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#80 はりきゅう速水の新型コロナ対策と疫癘病諸候の整理

鍼灸師の速水です。

新型コロナにより、全世界が停滞してしまいましたね。 新型コロナにより亡くなられた方と周辺の方々、今まさに闘病中の方には、心よりお見舞い申し上げます。

そして、感染された方などに対する不当な扱いや嫌がらせ、差別、偏見につながることがないよう皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

報道の自由があるにせよ、不安をあおるようなことはしてほしくないですし、過度な心配をしているとほかの病気にかかることもありますので、『心身』をいかにフラットにできるかが大事なことです。そうだけでなく身体もです!!

いくら北海道で非常事態宣言が発令され自宅にいて、運動不足やテレビやゲームのし過ぎで寝不足だと身体も不調になります(・ω・`)

もちろん、それは私も気をつけないといけません。施術をお休みなる方もいる一方、自宅にいることで体の不調で問い合わせは増えております。そして、「感染対策はどういう風に対応してるの?」とも聞かれますのでこちらでも記載します。(いつも実施していることですが、念入りに行ってます)

① 毎日検温  (体温は37.5以上あるかどうか)

② マスク着用

③ 患者さんの体調(風邪症状があるか?、体温が37.5以上か?)を聞きます

④ 患者さん宅に到着後、③で施術可能であれば手洗い、うがい、手指消毒を行います

⑤ 施術後も手洗い

これからも状況にあわせて臨機応変にしていきますので、よろしくお願いいたします

さて、 伝染性・流行性を持つ外邪 のことを『疫癘(えきれい)』と言いまして、新型コロナも該当するかはまだわかりませんが、今まで有志の際に『疫癘』がいろいろな医学書に記載されてきました。今回は諸病源候論に記載されている疫癘について整理します。

諸病源候論 の巻10-疫癘病候

疫癘病候(抜粋)

<原文>

其病與時氣、温熱等病相類、皆由一歳之内、節氣不和、寒暑乖候、或有暴風疾雨、霧露不散、則民多疾疫、病無長少、率皆相似、如有鬼厲之氣、故云疫癘病

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

その病、時氣、温熱等の病と相類す、皆一歳の内、節氣和せず、寒暑候に乖(そむ)くにいいて、あるいは暴風疾雨、霧露ありて散ずるは、すなわち民に疾疫病多く、長少して無く、率いて皆相似、鬼厲(きれい、原因不明の悪しき鬼による疫病)の氣あるかごとし、ゆえに疫癘(えきれい)病という

<通訳>

疫癘病は時気、温病、熱病などと類似していて、すべて一年の内で季節の気候が異常となり、寒熱がその季節に反し、あるいは暴風疾雨が起こり、あるいは霧露が多くて曇天が去らないで、そのようなことから人々の間に疫癘が流行するようになる。疫癘は老人・小児を問わずに感染して発病し、その病状はほとんど皆同様であり、あたかも 鬼厲(きれい、原因不明の悪しき鬼による疫病)の 気のごときものであるので疫癘病と称する

<補足>

疫癘を分解して調べてみました

疫 … 急性伝染性疾患の総称

癘 … 病邪が強烈で病勢がきびしいもの、たとえば温病のようなもの

ちなみに、諸病源候論では、疫癘は狭義の解説は上記の通りですが、疫癘と一口いっても広義の疫癘もあります。

広義の疫癘 = 瘴気(山あいの湿熱がこもっていて、かもし出す一種の疫癘の気で、人がこれを感受すると病を発する。) or 疫癘疱瘡候(疫癘による天然痘みたいなもの)

新型コロナが上記の<通訳>かどうかは定かではありませんが、東洋医学ではどの病でも自分の「免疫力」を高めて治癒できるかです

鍼灸も免疫力をあげるひとつの手段、そして、普段の生活でももちろんあげることはできます。 適切な飲食、十分な睡眠、精神的ストレスを遠ざけること、適度な運動

・適切な飲食

・ 睡眠(長時間寝ても寝足りないと感じるのはいい睡眠とはいえません)

・ 精神的ストレスを発散や深く考えない練習

・ 情報に振り回されず冷静に

・ 適度な運動 (おすすめはプランク)

