外榮於鬚、血氣盛、鬚則美而長、若虚少不足、不能榮潤於外、故令鬚黄

 

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

「髪黄候」

足少陰の経血、髪の外養う、血気盛んなれば、髪すなわち黒く潤す、虚竭(きょけつ)なる者、髪栄えることあたわず、ゆえに髪黄(色)に変しむ

 

「鬚黄候」

足少陽の経血、鬚の外栄える、血気盛んなれば、鬚すなわち美しく長い、もし虚少く足りずなれば、外栄潤することあたわず、ゆえに鬚黄(色)になる。

 

 

<通訳>

「髪黄候」

足少陰腎の経血は頭髪を栄養している。もし血気が充盛であれば頭髪は潤沢で黒いが、虚竭(きょけつ)すれば頭髪は栄養されなくなって枯れて黄色に変じる。

 

「鬚黄候」

足少陽胆の経血は外は鬚を栄養している。血気が盛んであれば鬚は美しくて長いが、もし足少陽胆の経血が不足すると外を栄養することができなくなるので、鬚は枯れて黄色に変じる。

 

 

<考察>

前回の 「#27 毛髪病諸候 その1 白髪候」 で、白くなる話はありましたが、白か黄色って血気の量によって色が異なると思いますが、どこまでなのかは記載していませんね(;゚∀゚)

 

ちなみに、黄髪を辞典で調べると

老人の髪の毛。白髪がさらに黄色味をおびた髪 by デジタル大辞泉

 

髪の色で調べると

加齢による髪の色の変化は、毛根でメラニンの生産が中止された後も、色素なしで新しい髪が伸びることで、髪の色素がゆるやかに減少していくために起こる。Bcl2とMitfの二つの遺伝子が、白髪の発生の過程に関係していると考えられている。毛嚢の基部にある幹細胞が、毛髪や肌の色素の生産と保持を行う細胞であるメラノサイトの発生を受け持っている。メラノサイトを生み出す幹細胞の死により、毛髪は白髪に変化し始める

白髪の手前が黄髪(銀髪or金髪)みたいになるのかなと思います。

この古典は中国が発祥なので、黒色から始まり黄色を経て白色になるんでしょうね

鬚も同様に考えられます

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

デジタル大辞泉

^ Nishimura EK, Granter SR, Fisher DE (2005). “Mechanisms of hair greying: Incomplete melanocyte stem cell maintenance in the niche”. Science 307 (5710): 720-4. PMID 15618488.

#31 毛髪病諸候 その5 令髪潤沢候

こんにちは。鍼灸師の速水です

さて、本日はこちら

今日は『令髪潤沢候』です

「髪が潤沢になるとは」の説明ですね、前回の「#30 毛髪病諸候 その4 令長髪候」 と内容は似ていますね

 

<原文>

足少陰之經血、外養於髮、血氣盛、髮則光潤、若虚則血不能養髮、故髮無潤澤也、則須以藥令潤澤之

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

足少陰の経血、外は髪を養う、血気盛んなれば、髪すなわち光潤、もし、虚なればすなわち血、髪を養うことあたわず、故に髪潤沢無しなり、薬をもって潤沢にせしむ

 

<通訳>

足の少陰腎経の経血は頭髪を栄養する。血気が充盛であれば経脈の精気はよく外を栄えさせるので頭髪は光沢があって滋潤されている。もし、血気が虚損していれば頭髪を栄養することができなくなり、そのために頭髪は光沢を失うようになる。そのような場合は適切な薬物でもって治療して頭髪の滋潤光沢を回復させるように努めるべきである

 

<考察>

内容は前回と一緒ですねq(q’∀`*)。

ただ、いつも疑問に思うんですが、足の少陰腎経の経脈図を見ると、髪まではいっていないんですよね∑(゚Д゚)。これはどのような説明になるんでしょうね?この問いに答えてくれる先生方、おまちしております ○| ̄|_

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#30 毛髪病諸候 その4 令長髪候

おはようございます。鍼灸師の速水です

さて、本日はこちら

今日は『令長髪候』です

「髪が長くなるとは」の説明ですね

 

<原文>

髮是足少陰之經血所榮也、血氣盛、則髮長美、若血虚少、則髮不長、須以藥治之令長

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

髪これ足少陰の経、血栄える所なり、血気栄えれば、髪すなわち長く美しい、もし血、虚少していれば、髪すなわち長くならず、薬をもちいて長くせいむよう治す

 

<通訳>

頭髪は足少陰腎経の血気が滋養している。腎経の血気が充盛であれば頭髪は長くて美しい。もしも血気が衰少すると頭髪は生じにくくなる。薬物を用いて治療して頭髪を生長させるべきである。

 

<考察>

「#27 毛髪病諸候 その1 白髪候」 でも述べましたが、腎と髪は関連がありますね。腎経の血気によって生えるか生えないか。弱くなれば薬物をって書いてますが、具体的な薬は書いていませんね。「血」「腎」を補う代表的な漢方薬は、牛車腎気丸、八味地黄丸、六味地黄丸です。

