#32 毛髪病諸候 その6 髪黄候、鬚黄候

こんばんは、鍼灸師の速水です

さて、本日は二本立て

今日は『髪黄候』、『鬚黄候』です。

髪の毛と鬚(あごひげ)が黄色になることについてです。あまり自然に黄色になるって見たことがないのでどんな感じなのかわかりませんが読んでみましょう

 

<原文>

「髪黄候」

足少陰之經血、外養於髮、血氣盛、髮則潤黑、虚竭者不能榮髮、故令髮變黄

 

「鬚黄候」

足太陽之經血、外榮於鬚、血氣盛、鬚則美而長、若虚少不足、不能榮潤於外、故令鬚黄

 

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

「髪黄候」

足少陰の経血、髪の外養う、血気盛んなれば、髪すなわち黒く潤す、虚竭(きょけつ)なる者、髪栄えることあたわず、ゆえに髪黄(色)に変しむ

 

「鬚黄候」

足少陽の経血、鬚の外栄える、血気盛んなれば、鬚すなわち美しく長い、もし虚少く足りずなれば、外栄潤することあたわず、ゆえに鬚黄(色)になる。

 

 

<通訳>

「髪黄候」

足少陰腎の経血は頭髪を栄養している。もし血気が充盛であれば頭髪は潤沢で黒いが、虚竭(きょけつ)すれば頭髪は栄養されなくなって枯れて黄色に変じる。

 

「鬚黄候」

足少陽胆の経血は外は鬚を栄養している。血気が盛んであれば鬚は美しくて長いが、もし足少陽胆の経血が不足すると外を栄養することができなくなるので、鬚は枯れて黄色に変じる。

 

 

<考察>

前回の 「#27 毛髪病諸候 その1 白髪候」 で、白くなる話はありましたが、白か黄色って血気の量によって色が異なると思いますが、どこまでなのかは記載していませんね(;゚∀゚)

 

ちなみに、黄髪を辞典で調べると

老人の髪の毛。白髪がさらに黄色味をおびた髪 by デジタル大辞泉

 

髪の色で調べると

加齢による髪の色の変化は、毛根でメラニンの生産が中止された後も、色素なしで新しい髪が伸びることで、髪の色素がゆるやかに減少していくために起こる。Bcl2とMitfの二つの遺伝子が、白髪の発生の過程に関係していると考えられている。毛嚢の基部にある幹細胞が、毛髪や肌の色素の生産と保持を行う細胞であるメラノサイトの発生を受け持っている。メラノサイトを生み出す幹細胞の死により、毛髪は白髪に変化し始める

白髪の手前が黄髪(銀髪or金髪)みたいになるのかなと思います。

この古典は中国が発祥なので、黒色から始まり黄色を経て白色になるんでしょうね

鬚も同様に考えられます

 

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

デジタル大辞泉

^ Nishimura EK, Granter SR, Fisher DE (2005). “Mechanisms of hair greying: Incomplete melanocyte stem cell maintenance in the niche”. Science 307 (5710): 720-4. PMID 15618488.

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