これは養生法です。普段の生活でできることなんですが意外と雑に扱われていることが多いんです(- _ – ;)こういう状況だからこそ、基礎の見直し、自分の体調って?とか考える、知るのもいいと思います




#79 目病諸候 その28 目眵䁾候

こんにちは、そして、お久しぶりです。鍼灸師の速水です。

新型コロナの影響でなかなか大変ですね(;゚д゚) しかし、めげても仕方ないし、体調について自分と向き合う機会と思って過ごしてみてはいかがでしょうか

さて、久しぶりに以前の続きで諸病源候論の目について勉強してみようと思います。そして、別のブログで新型コロナについて諸病源候論で整理できないか試みてみます

まずは、『目眵䁾候(め、しべつのこう)』です。 眵䁾 (しべつ)これだけだと何のことやら(苦笑)

<原文>

目是藏府之精華肝之外候、夫目上液之道、府藏有熱、氣熏於肝、衝發於目眥瞼、使液道熱澀、滯結成眵䁾也

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目は是れ藏府の精華肝の外候なり、それ目は上液の道、府藏に熱あれば、氣肝に熏し(いぶし)、發して目眥瞼に衝く、液道を熱して澀せし、滯して眵䁾(いじゅう)と結成するなり

<通訳>

五臓六腑の精華は皆目に注ぎ、目は肝の外候である。目は涙液の通路であり、臓腑に熱があると熱気が肝気を燻し、その熱気が目に上衝し、目の涙道が熱によって乾渋し、眼瞼の部に結滞して 眵䁾(いじゅう) を形成する

<考察>

<通訳>から 眵䁾(いじゅう) を考えると、 眵䁾(いじゅう) = ”目ヤニ”になります。 「眵」は目から分泌される黄色の粘液、 「䁾」は眼脂がたまって固まったものを指します。

目やにというのは、目の表面に病原菌や異物が付着すると、それらを排除しようとする免疫機能の働きによって、涙や目やにの量が増えることがあります。 目やにが出る病気としては、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎などあります 。

細菌による感染が原因の場合・・・・・・・黄緑色でドロっとした膿状の目やにが出ます

花粉症などのアレルギーが原因の場合・・・涙のようにサラサラした水状の目やにが出ます

ウイルスによる感染が原因の場合・・・・・白くネバネバと糸を引いたような目やにが出ます


「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/selfcheck/eye_mucus/

#78 北海道の緊急事態宣言により、本日と明日はお休みします

おはようございます。鍼灸師の速水です。

いまや、全国区で大変になってきましたね∑(゚д゚;)

新型コロナウィルス(COVID-19)により、北海道は緊急事態宣言により外出を控えるようにとなったため、本日と明日はお休みします。

新型コロナウィルス(COVID-19)

潜伏期間は1~14日で平均5.8日。発症早期は発熱・鼻汁・咽頭痛・咳嗽といった非特異的な上気道炎の症状のため診断が難しいそうです。発症早期から、または上気道炎症状に続いて肺炎を合併することがある。肺炎を合併する事例では、両側性の胸膜下の浸潤影・すりガラス影が特徴的(https://www.kansensho.or.jp/ref/d77.html より COVID-19は両方の肺炎になるって(なりやすいのか?)ところがいつもの肺炎と違うところです

外出は控えて健康維持のためにお灸はいかがでしょうか?マスクは売り切れてますが、ドラッグストアにはお灸はまだ売ってます∑d(゚∀゚d)

お灸のすごいところは、COVID-19が蔓延する前から世界に注目されておりまして、それがアフリカです。アフリカでは結核がいまだに蔓延しておりまして、2008年にチャリティ団体がモクサアフリカを発足し、「結核治療におけるお灸の有効性」を軸に活動しています。(https://www.moxafrica-japan.com/about より)

かつて有効な薬もなかった日本(1900年代)で、結核治療としてのお灸が数多の日本人の命を救ったこともあります(その時、お灸を広めた先生が原志免太郎先生です)

結核とCOVID-19って違うじゃん(細菌とウィルス)って思いますが、東洋医学では、証としてはさほど変わらないのでお灸でも効果があると思います。

お灸により免疫機能、代謝機能などを高め、病気になりにくい身体を作ることが知られています。(なぜ、そうなるのかは立証されていませんが、2000年ほどの歴史がありますからエビデンスはないけど実証はされています)

私は自宅で、透熱灸(とうねつきゅう)

透熱灸セット
足三里
奥さんの足三里にもぐさをおき、火のつけ方と緩和法を教えて実施

気を病むと、体にも影響が出ますので、焦らず自分の体に向き合って休日を過ごしてみてはいかがでしょうか?

