おはようございます。鍼灸師の速水です
本日は毛髪病諸候ラストになりますね
今日はこちら、『鬼舐頭候』です
鬼舐頭(きしとう)とは、今でいう円形脱毛症のことをさします
<原文>
人有風邪在於頭、有偏虚處、則髮禿落、肌肉枯死、或如錢大、或如指大、髮不生、亦不癢、故謂之鬼舐頭
<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>
人あり風邪頭にいる、ひとえに虚の所あり、すなわち髪禿げ落ちる、肌肉枯れて死に、或いは銭の大きさごとく、或いは指の大きさごとく、髪生えず、痒みはなし、故に鬼舐頭(きしとう)という
<通訳>
風邪が頭部にあり、たまたま頭部に気血が虚している部分があると、その部分の頭髪が禿げ落ちて筋肉が枯死するようになる。あるいは銅銭大に、あるいは指頭大に頭髪が生えず、髪もまたないものを鬼舐頭と称する
<考察>
「銅銭大に、あるいは指頭大に頭髪が生えず、髪もまたない」←この表現が円形脱毛症のことを指していますね
円形脱毛症を調べるといろんな種類があるそうですね
単発型
通常の円形脱毛症
多発型
円形脱毛症が2か所以上
多発融合型
びまん型…頭髪全体で平均的に多数の毛が抜ける症状
蛇行性 …蛇のように細長く脱毛する症状
全頭型
多発型から症例が進んだもので、脱毛部分同士がいくつも重なり合って髪の毛のみ全て抜け落ちる。近年、女性で急激に全頭性に脱毛し、頭部にかゆみが伴う
汎発型
ひげ・すね毛・陰毛など、身体のあらゆる体毛が抜けおちる症状。単発型からみるとかけ離れた症状であるが、いくつもの脱毛部分が重なって全身に及んでいることから紛れもない円形脱毛症である。治療の予後が悪いのもこのタイプ
原因としては、体の防御機能であるCD8陽性Tリンパ球が毛根部分の自己抗原(おそらくメラニン関連の蛋白)に誤って攻撃してしまういわゆる自己免疫反応によって引き起こされる自己免疫疾患
あと、アレルギーとの関連もあるそうですが、まだ私にはそういう症例の患者さんを診ていないのでなんとも言えないです( ´Д` )
さて、毛髪病諸候はこれにて終了になります。
んで、次回からは目病諸候をやってみたいと思います。患者さんの目をみると充血していていたり、白内障を患っている患者さんもいらっしゃるので目に関する病気を整理してみようと思いまして着手してみます
もし、他の病できになることがあれば随時コメントお願いいたします(p゚∀゚q)
「参考文献」
東洋医学概論 公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著
講釈 諸病源候論 巣 元方 著 牟田 光一郎 訳
円形脱毛症.com https://www.enkei-datsumou.com/