#65 目病諸候 その23 目偏視候

こんにちは。鍼灸師の速水です。

GW終わりましたね。皆さまはゆったりできましたか?

さて、今日は『目偏視候』です

偏視とは?です。偏視は現代の医学用語でもでてくるのでなんとなくわかると思います

<原文>

目是五藏六府之精華、人府藏虚、而風邪入於目、而瞳子被風所射、睛不正則偏視、此患亦有從小而得之者、亦有長大方病之者、皆由目之精氣虚、而受風邪所射故也

<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>

目、これ五藏六府の精華、人府藏が虚し、風邪目に入ると、瞳子(どうし)被風(ひふ)射る所、睛(ひとみ)不正となり偏視となる、この患いは從小(じゅうしょ、幼少期)得る者あり、また長大(ちょうだい、大人)の方、病の者あり、皆ゆえに目の精氣虚し、風邪を受け射る所ゆえなり

<通訳>

五臓六腑の精華は目に注ぐが、その人の臓腑が虚して風邪が目に入ると眼晴が不正となって偏視を生じる。このような眼疾は小児期から起こるものがいるし、また成年後に起こる者がいるが、これはいずれも眼の精気が虚し、風邪が外襲することによって眼晴がひきつれて起こるものである。

<考察>

「偏視」とは、 左右の眼球が一方向を向いたままの状態。
水平方向のものと垂直方向のものとがある。左右の方向への眼球運動(水平共同視)は,大脳皮質から橋(きよう)への神経回路と,橋にある水平共同視中枢によって営まれているが,これらの経路のどこかに病変が生ずると,一定方向への水平共同視ができなくなり,眼球はそれと反対側にひかれた状態のままとなってしまう。このような状態が麻痺性の共同偏視である。脳卒中などのように大脳半球内の病変では,このような麻痺性共同偏視を生じ,眼球は病変のある側をにらむような位置をとることが多い。

東洋医学では、目偏視は幼児では脾気の虚弱で眼筋の収縮が不正となることや、或いは不良な習慣によって起こることが多い。成人においては偏視あるいは両眼の眼球が突然に偏斜するものは風熱、風痰などによって起こるものであり、複視を伴うことが多い。

「参考文献」

東洋医学概論  公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著

講釈 諸病源候論 巣 元方 著  牟田 光一郎 訳

http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_w-vision.jsp
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/3347

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