#77 久しぶりのブログとお知らせ

お久しぶりです。鍼灸師の速水です。

ブログ更新がかなり遅れてすみません。ありがたいことに仕事が忙しくなかなか書く気力と時間がないもので・・・(;゚∀゚)

気が付けば、2月(笑)北海道も雪が本格的に降ってきて、北海道らしい感じになりましたねヽ(´ー`)ノ

たとえば

  • ホワイトアウト
  • ブラックアイスバーン
  • 車線がわからず3車線→2車線になったり、1車線分の幅になったりします
  • 冬季期間中通行止め(雪山になってたり)がざら(都心部は違いますけどね)
  • 朝の樹氷がきれい
  • 雪だるまが個性的
  • 雪かきで左右の肩のバランスがかわる
  • 冬季のぎっくり腰(なりかけのも含む)が増える

観光で北海道にて車運転される方は1~4番まで気を付けてください。仕事柄最後二つはこの症状が多く施術依頼がきてます(´Д`ι)

ケアは大事です

さて、お知らせです

明日、2/8(土)はおやすみします。あと、日曜日は基本定休日ですが、急患に限り承りますのでご要望のかたはご連絡くださいませ。

はな(犬)とぱしゃり

#76 第12回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です

今年最後のお灸教室が昨日終わりました( ´艸`)

テーマは「総集編」

総集編のはじまりで~す

今までのテーマについて、気を付けるポイントや関連するつぼの紹介。ボリュームハンパないですよ(笑)

  • 肩こり
  • 腰痛
  • 膝痛
  • 冷え症
  • むくみ
  • 眼精疲労
  • 便秘・下痢
  • アンチエイジング
  • ストレス
  • 食欲不振
  • おまけ(食養生、日本人にあった食事とは?)

よく一時間ちょいで終わったなとびっくり。細かいところは以前にやってますし、足りないところは質問してもらったのでばっちり( ノ゚∀゚)ノ

お灸撮ろうとするとぴんぼけ(笑)
これから北海道は冷えますからね、その時は左陽池
食養生のはなし
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits1996/6/10/6_10_37/_pdf

お灸から自分の健康について、考える→知る→行動する こういう輪ができるとおのずと病院いらずになっていくと思います。もちろん、病院が不必要という訳でなく病気になった時には必要になります。ただ、日本は特にですが病院にいく比率がどの国よりも高いです。たしかに病気、けがのスペシャリストですけど、いま、不足しているのも確かです。一人一人、健康(病気と未病)について考えていくとよりよい日々が過ごせますよという事をお灸教室で話せる場があって私は幸せでした(´ー`) 

そして、お灸教室に参加してくれた方々からも学ぶことも沢山あります。この一年、地元でお灸教室が開けたことがとてもありがたいです。協力してくれた皆さま、心からありがとうございます。

北海道はこれから長~い冬になります。さすがに冬季はお灸教室をひらくのは大変なので次回は雪解け(4月頃)にやりたいと思います

それまで、雪かき、訪問鍼灸、そして、勉強 たくさんしてパワーアップします!

#75 第11回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です

つい先ほどお灸教室が終わりましたが、今回は濃厚な1時間でした∑d(゚∀゚d)

しかも、嬉しいような恥ずかしい気もするんですが、今回は私のおふくろまで参加(笑)おふくろは現在歩行器を使用してたんですが、体調が前向きになってきたのと、今回のテーマが気になっていたみたいので招待しましたヽ(´∀`)ノ

今回は、『高血圧、低血圧

  • 血圧って何?
  • 基準値と推移していることについて
  • 高血圧と死亡率の話
  • 降圧剤の話(売上、薬の説明書の限界)
  • つぼの紹介と実践
  • おまけの話(統計した血圧の値、減塩と血圧の正体、NaとK、低血圧の養生)

