#35 毛髪病諸候 その9 令毛髪不生候

夜分どうも、鍼灸師の速水です

なかなか寝れないのでブログを書いてみました

今日はこちら、『令毛髪不生候』です

 

<原文>

足少陰之血氣、其華在髮、足太陽之血氣盛、則眉美、足少陽之血氣盛、則鬚美、足陽明之血盛、則髮美、手陽明之血氣盛、則髭美、諸經血氣盛、則眉髭鬚髮美澤、若虚少枯竭、則變黄、白悴禿、若風邪乘其經絡、血氣攻變、則異毛惡髮妄生也、則須以藥傅、令不生也

 

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

足少陰の血気、その(五)華は髪にあり、足太陽の血気盛んなれば、すなわち眉美しい、足少陽の血気盛んなれば、すなわち鬚美しい、足陽明の血盛んなれば、すなわち髪美しい、手陽明の血気盛んなれば、すなわち髭美しい、これ経血気盛んなれば、すなわち眉髭鬚髪美しくうるおう、もし虚少枯渇すれば、すなわち黄色に変(化)する、白くやつれ禿る、もし風邪がその経絡に乗ずれば、血気攻めに変(化)し、すなわち毛異なり髪悪しみだりに生えるなり、すなわち薬をもってつたえる、生えずなり

 

<通訳>

まさかの省略∑(゚Д゚ )。微妙ですが、書下し文でなんとなくイメージできたらなぁと思います

 

<考察>

今まで述べた髪、鬚、髭、眉の総まとめで記載してますね。

今までのを整理すると

髪        → 足の少陰腎経

鬚(あごひげ) → 足の少陽胆経

髭(くちひげ) → 手の陽明大腸経

眉        → 足の太陽膀胱経

 

ただ気になるのがありまして

足陽明之血盛、則髮美

足の陽明とは「足の陽明胃経」のことを指し、足の陽明胃経が血(気)盛んであれべ、髪美しいと記載されています

 

前回   髪 → 足の少陰腎経

今回   髪 → 足の陽明胃経

 

むむむ└(゚ロ゚;)┘ な、なぜ異なるのでしょうね?

 

考えられるものとしては(あくまで推測ですけど)

(1) 誤字

→ 諸病源候論にて、「足陽明之血盛」と検索しても「令毛髪不生候」のみヒット、「足陽明之」で検索しても髪に該当する箇所なし

 

(2) 髪ではなく額の生え際では?

→ 足の陽明胃経の経絡が以下の通りです

鼻根に起こり下って鼻の外(承泣穴、四白穴、巨髎穴)を循り、上歯の中に入り、還り出て唇を循り、下って承漿穴で左右が交わる。ついで下顎下縁を循り大迎穴から頬車穴を循り、耳前に上り客主人穴を過ぎ、側頭髪際を循り額顱に至るその支なるものは、大迎穴の前より人迎穴に下り、喉嚨を循り缺盆穴に入り、膈を下って胃に属し脾を絡う。その直行するものは、缺盆穴より乳の内廉に下り、下って臍を挾み気衝穴に入る。気衝穴から大腿前外側を下り、膝関節を循り、下腿前外側を下り、足の第2指外端に終わる。その支なるものは、胃口の下に起こり、腹中を循り下って気衝穴に合す。その支なるものは三里穴の下方から分れ、下腿外側(胃経と胆経の間)を下り豊隆穴を経て足の第3指に行く。その支なるものは、衝陽穴から別れて第1指に至り、足の太陰脾経に連なる。

側頭髪際を循り額顱に至る これの事なのかなと

 

え~と、私一人ではなんとも言えないので(笑)、有識者の知識をお借りしたいです(^-^)

古典は色々と考えさせてくれるので、迷うこともありますが考えるきっかけになるので勉強になります( ´ー`)ノ

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

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