#3 鍼灸の適応症について

おはようございます、鍼灸師の速水です

もう6月になっちゃいますね。早いですねぇ。だんだんと湿度も上がってくるので夏バテに気をつけてくださいね。

さて、今回は鍼灸の適応症について書きます。

1979年 WHO(世界保健機関)は鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表しました。1996年に6疾患を加えた改訂版を公表し、現在では49疾患が鍼灸の適応疾患となっております。これは臨床経験にもとづくものであり、必ずしも研究上の裏付けを伴うものではありませんが、鍼灸治療の幅広さが理解される資料となっております。

 

WHOの見解 1979年 43疾患

●上気道疾患(急性副鼻腔炎、急性鼻炎、感冒、急性扁桃炎)

●呼吸器疾患(急性気管支炎、気管支喘息)

●眼疾患(急性結膜炎、中心性網膜炎、近視(小児)、白内障(合併症のないもの))

●口腔疾患(歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、急性・慢性咽頭炎)

●胃腸疾患(食道・噴門痙攣、しゃっくり、胃下垂、急性・慢性胃炎、胃酸過多症、慢性十二指腸潰瘍(除痛)、急性十二指腸潰瘍(合併症のないもの)、急性・慢性腸炎、急性細菌性赤痢、便秘、下痢、麻痺性イレウス)

●神経、筋、骨疾患(頭痛、片頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺(初期、3〜6ヶ月以内のもの)、脳卒中後の不全麻痺、末梢神経障害、急性灰白髄炎の後遺症(初期、6ヶ月以内のもの)、メニエール病、神経因性膀胱、夜尿症、肋間神経痛、頸腕症候群、五十肩、テニス肘、坐骨神経痛、腰痛、変形性関節症)

 

WHO草案 1996年 49疾患

●運動器系疾患(上顆炎(テニス肘)、頸部筋筋膜性、頚椎炎、肩関節周囲炎、慢性関節リウマチ、捻挫と打撲、変形性膝関節炎)

●消化器・呼吸器系疾患(胆石、胆道回虫症、胆道ジスキネジー、下痢・便秘、潰瘍性腸症候群、急性扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、慢性副鼻腔炎、気管支喘息)

●疼痛疾患(頭痛、片頭痛、緊張型頭痛、坐骨神経痛、扁桃腺摘出手術後疼痛、抜歯疼痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、腎性疼痛、胆道疝痛)

●循環器系疾患(狭心症を伴う虚血性心疾患、高血圧症、低い血圧症、不整脈、神経循環性無力症)

●泌尿・産婦人科疾患(月経困難症、分娩誘導、月経異常、女性不妊、男性不妊、ED、遺尿症、尿失禁、尿閉)

●その他の疾患(白血球減少症、近視、肥満、メニエール症候群、片麻痺、うつ病、薬物中毒、アルコール中毒)

 

上記の疾患以外でも鍼灸治療が認めれているものも出てきています。疾患名はたくさんありますが東洋医学では疾患に対して治療というよりも、患者さんの不調となっている原因を四診という診断法で、病の根本原因(経絡の乱れ)を探り出し、その原因となる要素(「気」「血」「水」の流れ)にアプローチして病の根本原因を取り除き、本来の元気な状態にすることによって症状の改善を図っています。

 

「参考文献」

はりきゅう理論 公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著書

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