本日の内容(顔が眠そうなので編集しました)

今回は濃い(笑)きっかけはなぜ基準値が昔に比べて下がっているんだろうなぁって思ったことでした。調べているうちに「え、そうなの?」となったのと、最近患者さんで高血圧症と診断されて降圧剤を処方されてからめまいや吐き気がすることを聞いてから調べるようになりました。

ほんと、社会毒っていうのがあるんでしょうね(;゚∀゚)これは自分もそうでしたけど、ちゃんと自分の事を知っておかないとただお金を浪費するやら余計病気になるんだなぁと思い、今回のお灸教室の場で説明させていただきました。

詳細の内容は、ここでは書きませんので、知りたい方は別途連絡くださいませ

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強いて、ここで書けそうなことは、

「減塩すると血圧が下がる」は全員ではない!  です。

今の世の中は、まるで万人(全員)が減塩しましょうみたいな感じでふれまわってますが、実はそうではないです。実際対象となるのが3割~4割の病気があって高血圧症の方です。残りの6割~7割は減塩しても血圧は下がりにくいんです。これを万人がやってしまうと残りの6割~7割の方は、脱水症状、熱中症、腎臓に影響などが起こりやすくなります

また、「イオン交換膜製塩法」の塩問題 です。

減塩するなら、イオン交換膜製塩法の塩の方が良いと思われます。これは立て釜と呼ばれるイオンを使用して塩というかNaを生成するやり方で低コストで販売されている塩です。このNaはミネラルが摂取できない濃厚な塩でして、加工品などによくつかわれています。塩をとるなら原材料が海水、天日塩、成分表には塩のみ、工程は天日、平釜 がよいです

では、実施風景です

意味深な数字(笑)
お灸風景その①
お灸風景その② ぴんぼけ(笑)
漢方の紹介もちらほら

今回も参加してくれたみなさま、ありがとうございました。

次回は、11/23(土)13:30~14:45 テーマは『総集編』です

今までの症状や気になる症状に対してのツボや気を付けることをずらーっと記載します。もちろん、あったかいお灸もね

#74 目病諸候 その27 睊目候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

台風の影響で被害にあっている皆さま、心よりお見舞い申し上げます。はやく日常の生活に戻れますよう心より願っております。

私は、岩手の黒森神楽衆から権現舞を教えていただいたので師匠たちの地域がとても心配です。断水や土砂崩れ等があるみたいです(ノω・、)救いだったのが、師匠たちの笑顔で復興に向けて頑張っていた写真を見て、私も笑顔で頑張ろうっと気合いを入れ直します

さて、 今回の諸病源候論はこちら、『睊目候

睊目?、そもそも何て読むんでしょうね?( ゚д゚ )調べると 睊目 (けんもく)と言うそうです。意味はどういうことか読んでみましょう

<原文>

睊目者、是風氣客於瞼眥之間、與血氣津液相搏、使目眥癢而涙出、目眥恒濕、故謂之睊目

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

睊目(けんもく)の者は、これ風氣瞼眥(まなじり)の間に客して、 血氣と津液相搏って、目眥し癢から使して涙出る、目眥恒(つね)に濕(湿)ふ、故にこれを睊目(けんもく)と言う

<通訳>

睊目(けんもく)とは、風邪が瞼眦(まなじり)の間にやどり、血氣と津液が相互に結びつき、目眦部が痒くなって涙が出るようになり、目眦角が常に湿っているものを睊目(けんもく)と称す

<考察>

今回の話では、 睊目(けんもく) とは、眦(まなじり)に風邪(たとえばほこり、ウィルス、細菌)が入り込み痒みが出て涙がでるという

外の世界から目を守っているのは「まぶた」です。まぶたが眼球を覆っていることで、外からの異物や細菌の侵入を防ぐことができます。また好ましくない強い光や映像も、まぶたを閉じることでシャットアウトすることができます。

こういう類の病気としてたとえば

・ アトピー性角結膜炎

・ 春季カタル

・ 巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)

目を守るしくみ

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/46_menokayumi/

#73 目病諸候 その26 目暈候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

今日の北海道は14℃、最高気温22℃、最低気温13℃、晴れております(・∀・)

短いですが秋を堪能しております。秋は夏の湿った感じから乾燥するので、体が慣れていないと風邪になりやすいので気を付けてくださいね(n´―`n)

では、今回の諸病源候論はこちら、『目暈候

ん?眩暈(めまい)とは違うのでしょうか?

