#85 目病諸候 その32 目肥候

こんばんは、はりきゅう速水です。今日は夜の仕事がないので気力が続く限り、目病諸候を進めようと思います。

さて、今回は「目肥候」です。目肥の読み方が載ってなかったので、一つずつ音読みでしました。今回は 目肥 (もくひ)と読みます。もし、読み方がわかる方がいらっしゃいましたらご教授願います

<原文>

肥目者、白睛上生點柱、或如浮萍、或如榆莢、有如胡粉色者、有作青黑色者、似羹上脂、致令目暗、世呼爲肥目、五藏六府之精華、皆上注於目、爲肝之外候、宗脈所聚、上液之道、此由府藏氣虚、津液病邪所搏、變化而生也

< 書下し文、自分でやっているので間違いがあります >

肥目(ひもく)は、 白睛(しろめ)の上に 點柱(てんちゅう)を生じ、あるいは 浮萍(ふへい)のごとく、あるいは 榆莢 (ゆきょう) のごとし、 胡粉(こふん)の色の如くなる者の有り、青黒色をなす者の有り、羹上(かんじょう)の脂に似て、目をして暗み(くらやみ)にいたせしむ、世呼びて 「 肥目(ひもく)」と為す、五臓六腑の精華は、皆上りて目に注ぐ、肝の外候なり、宗脈の集まるところ、上液の満なり、これ腑臓の気虚によりて、津液邪の為す搏つ所、変化して生なり

<通訳>

肥目(ひもく) とは、 白睛(しろめ)の上 に点状の色素斑が生じたもので、それは 浮萍(ふへい、うきくさ) のようなものであったり、 榆莢 (ゆきょう、にれのさや?、 榆莢のワードで調べると漢王朝のお金とでてきます)のようであったりで、その色は 胡粉色(白い色の顔料)や青黒色であり、あたかも 羹(あつもの、熱いもの)の上の脂油みたいな感じのものである。このために目は物をみることができなくなるものを俗に「 肥目 」と称されている。このような眼疾は臓腑の気虚で、津液が邪気のうつところとなって起こったものである。

<考察>

この証候は結膜疱疹や色素斑、或いは結膜乾燥症に出現する結膜乾燥斑などに相当するものである。

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

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