#82 目病諸候 その29 睢目候

こんにちは、はりきゅう速水です。

しばらくブログ更新してなかったので隙間でかいてみようと思います。(いつまで続くはなんともいえませんが(笑))

今回は目病諸候の続き、 『睢目候(きもくのこう)』です。

<原文>

目是府藏血氣之精華、肝之外候、然則五藏六府之血氣、皆上榮目也、若血氣虚、則膚腠開而受風、風客於瞼膚之間、所以其皮緩縱、垂覆於目、則不能開、世呼爲睢目、亦名侵風、

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目はこれ腑臓血気の精華、肝の外候なり、然るときはすなわち五臓六腑の血気、皆上に目を栄すなり、もし血気虚するときは、すなわち膚腠開けて風を受く、風瞼膚の間に客する、所以(ゆえん)にその皮緩縦(ぶらぶら)し、垂れて目に覆うときは、すなわち開けることあたわず、世呼びて 「睢目 (きもく)」と為し、また「侵風」となづく

<通訳>

目は臓腑の気血の精華であり、肝の外候であり、五臓六腑の血気はすべて上行して目を栄養する。もし、その血気が虚すれば膚腠は開いて風邪を受けやすくなり、風邪が眼瞼の皮膚の間に逗留すれば、眼瞼の皮膚は弛緩して下垂して目を覆うようになり、眼を開けることができなくなる。これを世間では「睢目 (きもく)」と称し、「侵風」とも呼んでいる。

<考察>

睢目 (きもく)というのは、眼瞼下垂でして、 「睢」とは仰視するさま。

この病気には、先天性と後天性のがありまして、

先天性のものは上眼瞼を引き上げる筋肉の発育不全によるものが多く、両眼に発生する。

後天性のものは多くは脾気が虚弱で血脈の不和(末梢循環不全)があり、或いは風邪が眼瞼に客って筋肉が弛緩するもので、単側に起こることが多い。

「重症筋無力症」に伴う眼瞼下垂はしばしばみられるものであるとこの本には記載されております。



「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳



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