牛車腎気丸 - 牛膝 - 車前子 = 八味地黄丸

八味地黄丸 - 桂皮(ケイヒ) - 附子(ブシ) = 六味地黄丸

だったかな。漢方はさほど詳しくは分からないので漢方医に聞くのが一番ですけどね。薬の代わりではないですが、鍼灸でも腎経の血気を補うことは可能です。

 

だんだんと寒くなってくると血気が衰えやすくなるので、日ごろの養生(軽い運動など)も大事になりますヽ(´∀`)ノ

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#29 毛髪病諸候 その3 令生髭候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

札幌の今の気温は9° ∑(□`;) ついに、一桁台きました(・ω・`)

 

さて、今日は『令生髭候』です

髭はくちひげのことです。「髭が生えるとは」の説明ですね

 

<原文>

手陽明爲大腸之經、其支絡缺盆、上頸貫頰、入下齒間、髭者、是血氣之所生也、若手陽明之經血盛、則髭美而長、血氣衰少則不生

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

手の陽明大腸の経の為、その支(脈)は缺盆(けつぼん、つぼ名)を絡し、頸を上り頬を貫く、下歯の間に入る、髭なるもの、これ血気の所生じるなり、もし手の陽明の経盛んなれば、髭すなわち美しく長い、血気衰え脛くなければすねわち生えない

 

<通訳>

手陽明は大腸の経脈であり、その支脈は缺盆(けつぼん、つぼ名)に絡し、頸部に上り頬を貫いて下歯の間に入る。髭は血気を受けて生長するものであり、手陽明経脈の血気が充盛であれば髭は光沢があって美しくて長くなるが、もし血気が衰少すれば髭は生長することができなくなる。

 

<考察>

手の陽明大腸経の流注は、示指末端(商陽穴)に起こり、示指の橈側白肉際(肌目の際)を循り、第1中手骨と第2中手骨の間(合谷穴)に出て、前腕後外側を上り、肘窩横紋(肘の皺)の外端(曲池穴)に入る。上腕の外側を上行して、肩峰突起(肩の端にある盛り上がったところ)の外端の肩髃穴に至り、巨骨穴を過ぎ、大椎穴(督脈)に至って諸経と会する。大椎穴より下って鎖骨上窩(缺盆穴:足の陽明胃経)を経て肺を絡い、下って膈を貫き大腸に属する。

その支なるものは鎖骨上窩(缺盆穴)より別れて頸部(首)に上り、頬を貫いて下歯中に入り、還り出て左右に別れて口を挟み、鼻下の人中に交わり、左は右に、右は左に行き、すなわち左右交叉して、鼻孔を挟んで鼻翼両側(迎香穴)に終わる。ついで足の陽明胃経に連なる。

となっております。令生髭候のでてたのは「その支なるものは鎖骨上窩(缺盆穴)~」のところですね

 

口ひげ(髭)は手の陽明大腸経

顎ひげ(鬚)は足の少陽胆経

と場所によって経脈が栄養しているかによって生える生えないがわかれていることになりますね

 

三国志でおなじみ項羽のイメージって立派なひげがありますが、大腸も胆もすこぶる元気だったんでしょうね(σ゚∀゚)σ

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#28 毛髪病諸候 その2 鬚髮禿落候

こんばんは、鍼灸師の速水です

今日は午前中に訪問鍼灸を終わらせて久し振りに札幌へ行き、本屋さん巡りをしてました。

頭皮鍼、耳鍼に関する詳しい本を見つけたので、以前学んだことを思い返しながら読んでいこうと思います(p*’∀`*q)

さて、今日は『鬚髮禿落候』です

鬚髪(しゅはつ?)、(あご)ひげ+かみ が 禿落(はげおちる) 症状のことです

<原文>

足少陽膽之經也、其榮在鬚、足少陰腎之經也、其華在髮、衛任之脈、爲十二經之海、謂之血海、其別經上唇口、若血盛則榮於頭髮、故鬚髮美、若血氣衰弱、經脈虚竭、不能榮潤、故鬚髮禿落

養生方云、熱食汗出、勿湯風、令髮墮落、(其湯熨鍼石、別有正方、補養宣導、今附於後)

()部分は本の記載なし

養生方云、欲理髮、向王地、既櫛髮之始、而微咒曰、泥丸玄華、保精長存、左爲隱月、右爲日根、六合清煉、百神受恩、呪畢、嚥唾三過、能常行之、髮不落而生

又云、當數易櫛、櫛之取多、不得使痛、亦可令侍者櫛、取多、血液不滯、髮根常牢

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

足の少陽は胆の経なり、それは髭(あごひげ)を栄える、足の少陰は腎の経なり、その華は髪にあり、衝任の脈、十二経の海の為、之(これ)を血海と謂う(いう)、その別経は口唇の上、もし、血盛んなればすなわち頭髪は栄える、故に髭髪は美しい、もし、血気衰弱すれば、経脈虚虧(きょき)し、栄潤あたわず、故に髭髪禿げ落ちる

