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#155 玄鳥至(つばめきたる)

おはようございます。はりきゅう速水です。

二十四節気では「清明」の頃。
さらに細かく季節を分けた七十二候では、今は玄鳥至(つばめきたる) の時期にあたります。

玄鳥(げんちょう)はツバメ(燕)の別名です。「玄」は黒いという意味があり玄鳥で黒い鳥という意味もあります。これは、冬を越えてツバメが日本に戻ってくる頃という意味。昔の人は、この小さな変化から春の深まりを感じ取っていました。

●東洋医学では、春は「肝(かん)」の季節

ツバメが空を自由に飛び回るように、この時期は体の中でも「気」がのびやかに巡ろうとします。

ですが逆にいうと→ストレスや疲れで巡りが悪くなると、不調が出やすい時期でもあります。

・イライラしやすい

・なんとなく気分が落ち着かない

・目の疲れや充血

・首や肩のこわばり

「なんとなく不調」が増えるのも、この時期の特徴です。

玄鳥至の養生方

 ①軽く体を動かす ⇒ 散歩やストレッチ ⇒ 気の巡りを助けます

 ②深呼吸を意識する⇒ 胸を開くことを意識⇒ 気の巡らす

 ③香りや酸味の味 ⇒ しそ、ミント、柑橘⇒ 肝の働きを助けてくれます

●まとめ

 「玄鳥至」は、ツバメが帰ってくる春のサイン。

 体の中でも同じように、気が外へ、上へと動きやすくなる時期です。

 無理に頑張るよりも、「気持ちよく巡らすこと」を大切にしてみてはいかがでしょうか

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

心も体もととのう漢方の暮らし365日 川手鮎子著

#154 鍼灸師として10年、そしてこれから

おはようございます。はりきゅう速水です。

4月を迎え、おかげさまで鍼灸師として10年が経ちました。

振り返ると、これまで多くの患者さんと出会い、さまざまな経験をさせていただきました。うまくいったこともあれば、悩みながら試行錯誤してきたこともあり、その一つ一つが今の自分の土台になっていると感じています。

北海道に帰ってきた当時、ほぼ寝たきりだった母が、少しずつ回復し、今では車いすや歩行器で動けるまでになりました。その過程に関われたことは大きな経験であり、鍼灸の力や可能性を実感するきっかけにもなりました。

訪問鍼灸はご自宅での生活に寄り添いながら施術を行う中で、体だけでなく日々の過ごし方や気持ちの変化にも触れる機会が多くあります。その中で、鍼灸の役割の広さや大切さを改めて感じています。また、これはとても現実的で、ときに受け止めるのが難しいことでもありますが、よくなっていく患者さんがいる一方で、病気や寿命によってお別れをする方もいらっしゃいます。その一つ一つの経験を通して、限られた時間の中で何ができるのか、どのように関わることが大切なのかを考えさせられてきました。

10年という節目ではありますが、まだまだ学ぶことばかりです。これからも一人ひとりの状態に合わせた施術を心がけながら、少しでも安心して過ごしていただけるよう努めていきたいと思います。

また、訪問鍼灸を必要としている方にしっかりと届くよう、これまで以上に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

#153 体調不良によるお休みと再開のお知らせ

おはようございます。はりきゅう速水です。

昨日は風邪のため、訪問鍼灸をお休みさせていただきました。ご予約いただいていた方々にはご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。

医療機関で検査を受け、コロナ・インフルエンザ・溶連菌・アデノウイルス・RSウイルスはいずれも陰性でした。現在は体調も回復し、明日(4/4)から通常通り訪問鍼灸を再開いたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

季節の変わり目は、気温差や環境の変化により体調を崩しやすい時期でもあります。東洋医学では、こうした時期は「風」の影響を受けやすく、体の表面から不調が入りやすいと考えます。

養生としては、首元や背中を冷やさないこと、そして十分な睡眠をとることが大切です。温かい飲み物や消化にやさしい食事を意識することで、体の回復を助けることができます。

小さな体調の変化を見逃さず、日々の養生を意識して過ごしてみてください。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