<原文>

五藏六府之精華、皆上注於目、目爲肝之外候、肝藏血、血氣不足、則肝虚致受風邪、風邪搏於精氣、故精氣聚生於白睛之上、繞於黑睛之際、精彩昏濁、黑白不明審、謂之目暈

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

五藏六府の精華、皆目上に注ぐ、目は肝の外候を為す、肝は血を藏す、血氣不足すれば、すなわち肝虚に致り風邪を受け、風邪が 精氣 に広がれば、故に精氣白睛(白目)の上に 聚 を生ず、黑睛(黒目)の際(きわ)、精彩は昏濁し、黑と白つまびらかに明らかにならず、これを目暈 と 謂 う(言う)

<通訳>

五藏六府の精華は皆目上に注ぎ、目は肝の外候である。肝は血を藏す、もし、血氣不足すれば、肝虚となり風邪を受け易くなる。風邪が目の 精氣 に広がれば、精氣は白睛(白目)の上に結 聚して、 白睛(白目) と黑睛(黒目)の交わるところに、灰白色の環状の混濁し、目睛(ひとみ)の 黑と白がはっきりわからなくなる、これを目暈 と言う

<考察>

眩暈(めまい)とはまた、別の話でしたね(笑)

瞳の黒目と白目がはっきりしない病気はたくさんあります

・ 老人環 … 黒目の周りがリング状に白く濁っている場合、ほとんどは眼病ではなく老化現象 。 コレステロールなどの脂質が角膜内に蓄積することで、透明な部分が白く濁って見えています。角膜の中心部にまで到達することはないので、この場合は何も心配することはありません。ただし、関節リウマチなどの病気をお持ちの方には、蚕蝕性角膜潰瘍(さんしょくせいかくまくかいよう)という自己免疫で生じる黒目の周辺の炎症が知られており注意が必要です。 ただし、30代でこれを発症した場合は老人環ではなく「若年環(じゃくねんかん)」と呼ばれ、高脂血症や心血管異常などの病気のサインである可能性もあります。速やかに内科を受診する必要があります。

老人環

・ 角膜感染症 … 「角膜びらん」 、 「細菌性角膜炎」「真菌性角膜炎」「アカントアメーバ角膜炎」「ヘルペス性角膜炎」 などです。 角膜に傷や欠損があると、クリアなガラスではなくすりガラスのような状態になるため、黒目の部分が白く濁って見えるようになります。 角膜の病気は、ただ単に白く濁って見えるだけでなく、強い痛みや視力の低下を引き起こすものです。必ず眼科での治療が必要になります。

角膜感染症

・ フリクテン性結膜炎 … 黒目と白目の境目に、水泡状の白い点が現れる 。 フリクテン性結膜炎は、何らかの細菌に感染した後に現れる遅延型アレルギー反応であるといわれていますが、アレルギー検査でも原因を突き止められないことが多いのが現状です。 ほとんどの場合は1週間程で点状の濁りが消えますが、何度も繰り返すこともあり、放置していると角膜全体が濁って視力の低下を招く危険性もあります。

フリクテン性結膜炎

感染症は、早急に眼科へ行き対処してもらったほうがまわりにひろまらないです。ほかの症状もまずはどういうものなのか確定してから各々対応するといいですね。

「参考文献」


東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

https://eyeblog-hangai.com/eye_trouble/eye_murky/



#72 目病諸候 その25 目黒候

おはようございます。鍼灸師の速水です。

北海道も雨が続いております。早く雨やむといいですね。

さて、久し振りに諸病源候論をやります。今日は『目黒候』です。

目黒(めぐろ)という読み方ではなく、目黒(もっこく)と読みます∑(゚Д゚ )。単純に、「眼が黒い」という意味なのかどうか読んでいきましょう

<原文>

目黑者、肝虚故也、目是藏府之精華、肝之外候、而肝藏血、府藏虚損、血氣不足、故肝虚不能榮於目、致精彩不分明、故目黑

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

目黑(もっこく)なる者、肝が虚す故なり、目これ藏府の精華、肝の外候、肝は血を蔵す、府藏虚損し、血氣不足すれば、故に肝虚し目栄(養)すること能わず、精彩致ること不分明(ふぶんめい)、故に目黑(もっこく)と称す