養生方に云(い)う、熱いもの食べ汗出て、湯風勿(なか)れ、髪堕落せしむ、

養生方に云う、理髪を欲する、王地を向き、櫛髪のはじめに、微(かすか)に咒(のろ)いを曰う、(呪文は)「泥丸玄華、保精長存、左爲隱月、右爲日根、六合清煉、百神受恩」、咒畢(おわ)んぬ、唾三過嚥む、常に之れを行えば、髪落ちず生える

又云う、當(まさ)に数度櫛く易く、櫛の多く取り、痛を得ず、亦(また)侍者櫛すべき、多く取る、血液滞らず、髪根常に牢す

 

<通訳>

足の少陽は胆の経脈であり、その精気は鬚(あごひげ)を栄えさせる。足の少陰は腎の経脈であり、その精気は髪を栄えさせる。衝脈、任脈の二脈は十二経脈の海であり、血海と称され、その別絡は口唇に絡する。したがって諸経脈の気血が充盛していれば鬚髪を滋養することができるので鬚髪は光沢があって美しい、もし、血気が衰弱すれば経脈が虚虧(きょき)して鬚髪を栄養することができなくなり禿げ落ちるようになる。

養生方に云う、熱いものを食べて汗が出ている時に風に当たるべきでない、もしそうすれば頭髪が脱け落ちるであろう。

養生方に云う、調髪する時には東方を向いて坐り、櫛けずり始めるにあたって小声で呪文を称えるべきである。その呪文は「泥丸玄華、保精長存、左爲隱月、右爲日根、六合清煉、百神受恩」と称えるとよい。呪文を称え終わったら3回唾液を飲み込む。調髪の際にいつもこれを行えば頭髪はよく生えて脱け落ちることがない。

又云う、頭髪を梳くには櫛をたくさんとり易えながら何度も梳くことによって頭部の血流は停滞することなく、毛根は常に堅牢である。

 

<考察>

どなたか書下し文を教えていただけると助かります(´д`;)、難しいですね

腎は髪に関連していることは知っていましたが、鬚(あごひげ)が胆と関連しているのは初めてでした。腎、胆、衝脈、任脈が充実していると鬚と髪が滋養できると記載してますね

関連画像

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養生として、気をつけたほうがいい事ややったほうがいいことが記載されていますね

熱いものを食べて汗かいている時、けっこう風にあたりにいってるかも(汗)

養生で呪文もあるのははじめて知りました└(゚ロ゚;)┘「泥丸玄華、保精長存、左爲隱月、右爲日根、六合清煉、百神受恩」 う~ん、どういう意味なんでしょうね

昔からブラッシングの大事さも記載していますね

 

いまとなっては当たり前のことですが、その起源になりえることが記載しているのも感動ですヽ(* ‘ー’)ノ

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

 

 

#27 毛髪病諸候 その1 白髪候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

ある患者さんの髪の毛がもともと白髪だったんですが、最近、少しずつですが黒くなりだした気がしてて、『髪の毛、色染めましたか?』って聞くと、染めていないそうで、頭に鍼をしていることもあってか、頭皮の血流が改善したのかもしれないですね( ◞・౪・)◞

そんな嬉しいこともあってか、そもそも毛髪について少し勉強してみようと思いましてこないだ購入した諸病源候論から勉強していきます

毛髪病諸候 と目次にあり13個の症状があって、その症状の理由を記載してくれます(なかには、似た症状がある場合は和訳を省略しているものもあります)

校釈 諸病源候論
毛髪病諸候 十三論

目次通りにはいかないで(笑)、気になる症状を一つ紹介します

 

今回はこちら!

『白髪候』 白髪について

<原文>

足少陰腎之経也、腎主骨髄、其華在髪。

若血気盛、則腎気強、腎気強、則骨髄充満、故発潤而黒。

若血気虚、則腎気弱、腎気弱則骨髄枯竭、故髪変白也。

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

足の少陰は腎の経なり、腎は骨髄を主り(つかさどり)、その(五)華は髪にある。

もし、血気が盛んなれば、すなわち腎気強くなり、腎気強ければ、すなわち骨髄充満し、故に潤いを発し黒くなる。

もし、血気が虚せれば、すなわち腎気弱くなり、腎気弱ければ、すなわち骨髄枯渇し、故に髪が白く変するなり。

 

<通訳>

足の少陰は腎の経脈である。腎は骨髄をつかさどり、その精華は髪を栄養する。

もしも、血気が充盛であれば腎気も強く、腎気が強盛であれば骨髄は充実し、その精華もよく頭髪を栄養するので、頭髪は潤沢で黒くなる。

もしも、血気が虚虧(きょき)すれば腎気は弱くなり、腎気が衰弱すれば骨髄は枯渇するので頭髪は栄養を失って白く変わる。

 

<考察>

冒頭にもあげましたが、血気(血のめぐりとエネルギーのめぐり)が充実することで、精をつかさどる腎が元気になり、それが髪にも栄養がいくということですね。その患者さんは足の冷えが強いので足を温めつつ(主に足の少陰腎経)、てい鍼を使って中風七穴、腎経に補法をしてきました。古典どおり腎気が充実して髪が黒くなっていったみたいですねヽ(‘∀’*)ノ

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