#152 『鍼灸で不調が良くなる』に掲載されました

こんばんは、はりきゅう速水です。

Instagramのストーリーにもご報告させていただきましたが、この度、『鍼灸で不調が良くなる』という書籍に、はりきゅう速水も少しだけ掲載していただきました。

日頃から、通院が難しい方にも鍼灸を届けたいという思いで、
札幌を中心に訪問鍼灸を行っておりますので、
このような形で取り上げていただけたことを大変嬉しく思います

また、鍼灸学校の同期の先生方も掲載されています。それぞれの分野で活躍されている先生方の取り組みも紹介されており、鍼灸の可能性や幅広さを感じていただける一冊となっていると思います。

●訪問鍼灸で多いご相談としては

 ・歩行が不安定で転倒が心配な方

 ・慢性的な痛みで外出が困難な方

 ・夜眠れない、不眠や昼夜逆転がある方

 ・筋力低下や拘縮が進んできた方

 ・妊活中や体質を整えたい方

 ・逆子でお悩みの方

 ・出産後の浮腫みや体調不良が気になる方

訪問鍼灸では、ご自宅や施設に伺いながら、無理のない形で身体の状態を整えていきます。

●最後に

今回の掲載を励みに、
これからも地域の方々に寄り添いながら、
訪問鍼灸を通して生活の質の向上に貢献していきたいと考えております。

ご本人様はもちろん、
ご家族・ケアマネジャー様からのご相談も受け付けております。

お気軽にお問い合わせください。

#151 春と感情

こんばんは、はりきゅう速水です。

春は暖かくなり、過ごしやすい季節ですが、気分が不安定になり、イライラしたり、なんとなく気持ちが沈むことはありませんか。

東洋医学では、春は「肝」と関係の深い季節とされています。

肝には気の巡りを整え、感情のバランスを保つ働きがあります。しかしこの働きが乱れると、気持ちが落ち込みやすくなったり、「イライラ」や「不安感」が出やすくなることがあります。

また、気の巡りが滞った状態が続くと、次第にエネルギーが消耗し、いわゆる「肝虚」といわれる状態になることもあります。すると、「気分の落ち込み」や「疲れやすさ」、「やる気が出にくい」といった状態につながることがあります。

春は環境の変化も多く、知らないうちに心や体に負担がかかりやすい時期です。そのため、無理に頑張ろうとするよりも、少し力を抜くことが大切です。

養生としては、軽く体を動かすことや、ゆっくりとした呼吸を意識することがおすすめです。また、気持ちをため込まず、誰かに話したり、自然の中で過ごす時間をつくることも、心を整える助けになります。

春は「のびやかさ」が大切な季節です。無理をせず、自分のペースで過ごすことが、心と体のバランスを整える養生につながります。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

#150 手の浮腫と養生

こんにちは、はりきゅう速水です。

最近、奥さんから「手がむくむ」と相談があり、手がこわばるような感覚があるとのことで色々調べてみました

東洋医学では、むくみ=浮腫(ふしゅ)と読み、「体の中の水分の巡りが滞っている状態」と考えます。特に手の浮腫は「朝に浮腫む」か「夕方浮腫む」かで原因の傾向が変わります。

●朝に浮腫む

 水分代謝の低下が関係が多く、「脾」「腎」の働きが弱っている状態と考えられます。

 冷えや疲れやすさを感じる方も多く、「体を温める」、「朝に白湯を飲む」ことが養生になります。

●夕方に浮腫む

 巡りの滞りが原因になることが多いです。長時間同じ姿勢や日中の疲れにより、「気」「血」の流れが悪くなり、水分も停滞します。

 この場合は、「手を動かす」、「ストレッチ」、「入浴」で巡りを良くすることが大事です。

おわりに

 手の浮腫は体からのサインの一つです。日々の生活の中で少し意識して整えていくことが、体調管理につながっていきます。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

#149 春分を過ぎた今、やっておきたい養生

こんばんは、はりきゅう速水です。

「春分の日」を過ぎ、少しずつ春らしい陽気を感じる日が増えてきました。
この時期は、東洋医学では「冬の体から春の体へ切り替わる大切な時期」と考えられています。

冬の間は、体はエネルギーを内に蓄え、守るような状態にあります。
一方、春になるとそのエネルギーが外へ向かって動き始め、体も「のびる」ような変化が起こります。

そのため、この時期は体の巡りがスムーズにいかないと

・イライラしやすい

・目の疲れ

・肩や首の振り

・なんとなく体が重い

といった不調が出やすくなります。

東洋医学では、春は「肝」の働きと関係が深いとされています。
肝には気の巡りを整える働きがあるため、このバランスが崩れると、こうした症状につながると考えられています。

