#20 お腹の調子悪くなっていませんか?(軟便、下痢)

おはようございます。鍼灸師の速水です。

北海道はようやく涼しくなり22°〜25°くらいに落ち着いてきました。

しかし、それまではかなり暑く( –  _   – ;  ) ついつい水をガブガブ飲んではお腹がゆるくなり、軟便または下痢の症状が出ていました。

今日は「軟便」「下痢」についての解説をします

 

⑴ 意味

「軟便」・・・ 通常の便より少し水文が多く軟らかい便

「下痢」・・・ 軟便、水様便(軟便より水分が多い便)が繰り返され、腹部不快感や腹痛を伴う状態

 

 

⑵ メカニズム

正常な腸では「蠕動(ぜんどう)運動」という腸の内容物を肛門側に送ります。内容物が腸を通過する際に、内容物に含まれる水分が体内に吸収され適度な水分を含む便になります。

この時、なんらかの原因でこの「蠕動運動」が異常に活発になった時や水分量の調節機能に障害が起きた時に便中の水分が増加して「軟便」、「下痢」になります。

 

 

⑶ 東洋医学では

「軟便」、「下痢」の症状の原因としては以下になります

a. 気虚(脾胃虚弱) ・・・  消化や吸収の力が弱く、食べた物を上手にこなして身体に必要なエネルギーを作ったり蓄えたりすることができない。細身で顔色が悪く、体力がなく、疲れやすい、気力がわかないなどの悩みを持っている方が多いです。症状に対する経穴(代表的なもの)中脘、足三里、胃兪、内関

 

b.陽虚(腎陽虚) ・・・ 腎陽は各臓腑の陽気の元であり、あっためる機能(温煦)があるが、それが虚弱体質、飲食失調、慢性病、過労により腎陽虚となる。寒さに弱く、四肢、腰、腹部の冷え、水の代謝が悪くなり「軟便」、「下痢」になる。症状に対する経穴(代表的なもの)神闕、天枢、大腸兪、上巨虚、三陰交

 

c.気滞、肝陽(肝鬱) ・・・ 怒り・悩みなどの感情が度を超すと、肝臓の伸びやかさが失われ、「軟便」、「下痢」になります。怒り・悩みといった感情のみに偏ってしまうと、土である脾臓が不健康になってしまい、下痢が起こります。腹痛の後に下痢がおきます。症状に対する経穴(代表的なもの)神闕、天枢、大腸兪、上巨虚、三陰交

 

d.痰飲、湿(寒湿、湿熱) ・・・ 寒湿とは寒邪+湿邪のことです。湿熱とは湿邪+邪熱のことです。湿邪とは湿度の高い時期に、余分な水分や老廃物が溜まることで引き起こされる心身の不調のことです。

寒湿の場合は、やや生臭い匂いがありますが湿熱下痢ほど強烈な匂いではありません。サラッとした下痢がでます。腹部冷痛。症状に対する経穴(代表的なもの)神闕、天枢、大腸兪、上巨虚、三陰交、外関、列欠

湿熱の場合は、下痢はドロドロしていて臭い匂いを放ちます。肛門の灼熱感、腹痛してすぐ下痢します。また激しい下痢になります。熱の特徴として活動的・急激性があります。症状に対する経穴(代表的なもの)神闕、天枢、大腸兪、上巨虚、三陰交、後渓、霊台、陰陵泉、公孫

 

e.食滞、傷食 ・・・ ものすごく食べ過ぎたり、腐ったものを食べて、消化できなくなった状態です。こうなると、脾臓の許容量をはるかに超えた飲食物が入ったことになります。私はよく暴食してお腹の調子を悪くすることがあります(汗)未消化なので、下痢は腐臭がし、未消化の食物が混入します、ゲップも腐臭あるいは酸っぱい匂いがします。腹が張ったり、鳴ることもあります。症状に対する経穴(代表的なもの)神闕、天枢、脾兪、胃兪、大腸兪、上巨虚、三陰交、中脘、内関、公孫

 

 

場合によっては、ウィルスや細菌によって急性下痢を発症することもあります。腹痛や発熱、吐き気、嘔吐を伴う場合は、食中毒による感染性下痢が疑われますので、その場合はすぐに病院へ

 

 

お腹は内臓が集まるところなので、調子が狂うと体全体がうまく動かなくなるので、軽視せず調子を整えていきましょう!!!

 

 

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

携帯用 経絡経穴概論 『東臨』の要点と総括 第4版 編 岡田隆

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