夜分どうも、鍼灸師の速水です
なかなか寝れないのでブログを書いてみました
今日はこちら、『令毛髪不生候』です
<原文>
足少陰之血氣、其華在髮、足太陽之血氣盛、則眉美、足少陽之血氣盛、則鬚美、足陽明之血盛、則髮美、手陽明之血氣盛、則髭美、諸經血氣盛、則眉髭鬚髮美澤、若虚少枯竭、則變黄、白悴禿、若風邪乘其經絡、血氣攻變、則異毛惡髮妄生也、則須以藥傅、令不生也
<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>
足少陰の血気、その(五)華は髪にあり、足太陽の血気盛んなれば、すなわち眉美しい、足少陽の血気盛んなれば、すなわち鬚美しい、足陽明の血盛んなれば、すなわち髪美しい、手陽明の血気盛んなれば、すなわち髭美しい、これ経血気盛んなれば、すなわち眉髭鬚髪美しくうるおう、もし虚少枯渇すれば、すなわち黄色に変(化)する、白くやつれ禿る、もし風邪がその経絡に乗ずれば、血気攻めに変(化)し、すなわち毛異なり髪悪しみだりに生えるなり、すなわち薬をもってつたえる、生えずなり
<通訳>
まさかの省略∑(゚Д゚ )。微妙ですが、書下し文でなんとなくイメージできたらなぁと思います
<考察>
今まで述べた髪、鬚、髭、眉の総まとめで記載してますね。
今までのを整理すると
髪 → 足の少陰腎経
鬚(あごひげ) → 足の少陽胆経
髭(くちひげ) → 手の陽明大腸経
眉 → 足の太陽膀胱経
ただ気になるのがありまして
足陽明之血盛、則髮美
足の陽明とは「足の陽明胃経」のことを指し、足の陽明胃経が血(気)盛んであれべ、髪美しいと記載されています
前回 髪 → 足の少陰腎経
今回 髪 → 足の陽明胃経
むむむ└(゚ロ゚;)┘ な、なぜ異なるのでしょうね?
考えられるものとしては(あくまで推測ですけど)
(1) 誤字
→ 諸病源候論にて、「足陽明之血盛」と検索しても「令毛髪不生候」のみヒット、「足陽明之」で検索しても髪に該当する箇所なし
(2) 髪ではなく額の生え際では?
→ 足の陽明胃経の経絡が以下の通りです
鼻根に起こり下って鼻の外(承泣穴、四白穴、巨髎穴)を循り、上歯の中に入り、還り出て唇を循り、下って承漿穴で左右が交わる。ついで下顎下縁を循り大迎穴から頬車穴を循り、耳前に上り客主人穴を過ぎ、側頭髪際を循り額顱に至る。その支なるものは、大迎穴の前より人迎穴に下り、喉嚨を循り缺盆穴に入り、膈を下って胃に属し脾を絡う。その直行するものは、缺盆穴より乳の内廉に下り、下って臍を挾み気衝穴に入る。気衝穴から大腿前外側を下り、膝関節を循り、下腿前外側を下り、足の第2指外端に終わる。その支なるものは、胃口の下に起こり、腹中を循り下って気衝穴に合す。その支なるものは三里穴の下方から分れ、下腿外側(胃経と胆経の間)を下り豊隆穴を経て足の第3指に行く。その支なるものは、衝陽穴から別れて第1指に至り、足の太陰脾経に連なる。
側頭髪際を循り額顱に至る。 これの事なのかなと
え~と、私一人ではなんとも言えないので(笑)、有識者の知識をお借りしたいです(^-^)
古典は色々と考えさせてくれるので、迷うこともありますが考えるきっかけになるので勉強になります( ´ー`)ノ
「参考文献」
東洋医学概論 公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著
講釈 諸病源候論 巣 元方 著 牟田 光一郎 訳