では、この時期にできる養生はどのようなものでしょうか。

①体を「のびやかに保つ」こと
軽いストレッチや散歩、朝に少し体を動かすだけでも、気の巡りは整いやすくなります。

また、深呼吸を意識することもおすすめです。呼吸がゆっくりになることで、体の緊張がゆるみ、気持ちも落ち着きやすくなります。

②食事は冬のように重たいものから少しずつ軽めのものへ
春野菜や香りのある食材を取り入れることで、体の巡りを助けることができます。

③「ためこまない」こと
ストレスや疲れを無理に抱え込まず、少しずつ発散していくことが、この時期の体には合っています。

春は新しいことが始まる季節でもありますが、無理をしすぎると体に負担がかかることもあります。
日々の中で少しだけ体をゆるめる時間をつくり、季節の変化に合わせて過ごしてみてください。

鍼灸では、こうした季節の変化による体のバランスを整えるお手伝いもしています。
気になる不調がありましたら、お気軽にご相談ください。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

心も体もととのう漢方の暮らし365日 川手鮎子著

#148 妊活と東洋医学

こんにちは、はりきゅう速水です。

最近は、ありがたいことに『妊活目的』で訪問鍼灸を依頼される方も増えてきました。

妊活というと、どうしても女性側の努力に意識が向きがちですが、本来は「夫婦で行うもの」です。東洋医学でも、どちらか一方だけでなく、二人のバランスや状態が大切だと考えます。無理に何かを足すのではなく、本来の力を引き出すこと。
そしてそれを、夫婦で一緒に整えていくことが大切です。

●基本は「気・血・水」

東洋医学では、体は「気(エネルギー)・血(けつ)・水(すい)」のバランスで成り立っています。このバランスは女性だけでなく、男性にとっても同じように重要です。

 ・気が不足すると  → 疲れやすい、活力低下

 ・血が不足すると  → 冷えや巡りの悪さ

 ・水の巡りが悪いと → むくみ、重だるさ

妊娠しやすい環境は、「二人の体の状態」が整ってこそ生まれます。

●まずは「冷え」を整える

冷えは、妊活において大きなポイントのひとつ。
女性だけでなく、男性も体が冷えていると巡りが悪くなります。

夫婦でできる養生として:

・一緒に温かい食事をとる

・湯舟に浸かる習慣をつける

・冷たい飲み物ばかりではないか振り返る

日常の中で無理なく取り入れることが大切です。

●「巡り」を良くする生活

ストレスや緊張は、「気」の流れを滞らせます。
これはホルモンバランスや体調にも影響すると考えられています。

・運動(散歩、一緒に散歩は◎)

・会話の時間を大切にする。

・お互いに無理をさせない

妊活は「頑張るもの」ではなく、「整えていくもの」です。

●食事のポイント

・気を補う食材(お米、いも類、豆類)

・血を補う食材(なつめ、ほうれん草など)

・体を温める食材(生姜、ねぎ、根菜類など)

・水を整える食材(小豆、白菜、海藻類、大根など

・バランスの良い食事(腹八分、一汁三菜)

どちらか一人だけ頑張るのではなく、二人で同じ方向を向くことが、心の安心にもつながります。

●おわりに

妊活は、結果だけでなく「過程」もとても大切です。
そしてそれは、一人で抱えるものではなく、夫婦で歩んでいくもの。

養生に加えて、鍼灸によるサポートも取り入れることで、体の巡りを整え、より妊娠しやすい状態へと導くことができます。

体と心をやさしく整えながら、二人のペースで進んでいきましょう。

焦らず、比べず、自分たちの形で。

「参考文献」

東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社

心も体もととのう漢方の暮らし365日 川手鮎子著

#147 たまにはD会(読書会)について

こんばんは、はりきゅう速水です。

はりきゅう速水のInstagramのストーリーにたまに表示しているD会(読書会)を少し詳しく紹介します

月に2回、東洋医学の古典を読む読書会をオンラインにて行っています。

●私担当の『諸病源候論』の読書会(通称:D会)  

