#29 毛髪病諸候 その3 令生髭候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

札幌の今の気温は9° ∑(□`;) ついに、一桁台きました(・ω・`)

 

さて、今日は『令生髭候』です

髭はくちひげのことです。「髭が生えるとは」の説明ですね

 

<原文>

手陽明爲大腸之經、其支絡缺盆、上頸貫頰、入下齒間、髭者、是血氣之所生也、若手陽明之經血盛、則髭美而長、血氣衰少則不生

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

手の陽明大腸の経の為、その支(脈)は缺盆(けつぼん、つぼ名)を絡し、頸を上り頬を貫く、下歯の間に入る、髭なるもの、これ血気の所生じるなり、もし手の陽明の経盛んなれば、髭すなわち美しく長い、血気衰え脛くなければすねわち生えない

 

<通訳>

手陽明は大腸の経脈であり、その支脈は缺盆(けつぼん、つぼ名)に絡し、頸部に上り頬を貫いて下歯の間に入る。髭は血気を受けて生長するものであり、手陽明経脈の血気が充盛であれば髭は光沢があって美しくて長くなるが、もし血気が衰少すれば髭は生長することができなくなる。

 

<考察>

手の陽明大腸経の流注は、示指末端(商陽穴)に起こり、示指の橈側白肉際(肌目の際)を循り、第1中手骨と第2中手骨の間(合谷穴)に出て、前腕後外側を上り、肘窩横紋(肘の皺)の外端(曲池穴)に入る。上腕の外側を上行して、肩峰突起(肩の端にある盛り上がったところ)の外端の肩髃穴に至り、巨骨穴を過ぎ、大椎穴(督脈)に至って諸経と会する。大椎穴より下って鎖骨上窩(缺盆穴:足の陽明胃経)を経て肺を絡い、下って膈を貫き大腸に属する。

その支なるものは鎖骨上窩(缺盆穴)より別れて頸部(首)に上り、頬を貫いて下歯中に入り、還り出て左右に別れて口を挟み、鼻下の人中に交わり、左は右に、右は左に行き、すなわち左右交叉して、鼻孔を挟んで鼻翼両側(迎香穴)に終わる。ついで足の陽明胃経に連なる。

となっております。令生髭候のでてたのは「その支なるものは鎖骨上窩(缺盆穴)~」のところですね

 

口ひげ(髭)は手の陽明大腸経

顎ひげ(鬚)は足の少陽胆経

と場所によって経脈が栄養しているかによって生える生えないがわかれていることになりますね

 

三国志でおなじみ項羽のイメージって立派なひげがありますが、大腸も胆もすこぶる元気だったんでしょうね(σ゚∀゚)σ

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

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