#191 「やろう」と思う気持ちは、どこから生まれる?|東洋医学から考えてみる

こんばんは、はりきゅう速水です。

「今年は○○をやってみよう」
「もっと運動してみよう」
「これを勉強してみよう」

そんなふうに、「やってみたい」と思うことはありませんか?

目標を立てることは、行動のきっかけになります。でも、目標を立てたことで少し満足してしまい、なかなか実行に移せないこともありますよね。

では、

「やろう」と思う気持ちは、どこから生まれるのでしょうか?今回は、東洋医学の「五神(ごしん)」という考え方から、少し考えてみたいと思います。

●「やろう」と思ってから、実際に動くまで

東洋医学では、精神活動を「神・魂・魄・意・志」という五つの働きから捉える考え方があります。

今回はこの五神を、「何かをやってみたい」と思ってから、実際に行動するまでという流れに当てはめて考えてみます。

腎の「志」

「こうなりたい」
「こうしたい」

という思い。これは腎に宿る「志」と関係していると考えられます。

たとえば、

「健康のために運動したい」
「今年は資格の勉強をしてみたい」
「趣味をもう一度始めてみたい」など。

まず「こうしたい」という思いが生まれることが、最初の一歩になります。

肝の「魂」

「こうしたい」と思ったら、次は、

「じゃあ、どうしてみよう?」と考えます。

「毎朝10分歩いてみよう」
「まずは参考書を買ってみよう」
「昔やっていた趣味を、もう一度やってみよう」など、

目標に向かう方向を考えていく。ここには、肝に宿る「魂」の働きを重ねて考えることができます。

心の「神」

方向性が決まったら、

「よし、やってみよう」と気持ちを向ける。

心に宿る「神」は、精神活動を統括するものと考えられています。「やってみよう」と意識を向けることも、行動へ進むための大切な部分なのかもしれません。

脾の「意」

「具体的には、何をすればいいだろう?」と考えます。

「朝起きたら10分歩こう」
「今日は参考書を1ページ読んでみよう」

というように、思い描いていることを具体的な行動へ落とし込んでいく。ここでは、脾に宿る「意」の働きを考えることができます。

肺の「魄」

そして最後は、

実際に身体を動かすこと。

立ち上がって歩く。

机に向かって勉強する。

道具を手に取って、やってみる。

頭の中で考えているだけではなく、実際の身体の動きにつなげていくところには、肺に宿る「魄」の働きも関係していると考えることができます。

●人によって、止まりやすいところが違う

こうして並べてみると、

腎・志
「こうなりたい」「こうしたい」

     ↓

肝・魂
「じゃあ、こうしてみよう」

     ↓

心・神
「よし、やってみよう」

     ↓

脾・意
「具体的には、こうしよう」

     ↓

肺・魄
「実際に身体を動かす」

という流れになります。

もちろん、人の心や身体が実際にこの順番で動くわけではありません。これは、五神の働きを「行動」というテーマから考えてみるための、一つの見方です。

そして、ここから考えてみると面白いことがあります。人によって、途中でつまずきやすいところが違うのではないでしょうか。

たとえば、

「こうしたいなぁ」と思っているけれど、どうすればいいのか分からない。

そんなときは、志はあるけれど、その先の方向を決めるところで止まっている

と考えてみることができます。

「こうしたい」
   ↓
「こうしてみよう」

ここまでは決まった。

でも、

「よし、やってみよう!」

となかなか気持ちが向かないこともあります。そんなときは、志から魂へは進んだけれど、その先で立ち止まっているのかもしれません。

また、

「やってみよう」とは思っている。

でも、

「何から始めればいいんだろう?」
「もっと準備してからのほうがいいかな?」

と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうこともあります。これは、具体的な行動に落とし込むところで立ち止まっている、と考えることもできます。

そして、

「何をすればいいかも分かっている」
「やろうという気持ちもある」

それでも、なかなか身体が動かない。

そんなこともあります。このように考えると、

「やる気がある・ない」だけではなく、
「自分はどこで止まりやすいんだろう?」

と、自分自身を少し違った角度から見ることができます。

●大きな目標より、小さな一歩

目標を立てることは、とても大切です。

「こうなりたい」
「こうしてみたい」

という思いがあるからこそ、次の行動につながっていきます。でも、大きな目標を立てたままでは、なかなか動き出せないこともあります。

そんなときは、

「今日できることは何だろう?」

と、少しだけ小さくしてみる。

「毎日運動する」ではなく、「今日は5分だけ歩いてみる」

「資格を取る」ではなく、「今日は参考書を1ページだけ読んでみる」

それくらいでもいいのかもしれません。

「こうなりたい」という思いを、今日できる小さな行動に変えてみる。その積み重ねが、いつか大きな変化につながっていくのではないでしょうか。

●「やってみよう」と思うのは、どんなとき?

今回は、「やろう」と思う気持ち(やる気)を、東洋医学の五神から考えてみました。

志「こうなりたい」

  ↓

魂「こうしてみよう」

  ↓

神「よし、やってみよう」

  ↓

意「具体的には、こうしよう」

  ↓

魄「実際に身体を動かす」

もちろん、これは五神の働きを分かりやすく考えるための一つの見方です。

でも、もし今、「やってみたいけれど、なかなか始められない」

ということがあるなら、自分はどこで止まりやすいんだろう?

と考えてみるのも面白いかもしれません。

 ・「こうしたい」という思いがまだ見つからないのか。

 ・方向性が決まらないのか。

 ・「よし、やろう」という気持ちになれないのか。

 ・具体的な方法が分からないのか。

 ・分かっているけれど身体が動かないのか。

人によって、きっと違います。そして、もし止まっているところが見つかったら、

「そこから一歩進むために、今日できることは何だろう?」と考えてみてはいかがでしょうか?

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

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