 ⇒第一日曜日9:00~12:00 or 第一土曜日20:00~23:00

 諸病源候論とは、中国・隋の時代にまとめられた医学書でさまざまな病気の原因や症状について書かれており、古い医学書でありながら、体の変化を丁寧に観察していることがよく分かります。

 現代の医学と比べると表現や考え方は違う部分もありますが、読み進めていくと「昔の人も同じように体の不調に向き合っていたのだな」と感じることが多くあります。
また、日々の臨床の中で「なるほど」と思うような視点に出会うこともあり、古典を読む面白さを感じています。

●八王子にいる先生担当の『黄帝内経素問』の読書会(通称:裏D会)

 ⇒第三土曜日20:00~23:00

 黄帝内経は東洋医学の基礎となる医学書で、「素問」と「霊枢」という二つの部分から成り立っています。その中でも素問では、体の働きや病気の原因、季節と体の関係、養生の考え方などが対話形式で書かれています。

 内容は哲学的な部分も多く、読むのは簡単ではありませんが、自然と人の体の関係や、健康を保つための考え方など、東洋医学の基本が多く語られています。

 有名な言葉に、「上工は未病を治す」という考えがあります。
これは、病気になってから治すのではなく、病気になる前の段階で体を整えることが大切だという意味です。東洋医学ではこの「未病」の考え方がとても重視されています。

参加者は、北海道の私、八王子や横浜の先生が参加しています。みんな鍼灸学校の同期でして、最初は二人の先生が古典の知見を深めるために始めた会でした。そこに私も参加するようになり、今も続いています。

なお、読書会はどなたでも参加可能です。東洋医学の古典に興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

#146 縁と東洋医学

こんばんは、はりきゅう速水です。

日々、鍼灸の仕事をしていると「縁」という言葉をよく考えることがあります。
患者さんとの出会い、紹介で鍼灸を受ける方、偶然ホームページを見つけて来てくださる方。振り返ってみると、すべてが何かの縁でつながっているように感じます。

実は、この「つながり」という考え方は、東洋医学の基本的な思想にも通じています。東洋医学では、人の体を単独の臓器として見るのではなく、体全体の関係性の中で捉えます。

こうした考え方の背景には、『天人合一(てんじんごういつ)』という思想があります。
これは「人と自然は一体である」という考え方で、人の体は自然の変化と切り離せないものだとされています。例えば春になると体が活動的になり、冬になると体は休もうとします。このような変化も、人が自然とつながっているからこそ起こると考えられています。

また東洋医学では、心と体のつながりもとても大切にします。
この考え方は『心身一如(しんしんいちにょ)』と呼ばれ、心と体は別々ではなく、一つのものとして働いていると考えます。例えば強いストレスを感じたときに胃が痛くなったり、気持ちが落ち込むと体が重く感じたりすることは、多くの方が経験されているのではないでしょうか。このような変化も、心と体がつながっているからこそ起こるものです。

さらに東洋医学では、体の働きも互いに影響し合っていると考えます。
その関係を説明する考え方が『五行思想(ごぎょうしそう)』です。
五行思想では、体の臓器や働きがバランスを取りながら互いに支え合っていると考えます。

そして、人との縁もまた、体や心に影響を与える大切な要素の一つかもしれません。
誰かと話すことで気持ちが楽になったり、笑うことで体が軽く感じたりすることもあります。鍼灸も、そうした縁の中で成り立っているように感じます。
体の不調をきっかけに出会うことも多いですが、その出会いを通して体を整え、少しでも日々を楽に過ごしていただけたら嬉しく思います。

日常の中でふとした縁を感じたとき、自分の体や心の状態にも少し目を向けてみてください。東洋医学の視点では、そうした小さな気づきも健康へとつながる大切な一歩と考えられています。

「参考文献」

・心も体もととのう漢方の暮らし365日 川手鮎子著

・東洋医学概論  教科書執筆小委員会 著  医道の日本社