おはようございます。鍼灸師の速水です。
ある患者さんの髪の毛がもともと白髪だったんですが、最近、少しずつですが黒くなりだした気がしてて、『髪の毛、色染めましたか?』って聞くと、染めていないそうで、頭に鍼をしていることもあってか、頭皮の血流が改善したのかもしれないですね( ◞・౪・)◞
そんな嬉しいこともあってか、そもそも毛髪について少し勉強してみようと思いましてこないだ購入した諸病源候論から勉強していきます
毛髪病諸候 と目次にあり13個の症状があって、その症状の理由を記載してくれます(なかには、似た症状がある場合は和訳を省略しているものもあります)
目次通りにはいかないで(笑)、気になる症状を一つ紹介します
今回はこちら!
『白髪候』 白髪について
<原文>
足少陰腎之経也、腎主骨髄、其華在髪。
若血気盛、則腎気強、腎気強、則骨髄充満、故発潤而黒。
若血気虚、則腎気弱、腎気弱則骨髄枯竭、故髪変白也。
<書下し文、自分でやっているので間違いがあります>
足の少陰は腎の経なり、腎は骨髄を主り(つかさどり)、その(五)華は髪にある。
もし、血気が盛んなれば、すなわち腎気強くなり、腎気強ければ、すなわち骨髄充満し、故に潤いを発し黒くなる。
もし、血気が虚せれば、すなわち腎気弱くなり、腎気弱ければ、すなわち骨髄枯渇し、故に髪が白く変するなり。
<通訳>
足の少陰は腎の経脈である。腎は骨髄をつかさどり、その精華は髪を栄養する。
もしも、血気が充盛であれば腎気も強く、腎気が強盛であれば骨髄は充実し、その精華もよく頭髪を栄養するので、頭髪は潤沢で黒くなる。
もしも、血気が虚虧(きょき)すれば腎気は弱くなり、腎気が衰弱すれば骨髄は枯渇するので頭髪は栄養を失って白く変わる。
<考察>
冒頭にもあげましたが、血気(血のめぐりとエネルギーのめぐり)が充実することで、精をつかさどる腎が元気になり、それが髪にも栄養がいくということですね。その患者さんは足の冷えが強いので足を温めつつ(主に足の少陰腎経)、てい鍼を使って中風七穴、腎経に補法をしてきました。古典どおり腎気が充実して髪が黒くなっていったみたいですねヽ(‘∀’*)ノ
「参考文献」
東洋医学概論 公益社団法人東洋療法学校協会 編 教科書執筆小委員会 著
講釈 諸病源候論 巣 元方 著 牟田 光一郎 訳