#51 目病諸候 その12 目暗不明候

こんにちは、鍼灸師の速水です

最近、風邪が流行しはじめたので皆さま気をつけてくださいませ( ´д`ll)

さて、今日は『目暗不明候』です

目が暗く明るくならずとは?です。今回は養生方も記載されていますヽ(´∀`)ノ

 

 

<原文>

夫目者、五藏六府陰陽精氣、皆上注於目、若爲血氣充實、則視瞻分明、血氣虚竭、則風邪所侵、令目暗不明、

1養生方云、恣樂傷魂魄、通於目、損于肝、則目暗、其湯熨鍼石、別有正方、補養宣導、今附于後、

2養生方導引法云、蹲踞、以兩手舉足五指頭自極、則五藏氣遍、主治耳不聞人語聲、目不明、久爲之、則令髮白復黑、

3又云、(仰?)兩足指、五息止、引腰背痺、偏枯、令人耳聞聲、久行、眼耳諸根、無有罣礙、

4又云、伸左脛、屈右膝内壓之、五息止、引肺、去風虚、令人目明、依經爲之、引肺中氣、去風虚病、令人目明、夜中見色、與晝無異、

5又云、雞鳴以兩手相摩熱、以熨目、三行、以指抑目、左右有神光、令目明、不病痛、

6又云、東向坐、不息再通、以兩手中指口唾之二七、相摩拭目、令人目明、以甘泉漱之、洗目、去其翳垢、令目清明、上以内氣洗身中、令内睛潔、此以外洗、去其塵鄣、

7又云、臥、引爲三、以手爪項邊脈五通、令人目明、臥正偃、頭下、却亢引三通、以兩手指爪項邊大脈爲五通、除目暗患、久行、令人眼夜能見色、爲久不已、通見十方、無有劑限

 

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

それ目の者、五臓六腑陰陽の精気みな目に注ぐ、もし血気充実であれば、すなわち視瞻(しせん、みること)分明(ぶんめい、はっきり見極めがつくさま)す、血気虚竭(きょけつ)すれば、すなわち風邪所を侵し(おかし)、目暗く明らかにならず

1養生法に云う、楽恣(ほしいまま)すれば魂魄傷つく、目を通じ、肝を損なえば、すなわち目暗くなる、その湯熨鍼石、べつに正方あり、養宣導を補う、今後につける

2養生方導引法に云う、蹲踞(そんきょ)し、両手でもって足の五指頭を自ら極めんと挙げる、すなわち五臓気が遍す(へんす、くまなくいきわたる)、主に耳人語聞こえずや聾、目明らかならずが治す、ひさしくこれをすれば、すわわち髪の白、黒に復す

3又云う、両足の指反らして、五つ(回)息止め、導引すれば背の痺れ、偏枯(へんこ、片麻痺)(もよくなり)、人耳聞こえる。久しく行えば、目耳諸根、罣礙(けいげ、引っかかること)なし

4又云う、左脚伸ばし、右膝を屈しこれを壓え(おさえ)、五つ(回)息止め、導引すれば肺、風虚去る、人目明らかとなり、経によってこれをなす、肺の中の気を引き、風虚病を去る、人目明らかとなり、夜中色見れる、そして昼異なる無し

5又云う、雞鳴きて、両手で持って相摩り熱くし、もって目を熨える(おさえる)、三度行い、指で以て目を抑え、左右の神光有れば、目明らかとなり、病痛まず

6又云う、東向きて坐り、再び息通ぜず、両手の中指に口つけ唾を14回、相擦り目を拭う、目明らかになり、甘泉これをすすぎ、目を洗い、その翳垢(えいく)をさる、目清く明らかになり、上をもって内気にて身中洗い、内睛潔よくす、これを以て外を洗い、その塵を鄣ぎ(ふさぎ)去る

7又云う、臥(が)して、引くこと三、手の爪でもって項部脈五度もてば、目明らかとなり、臥(が)してまさに偃(ふ)す、頭下げ、却(かえ)って亢げて引くこと三度、両手の爪でもって項部脈五度もてば、目暗く患いを除く、久しく行えば、目夜色見ること能える、更に久しく行えば、十方見ること通じ、劑限なくあり

 

 

<通訳>

五臓六腑の陰陽の精気は皆目に注がれている。もし血気が充実していれば視力も明瞭であるが、血気が虚弱であると風邪に侵されやすくなり、視力は弱ってはっきりとものを視ることができなくなる

1養生方に云う、歓楽を放縦にすれば魂魄を傷める。肝は魂をやどしていて目に竅を通じているので、損傷が肝に及べば目がかすんで見えにくくなる。

2養生方導引法に云う、蹲踞(そんきょ、膝を曲げて座り)、両手で両足の指を握って引っ張り上げるようにし、頭をできるだけ低く下げるようにすれば、五臓の気はよく頭に達するようになる。したがって耳がよく聞こえ、目がよく見えるようになる。これを日常に行えば白髪も黒くなっていく

3又云う、両側の足指を反らして五回息を止めて導引すれば、腰背の痺症や半身不随がよくなり、さらに耳の聴力がよくなる。これを日ごろに行えば目や耳の感覚器が外部からの影響で損傷されるのを防ぐことができる

4訳なし(又云う、左脚を伸ばし、右膝を曲げておさえ、五回息を止め、導引すれば肺の風虚が治る、目が鮮明となり、肺の気を導引すること風虚病を治す、目が鮮明となり、夜中でも昼と変わりなくみれる)

5又云う、早朝、鶏鳴時に起き、両手掌をこすり合わせてあつくし、その熱くした掌で三回目をあたためる。その後で指で目を抑える。もし、両目に神光が感じられたら、目は良く見えるようになり、目の疼痛も起こらなくなる

6又云う、東を向いて坐り、二度息を止め、両手の中指に14回唾をつけ、その両手の中指をこすり合わせ、その中指で目を拭く、この方法によって目がよく見えるようになる。唾液でもって口を漱ぎ、目を洗って目の脂垢を取り除けば目は清明になる。上半身へ気を導引して気でもって身を洗い、気を目の中へ導引して眼睛を清潔にし、さらに唾液でもって外から目を洗ってその塵(ちり)を去るようにするとよい

7又云う、仰臥して三度、気を導引し、頸項部の筋脈を五回、手でつまむ。これによって目がよくみえるようになる。仰臥して体をまっすぐ伸ばしたまま、頭を下げたりあげたりを力を入れて三回行い、頸部の大きな筋脈を手で五回つまむ。これによって目がかすんでよく見えない病を除くことができる。日常これを続ければ夜もものの形や色がよく見えるようになる。さらにいつまでも続けるならば、ずっと遠くまで見え、視力に極限がないようになる。

 

 

<考察>

最近、かすみ目が多いので、導引法やってみようかな(´Д`ι)。導引法の中にはちょっとやるのにかなり抵抗のある内容(唾で目を洗う)があるので出来そうなことをやってみようと思います

養生方に関しては数が多いので、漢文の前に数字をふりました。そして、4番目の養生方は訳が記載されていなかったのでニュアンスを書いてみました

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

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