<通訳>

視野が暗いものを目黒(もっこく)というが、これは肝の虚によるものである。目は臓腑の精華であり、肝の外候であり、肝は血を藏すものである。もし、臓腑が虚損し、血氣が不足すると、目を栄養することが出来なくなり、目の精彩は濁って物を見ることができなくなる。これを目黑と称する。

<考察>

目黒(もっこく) = 視野が暗いもの となります

この意味でふと思ったのが、現代の西洋医学では「一過性黒内障」ですね。一過性黒内障は、頸(けい)動脈から枝分かれした眼動脈に血栓が詰まることで起こります。眼動脈は左右の目にあるんですが、両方が同時に詰まることはまれで、片方の目にだけ症状が表れやすいです。

血管が詰まる原因は、長年にわたる高血圧や糖尿病、脂質異常症などによる頸動脈の動脈硬化が非常に多いそうです。

東洋医学に戻すと、肝というのは血を蔵すというフレーズがある通り、血管にも関連します。それが虚すとつまることになると、西洋医学と同じなりますね( *´艸`)

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

#71 第10回セルフお灸の会 実施しました

こんばんは、鍼灸師の速水です。

今日は日中、北海道マラソンがありましたね((*゚∀゚))v。交通規制があるのは知ってて少し迂回して患者さんの家に行こうとしてましたが、読み間違えて見事に規制中の道路にはまって患者さんに迷惑をかけてしまいました(・´Д`・)゚。

さて、昨日行ったお灸教室。ついに10回目( ノ゚∀゚)ノ。気がつけばあっという間に回を重ねていました。

今回は、『アンチエイジング』

今までのお灸教室で毎回テーマのアンケートをとっていまして、一番やってほしいテーマだったので、今回も気合いれて解説させていただきました(´゚∀゚`)

  • アンチエイジングについて(アンチエイジング≠若返り)
  • エイジングについて(西洋医学でみる老化、東洋医学でみる老化)
  • アンチエイジングに関するつぼ(補腎、脾胃改善、瘀血改善)
  • お灸実践
  • コラム(アンチエイジングと仙道)

アンチエイジングと若返りって同じ意味と勘違いしてました( ゚д゚ ;)簡単に説明するとアンチエイジングはあらかじめ予防、若返りはなってしまってから若々しさを取り戻すという違いになります。

エイジング(老化)は、西洋医学としてどうして起こるのかというと。① 活性酸素などの細胞障害により機能低下 ② DNAの遺伝子による細胞分裂回数の制限 ③ 細胞の遺伝子が障害を受けると、修復機能が低下 ④ 老廃物の蓄積による細胞や機能の低下 ⑤ ホルモン産生低下による身体の各臓器の機能低下 。となります。東洋医学では年の変化とどのように変化するかが素問(上古天真論)、霊枢(天年篇)に記載されています。女性は7の倍数、男性は8の倍数です。

つぼのアプローチとしては、腎(生命エネルギー)を補うこと、後天の精を作り出す脾胃を強化し、瘀血の改善の3つなので、それに関連するつぼを紹介させていただきました(*゚ー゚)

お灸をしつつ、コラムとしてアンチエイジングと仙道の話をさせていただきました(´ェ`)

仙道と言えば、バスケではなく(笑)←このネタを知っている方はスラム○ンク好きですね

仙道の行き着く先は「不老不死」これの本来の意味を知ると欲深くならないと思いました(・∀・`*)

では、実施風景です

開始前
参加者さんに、どれくらい腎が虚しているかチェック
黒板にびっしり
取穴(築賓穴)
腎兪穴の指圧法
お灸風景
コラムで仙道の話しつつ、行の一つ導引で眼の運動の仕方をレクチャー

 

今回も参加してくれたみなさまありがとうございました。

次回は10月の第4土曜日、10/26 13:30~14:45です。テーマはアンケート結果を集計してから決めます~

9月は、地元の神社祭で神楽を舞うのでお休みします